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MMS-零 ミッション 49 「夏の夜の夢」イベントムービーその1 

MMS.jpg


私は戦った。

国家の名誉のために、家族のために、戦友のために、

祖先の誇りを守るために・・・・・

私は戦った。

命を賭けて、己の魂を賭けて


その結果がこれだ



こんな結果を私は認めない


絶対に認めない



ジオン秘書官

ジュリア大尉は薄暗い作戦室の中でカタカタと、無言で文章を作成する。

ジュリア「・・・・・・・」


ジオン軍女性将校

マローネ大尉がジュリア大尉の後ろにそっと立つ。

マローネ「ジュリア大尉、そろそろ引き上げるぞ・・・もう戦争は終わったんだ。

私と共にソラへ・・・宇宙へ、サイド3に帰ろう。

ヴェイガンやザフトの連中もほとんどの部隊は宇宙へ、故郷へと帰還している。

カタリナ社のドイツ局やイタリア局、スペイン局の連中も本国に帰る準備をしている・・・


私たちの長い戦いは終わっ・・・」



ジュリア大尉がすっと立ち上がる。


ジュリア「私ね、結婚していたの・・・夫がいたの・・・」

マローネの言葉をさえぎりジュリアが語りだす。

マローネ「・・・・・」

ジュリア「大学のゼミでね、一緒になって・・・それから2人で一緒に軍に入って・・・一緒に祖国を守ろう・・・ジオンが戦争に勝って、みんなが安心して暮らせる平和な世界になったら・・・子供を作ろうって・・・夢があったの」


ジュリアの透き通った声が薄暗い作戦室に響く。

マローネ「・・・・・・・・・・・」


ジュリア「でも、それももうかなわない夢・・・夫は前のMMS戦争でカタリナ社イギリス局と地球連邦軍の艦隊戦で戦死・・・奴らに対して何も出来ないまま私はこのまま、戦争を終わらせたくなんて出来ない」

ジュリア大尉はそっとパソコンのエンターキーを押す。


暗号化されたメールが一斉にどこかへ送信される。

マローネ「!?ジュリア大尉!!今の暗号電文は!?」


ジュリア「連邦や拝金主義のカタリナ社を憎んでいる同士は大勢いる。彼らにメッセージを送ったの・・・3日後に行なわれるカイロの連邦軍とカタリナ社の合同和平会議を襲撃するように」

マローネ大尉がさっと腰にある拳銃を引き抜く。

マローネ「大尉!それは本国の正式な命令ではないな!!なんてことを!!なんてバカなことを!!いまならまだ間に合う!!ただちに送信をやめるんだ!!」


???「・・・・・・いいえ、もう間に合いません。マローネ大尉」

袖付きニュータイプ1

サーティア中尉がいつの間にかマローネの後ろに立ち、拳銃を片手にマローネに向けていた。


マローネ「サーティア中尉!?きさまもか・・・・」

マローネは声を震わせて怒りを上げる。

サーティア「・・・・マローネ大尉、私だけではありません。外を見てください」


マローネ大尉は会議室のカーテンを取り除き外をみて驚愕する。


マローネ「!!!!!!!これはッ」



巡洋艦エンドラ級

巡洋艦エンドラ級

xDSC06413.jpg

ヴェイガン戦艦

ナスカ級高速戦闘艦

軽巡洋艦その1


窓の外には、共に苦楽を歩んできた通称枢軸国の艦隊が勢ぞろいしていた。

ジオン公国、ザフト、ヴェイガン、ドイツ、イタリア、スペイン局、各国の精鋭たちが主義主張、人種、文化、生まれた場所が違えども、一丸となって武装を整えている。


マローネ大尉「・・・・愚かな・・・・なんて、愚かなんだ・・・・戦争は終わったんだぞ・・・みんな故郷に帰りたくないのか・・・」

ずるずると崩れるマローネ。


サーティア中尉が銃をしまい、マローネを優しく抱きしめる。


サーティア「私は生まれてから戦争しか知りません・・・帰るところがありません。あそこにいる人たちも同じです。家族や愛する人を連邦やカタリナ社に殺され、帰るところがないんです・・・・

ヴェイガンの人たちは故郷に帰っても長くは生きれません。
ザフトの人たちも未来に子孫を・・・残すことができません。
ドイツやイタリア、スペイン局の皆さんは自らの未来を切り開くために、立ち上がりました。


私たちは生き方を選べなかった・・・だから、だから・・・せめて死に方は選びたいのです」


マローネ「中尉・・・・」


ジュリア「マローネ大尉には、私たち、ジオンいえ、軍人としての最後を見て欲しいのです。

こんな結末は誰も望んでいません。だから私たちは戦うのです

最後の最後の瞬間まで」


ジュリア大尉の目は、深い澄んだ蒼い目をしていた。


マローネ「MMS戦争で私たちは多くの大切な何かを失った。私も家族を殺された・・・・復讐したいのは私も一緒だ・・・・私もこのときを・・・待っていたのかも知れないな・・・・」


マローネ大尉は立ち上がる。

マローネ「今なら連邦もカタリナ社の連中も戦争が終わったと思い込んでカイロの警備は手薄だろう・・・やるなら今しかない!!」

ジュリア大尉がうなずく。

マローネ「私たちの最後の戦いを始めよう」




つづく




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[ 2012/09/30 00:33 ] ミッション | TB(0) | CM(19)

この恐怖に満ち、慰めも希望に途絶えたこの世界
道徳や慈愛等は既に無力
進歩と同調の約束等絵空事
血に餓えた神々のせせら笑いがこだまするこの世界に

平和はない
休息もない
赦しなど、あるはずもない
戦争だけが残ったのだ


そう…コデックスに有るとおり、我等は皆キリングマシーン。心を持たぬ蛮徒。
この世界がそうであるように。

ラス「けーっきょくセンソー終わらないんだねー
なんだかマスタァーが言ってる事も大体あってんじゃないかって気がして来たヨ」
ロイド「しかし彼女…軍人ではないな。軍人は命令に従うものだ。
戦いをやめるのも始めるのも軍人が決める事ではない」
ミッド「所でマスターは何故またケイオス化しているのですか?」

ケイオス神の導きの声が聞こえたから(マテヤ)
コリアでは流血によってコーン神から
ロシアでは裏切りによってティーンチ神から
そしてアフリカでは…

ラス「えー?!もしかしてナーグルお爺ちゃん行っちゃうの?!ボクヤダよあんな気持ち悪い神姫になるの!」
ロイド「わ.私も遠慮したいぞチーフ」
ミッド「断れるなら私も断りたいです」

お前等慈悲深い大翁に向かってなんて不敬な。
まぁそういうと思ってそっちは別に計画がある。
むしろ通常の新兵器が結構あるから、普通にグレードアップ出来ると思うぞ。
[ 2012/09/30 01:16 ] [ 編集 ]

■アフリカ東岸 ジブチ『team KUROMIZU』基地
事務所の会議室に集められた30余名の傭兵(神姫オーナー)は、社長である黒水から今後のMMS-零における
チームの活動方針が示されていた。
黒水「……では宇宙組は今まで通り、海賊稼業に勤しむなり未開の惑星で企業間抗争にチャチャを入れください
   いつものように長引かせて対立陣営両方からケツの毛まで毟るように」
宇宙組「ウヘ~イ(剣呑な笑み)」
黒水「地上組はマグリブ戦争が終盤戦に入りましたので正念場ですのでヨロシク、あと南侵の参加者はまだ募集
   中です。ウガンダとケニアでの虐殺行為は禁止ですがタンザニアはキリングフィールドごっこOKですん
   で奮ってご参加ください、じゃ、解散!」
傭兵A「ティターンズってMMSあるのか?弱いものイジメは趣味じゃないね」
傭兵B「嫁の新しい装備が欲しいから報酬しだい?修理費で減算はやだな~」
傭兵C「アタシはぁ殺せるならナンでもイイって感じ?」
傭兵D「お前のブレなささには感心するわwww」
傭兵E「俺、神姫にカメラつけて『MMS-零を撮ってみた』動画作りたいんだけど」
傭兵F「Cが動画あげてたから聞いたら?コメで『零で会ったら実はイイ人でした』とか書かれてたぞ」
傭兵C「いやーっ!やめて!アタシのイメージってもんが!(/ω\*)」
ゲラゲラゲラ!笑い声を上げる傭兵たちを余所に会議室を出たサーティーは黒水を追いかけた。
サーティー「店……社長さん、ちょっと」
黒水「ん~なんだ?相談かい?」
サーティー「次のミッション出なくてもいいですか?」
黒水「……なんだ、そんなことか。ミッションに出るの出ないのは自分で決めていいってチームの約束事にもそ
   う書いたはずだけどな」
ナイン「おい~ミッションムービー見て凹んでんのか~小僧」
サーティー「!」
黒水「あ~そういうこと、ま~このゲーム傭兵ゴッコだから気持ちいいオチはまずないからな。好きにしていい
   ですよ、別のミッションに参加したって誰も文句は言いません」
ナイン「そんでアイツ等を見捨てたとか思うなよ……戦争なんて怪物に個人の事情を持ち込んだ結果がアレだ…
    死にたがりに付き合わされる将兵は悲惨だと思わないか?」
黒水「ちょっとナインさ~ん、彼を追い込むようなことは言わないでくださいよ~。エントリーまで時間はあり   ますのでじっくり考えるのといいでしょう、では」
黒水は自分で決めろと言うと、ナインを引っ張って去っていってしまった。
アスファ「どうすんのさマスター?アタシは死にたくないですぅ」
ラフィカ「マスターが皆さんと死んであげる義理はありませんよ!」
少年は一人立ち尽くす。
[ 2012/09/30 16:23 ] [ 編集 ]

ヴァルプルギスの夜


サープライズは、カイロ南南東約30kmのヘルワン・アル・ハービ国内空港の東の外れに停泊していた。
ここはカタリナ社USA局指定の空港で、ここにはひっきりなしに、輸送機やコンテナ輸送船が離着陸を
繰り返し、サープライズに対して、推進剤やミサイル類、予備の大型LRU(Line Replaceable Unit)や、
数多くの備品の搬入を行っていた。
端から見て、どう見ても和平の結果の撤退行動には見えなかった。
そして、巨艦サープライズの1km離れた位置にもう一隻、サープライズと瓜二つの艦艇が停泊していた。
離れているとはいえ、お互い1000m級の艦艇であり、そんなに離れている様には見えない。
異なるのは、艦全体の青みがかった銀色塗装と、両脇のアームド型宇宙空母にかなりのVF-19,22,171,
25といった可変戦闘機や旧FAFのファーンII、シルフィード、メイヴがずらりと並んでいるというところ
だろうか。恐らく、この2倍の数の戦闘機が艦内に収納されていると見られる。
艦最上階のアイランドのマストには、カタリナ社の社旗とUSA局独自の社旗が大きく翻り、艦側面には
カタリナ社USA局の社章が大きく表され、その下に艦名が記されていた。

"CONSTITUTION"

そう記されていた。この艦艇の名称は、合衆国独立直後の海軍設立時に建造された大型44門フリゲート
艦に由来するという。その意味は”憲法”だ。”吾れが法なり”というところか。
こういった艦名を付ける事で、かつての超大国だった頃を再現したいという野心が透けて見える。
まずは、棚ぼたで手に入れることができるかもしれない北アフリカの地を、そう簡単には手放さないと
いう意思表示でもあると読み取れる。それとも、単なる示威行為だろうか。真意は不明だ。


ヴァカリネー「”夏の夜の夢”って、シェイクスピアだろ?
       表題に反して、時間軸が5月1日になっているっていう話だが。
       この時期ってのは、確かメーデーと重なっていて、あの”ヴァルプルギスの夜”もこの
       時期だったよな。○どかマギカの映画に合わせたかな?」
ユキ「その映画に合わせたかどうかは別にして、最終的には大団円を迎える演劇ですよ。」

ここで、靴音が、甲高く艦橋内に響いた。

リンファ「旧通商枢軸国同盟軍の中で、下級士官を中心に不穏な動きが起こっています。」

サープライズのアイランド内にある艦橋に集まっていたイレギュラーズ首脳陣に対して、新天使型MMS
がレポートを読み上げる。

リンファ「基本的には、今回の停戦案に対しての抗議行動と言えますが、大型艦艇や機動兵器を有した
     精鋭部隊のため、状況は極めて憂慮すべき事態が迫っていると思われます。
     現在の所、特定の場所に集結しているとの情報は有りませんが、秘匿通信や索敵情報が盛ん
     に飛び交っており、一部では兵站物資の戦闘艦艇内への搬入が始まっているとの未確認情報
     も有ります。」
ウィニフレッド「お隣のUSA局/コンスティチューションの動きは?」
リンファ「こちらへの物資の搬入情報以外の情報はありません。どうやら箝口令が敷かれている様です。
     メーティアによると、本国USA局との間で情報交換が盛んに行われている様ですが、直接介入
     指示は出されていない様です。」
ユキ「現状、我々は未だUSA局との契約下にあります。スポンサーたるADEPT社でもこれを是としています。
   基本的にUSA局の意向が我々の行動を決める事になるでしょう。
   その事を伺える様に、今回の搬入物資の中に、スーパーハイマニューバミサイルや推進式レーザー
   ポッド、RMSシリーズ対艦ミサイル、そしてMDE弾が多数存在します。
   これらの兵器は本来、宇宙空間に置ける使用を前提としています。そのため、有効範囲は広範囲と
   なります。
   そして、もう一つ、封印していた主砲”バスターキャノン”ですが、開封キーが届けられました。

   これらの意図する事は、恐らくUSA局としては、今回の和平案を覆す勢力は全て排除する方向で、
   指示を出して来るでしょう。」
ヴァカリネー「向こうも不穏だけど、こちらも不穏極まりないよな。」
ユキ「そうなる前に、通商枢軸国同盟軍内部、または通商連邦同盟軍、あるいはフランス局が事を収束させ
   る事を願うだけです。ただし、通商連邦同盟軍やフランス局からの支援依頼が出れば、USA局は無条
   件でゴーサインを出すでしょう。
   そうなれば、多くの艦艇、機動兵器、そして何万もの兵士を砂漠に葬る事になります。」

イレギュラーズ首脳陣は、暫くただ黙って前面スクリーンに映るエジプト全土の地図を見つめていた。
[ 2012/09/30 18:03 ] [ 編集 ]

スパルトイ(骸骨の守護者)

「……馬鹿な真似をッ!」

 根城としていた廃倉庫の中で、男は机代わりにしていたコンテナに拳をたたきつけた。

"枢軸国側の一部部隊が、撤退命令を無視し集結している”

 アフリカの地で人道支援を行っている友人…元ザフト兵の医師から、その情報を聞いた時…
彼は視界がぐにゃり、と歪む錯覚を覚えた。しかもその中に…一度は肩を並べ、背中を預けあった
人物達の姿が有った、と聞いた時はとりわけ。

「…君はどうするんだい、相棒(バディ)」

 愛用のライフルを手入れしていた人馬型が、心配そうに尋ねる。
彼女は、彼女の主人が傭兵には似つかわしく無い程に、お人よしなのを知っている。
故に、言外にこう尋ねても居た。"ジュリア大尉達に引き金を引けるのか”、と。

 立ち込める重苦しい沈黙。他の神姫達も、ただただ無言で得物を手入れしているが…
その実、己の主人がどう答えるのかを固唾を呑んで見守っていた。

「…止めるさ。あの人達の行動が、力ない人々を巻き込むなら…彼女たちは、俺の敵だ」

 どこか苦渋を滲ませながらも、彼の言葉に迷いは無い。

「…そっか。なら、僕は…それに従うまでさ。僕は、君の神姫だから、ね?」

「すまんな、ホリィ。……ま、戦場でかち合ったらギリギリ説得してみる、さ。
 脱走軍人の一人や二人くらい、かくまえる余裕はあっからな!」

そう空笑いしつつも、彼はそれが無駄に終わるだろうな…と、どこかで理解していた。

ハンガーの中で待機するガンダムタイプのカメラがきらりと光ったような、気がした。
[ 2012/09/30 21:28 ] [ 編集 ]

(@オーストリア・ウィーン。PONKOTSUインダストリー欧州支社)

「・・・・・・」

本社ほどではないが、それなりの広さを誇る執務室にて、彼―レイキャストは、一通のメールで悩んでいた。
差出人は・・・『ジュリア・ヴィルヘルム・ケルム』。
タイトル欄にはただ一言、『お願いします』とだけ。
本文には彼女が決起に至った経緯と、同時に自ら十字架を背負う覚悟が綴られていた。

「俺もアンタと同じだよ、ジュリア大尉・・・。MMS戦争中に、俺も親父を失った。ザフトに出向中だったせいで、墓参りに行けたのは終戦から一月後だった・・・。だからこそ、わかるぜ。その気持ち」

彼は椅子から立ち上がると、執務室から出てエクスシアが係留されているドックへと向かう。

「だからこそ、俺も道化となろう。幕はまだ、降りてはいない・・・!」


(@欧州支社・第1模擬演習場)
クリス「そこぉっ!!」
ルカ「パターン解析、撃ちます!」

その頃、支社保有の演習場にて、アサルト隊の面々が激しい立ち回りを演じていた。
ルカが可変戦闘機ならではの機動力を活かした一撃離脱を仕掛けるのに対し、クリスは変形の際に生じる僅かな隙を狙ってカウンタースナイプを行ってくる。
だが、凄いのは二人だけではない。

ミリー「もらった!!」
エクセレン「吶喊します!!」
ベレッタ「機動性で攪乱すれば!!」
トカレフ「援護は任せろ!」(バリバリ)

キャサリンはキャサリンで、四人の攻撃を避け、或いは受け止めて全て捌いていく。

キャサリン「む・・・反応が僅かに早くなっている・・・。腕を上げたか。ならば・・・」

成長した後輩達を前に、彼女は心の中でほくそ笑んだ。

キャサリン「こちらも相応の礼を取るまで!」

(@同・第3演習場)
一方のレオナは一人、ある新装備の最終調整をしていた

オペレーター《では、テストを開始して下さい》
レオナ「アサルト5、了解。・・・せぇい!!」

脚部のスラスターを一気に噴かし、突撃すると同時に目標に副腕の拳を突き出す。
金属がひしゃげる鈍い音がしたかと思うと、的として設置された鉄板に穴が開く。そして腕が引き抜かれると同時に、手首の部分から空薬莢が排出された。

レオナ「うん、この感じだ。これなら、わざわざヒートホークを担ぐ必要もないな」

新たな力―『アームパンチ』を得た黒き悪魔は、雄飛の時を待つ・・・・・・。
[ 2012/09/30 21:55 ] [ 編集 ]

[重力の呪力]

《現地時間10:20 ホエールキング・ブリーフィングルーム》

グラナティス「北アフリカ方面に展開しているジオン公国を始めとした通称枢軸国軍に動きが見られた。
大規模に及ぶ艦艇と機動兵器の移動が確認されている。どうやら残存部隊を集結させているようだ」
サマー「撤退準備か?両軍が和平交渉に向けて動きだしている原状を鑑みれば当然の行動だな。
いよいよこの戦争も収束が近いのだろう」
マリィダ「本当にそうだといいのだけれどね」
サマー「どういう事だ?」
マリィダ「彼らがどういう人間か、少なくとも貴方たちよりは知っているつもりよ。
こんな戦争終結の仕方で納得するジオンじゃないわ。誰が思っているより、彼らから地球政府に対する憎悪は根深いの。
それこそどんな利権を与えられたとしても、どれだけお金を積まれたとしても絶対に譲らないほどにね・・・」
サマー「ならば通称枢軸国軍は必ずしも撤退に向けての荷造りをしているとは限らない。そう言いたいのか?」
マリィダ「さあ?そういう事はグラナティスの方が詳しいんじゃない?何か掴んでいるんでしょう?」
グラナティス「生憎だが、私の元に入ってきた通称枢軸国軍関連の情報は先ほど述べたものが全てだ。
だがアナハイム・エレクトロニクス社からマスターに対し、アフリカ戦線から近日中に撤退するようにと促されている。
特使を介し、かつ事実上の差出人名義はビスト財団でな」
サマー「財団から月への撤退指示だと?これまでには無かったな・・・今というタイミングで来た事が気になるな」
グラナティス「丁寧に離脱用の足がかり、マクロスクォーター「シェイクスピア」を用意してまでだ。
名目上は再設計したRX-0の新規フレームの摺り合わせに立ち会わせる為という出頭命令だが、それにしては明らかにAE社の動きがよそよそしい。
サマーの言う通りこのタイミングでという部分もあるが、ただ技術者一人を宇宙(そら)に上げる為にシェイクスピアを向こうから降ろすだろうか」
マリィダ「シャトルが無かったんでしょう?」
サマー「阿呆め、アナハイムに限ってそんな事があるものか。
停戦協定が施行されているとは言えまだアフリカを取巻く情勢は危険なままだ。そういった現状を踏まえてマイ・マスターを確実かつ安全に宇宙へ上げる為の策だと私は考えるが」
マリィダ「それこそ大袈裟ね。
まあ、ウィンターの武装の設計図はあの人の頭の中にしか無いんでしょう?
アナハイムがどれほどあの人を重宝しているかは分からないけど、運搬には万全を期したい・・・ってところじゃないかしら?」
グラナティス「恐らくジオンの動きを経て連中は何か掴んでいるのかも知れない。ビスト財団と通称枢軸国・・・両面の真意を探る必要がある」
マリィダ「それも角にも、まずはあの人が帰ってこなくちゃ始まらないわね・・・まだ見つからないのかしら?」
サマー「待機中の我々もシムーンが収まってからリディ、ウィンター両名の探索活動に参加する。その時はグラナティスもマリィダも出撃してもらうぞ」


[ロストチャイルド]

《現地時間10:20 リビア・ムルスク周辺》

その砂嵐は単なる砂嵐では無い。
世界を呑み尽くす砂の洪水とも言うべき砂嵐、シムーン。
生身の人間が最中に棒立ちになっていようものならば瞬く間に全身の皮膚をズタズタにされ、呼吸器官を砂で塞がれ、荒れ狂う熱波に焼かれ断末魔を上げる内に死に絶えてしまうだろう。
だが、少女はそうならなかった。
命を封じ込めた宝石――ソウルジェムに赤い輝きを湛えた少女、白井餡子専用魔法少女・白い杏子は死の嵐吹きすさぶ砂漠の大地を踏みしめながら歩いていた。
よくよく見てみれば少女の体を包み込むようにして生じているピンクのオーラが吹き付ける砂を逸らし、一粒たりとも柔らかな肌に打ち付けられる事が無いように保護していた。
表情は険しく、余裕は一切感じられない。だがそれはシムーンに苛まれてのことでは無かった。
「イザリスちゃん、どうだい?何か聞こえる?」
もしその場に国連軍か戦術機に乗った経験のあるパイロットがいれば卒倒していたかも知れない。
なぜならば、白い杏子が横目を向けた先には、異形の肉体を持つケイ素生物型MMS――レギオンがいたからだ。
「うう、ん。わから、ないの・・・リディも・・・ウィンターも、聞こえ、無い・・・の」
イザリスは計10本の干渉波クローをわきわきと動かしながら頭部から生える二本の角を“そばだてている。”
見れば周囲にはMMSの足ほどにしか無い小型の蟲が犇いているではないか。
蟲達は一見無秩序に移動しているように見えてイザリスを中心に一定の間隔を保ちながら、一糸乱れぬ行軍をしている。様子を例えるならばアリの大行進と言ったところだ。
混沌の魔女を二つ名に冠するイザリスの子宮から生じた蟲達の名は、レギオン・ソルジャー。母と同じくケイ素で構成された体を持つ蟲達もまた探索活動に従事していた。
あらゆる生物を一瞬で奪いつくす砂嵐の脅威は機械であるMMSにも及ぶ。然るべき対処を怠っていれば吹き付ける熱砂は立ち所に間接に入り込み、動きを阻害するだけでは済まない害を与えるだろう。
だがイザリスにとってこの過酷な環境はまるで意味を成していなかった。
元来が地球人類を恐怖のどん底に落とし得る地球外生命体だからか、或いはレギオンによって素体構造が根本的に作り変えられているからなのか、原理は不明だが現にイザリスはシムーンなど何処吹く風かと言わんばかりに悠然と砂漠の大地で歩を進めている。
一人と一機、そして百を越える蟲達が捜す標的はウィンターとリディ。
彼女二人は早朝の哨戒任務中にシムーンに巻き込まれそのまま消息を絶ってしまった。
即座に捜索作戦が実行されたが、砂漠戦に特化したムルメルティア・デザートカラーですらまともに身動きが取れない超劣悪環境下でそれが可能なMMSはあまにりも少なかった。
インキュベーターの秘術が成せる魔法という非科学的な力を行使し身を守れる白い杏子を除き、死の嵐の中であっても問題なく行動が可能な人材はイザリス以外に存在しなかったのだ。
加えイザリスは電磁波に敏感な性質を持っている。当然このような状況であってもその能力が衰える事は無い。
更には自らの“子供”として、完全なコントロールが可能な生物兵器、レギオン・ソルジャーを無尽蔵に産み出し続けることまで可能なのだ。今に置いてイザリスほど探索任務向きなMMSは居ない。

だが、それでも探索活動は難航していた。
周囲半径キロメートル単位でレギオン・ソルジャーを展開していても今の所成果は上がっていない。
「もうこの辺りにはいないのかな?砂に埋もれている可能性も否定できないけど・・・」
「姉さん・・・だいじょう、ぶ、よ。リディが・・・付いているんだから。ウィンターも・・・きっと・・・無事・・・」
憔悴しきった白井を労わるようにしてすぐ後ろを歩くイザリスが声を掛ける。
月から地球まで日帰り旅行が可能になって久しい現代、白井にはまさかここまで地球の一角が広大なものだったとは知る術も無かった。
無慈悲に吹き荒れる砂塵は視界を完全に塞ぎ、一メートル先すらも満足に視認することが出来ない。
だがどんなに過酷な環境であっても白井は足を止めることは無かった。
広大な砂漠のどこかで救助を待っているであろう二機を捜し当てるまで、なんとしても歩を止めることは許されないからだ。
「あの子だけは・・・絶対に失うわけにはいかない・・・私の、僕の子なんだから・・・」
哨戒任務に当てたこと、シムーンの驚異を知らなかったこと、砂漠環境を軽視していたことを酷く悔やみながら、白井はずんずんと先へ進んで行く。
探索目標を見つけ出すまで、彼女が立ち止まることは無い。
[ 2012/09/30 22:08 ] [ 編集 ]

終わった筈の戦争、だが・・・終わらない。
怨念は怨念を生み、復讐は復讐を生み、この世を巡りて煉獄と化し包み込む。なんというインガオホー、ひょっとすると地球はもはやマッポーの世と化してしまっているのかもしれない。

「しっかしアレだな・・・・」
つい先ほどまでリングからの斡旋そっちのけでサーティアの所に身をよせてまったりしていたゾックス、決起した枢軸連合を眺め呟いた。
「レンポー共は本当に恨まれてんのな」
「当然といえば当然だな、過剰に膨れ上がった組織は腐っていくもの、そして傲慢な態度をとるものだよ。」
解説するアネット。
ふと何を思ったか、何かを呟くゾックス。

「祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
娑羅双樹の花の色
盛者必衰の理をあらは(わ)す
おごれる人も久しからず
唯春の夜の夢のごとし
たけき者も遂にはほろびぬ
偏に風の前の塵に同じ」


「平家物語、か。連邦は平家と同じ運命(サダメ)を辿る、と?」
「あぁ」
淡々と答えるゾックス。
煉獄は世界を焼き続けている。そして今後も焼き続けるだろう。故に彼が・・・ゾックスが往く道は唯一つ。自身が焼かれて肺になるその時まで、自分自身の魂の赴くままに歩んでいくのだ。
彼は“彼女たち”に復讐の力添えをしたいと思った。そこにさしたる理由なぞない。ただ魂がその道を指したのだ。




「通商連邦同盟軍殺/すべし、慈悲はない。知り合いが居ようとキリステ・ゴーメン。インガオホー」
[ 2012/09/30 23:03 ] [ 編集 ]

―――― 地中海某所 ノヴォシビルスク連邦艦隊 旗艦『アンドレイ・グレチコ』 ――――

司令室の秘書席に腰かけ、ローザは今日一日の記録を纏めていた。
艦隊は同じ航路をグルグルと周回し続けており、敵との小競り合いすら起こっていない。今日の作業は早く終わりそうだ。

頁をめくる音で目を覚ましたのか、ベッドで眠っていたTOPOLがノソノソと蠢く。微笑を浮かべ振り返るローザの脇腹を、椅子の固い布地がチクチクと撫でた。

ローザ「あぁ、すまん、、、、、起こしてしまったか?」


TOPOL「大丈夫だ、、、、、時間は?」

眠い目を擦りながら、ゆったりと身体を起こすTOPOL。シーツが擦れる乾いた音が、彼女が漏らした小さな声に重なる。
非常灯の中で光る碧眼からは、普段のような鋭さは消えている。

ローザ「まだまだ大丈夫だ」

起きようとするTOPOLを、ローザは優しくベッドに押し倒した。純白のシーツが、寝起きで力の入らないTOPOLの手からこぼれ落ちる。

ローザ「時間が来たら起こしてやるから、もう少し寝ていろ」
そう言うと、ローザはTOPOLの唇を吸い―――――


ZiRRR――!ZiRRR―――!!

室内にベル音が鳴り響いたのは、その直後だった。
視線に帯びた熱を瞬時に拭い去り、TOPOLは壁に添えつけられた電話を引っ手繰る。

TOPOL「司令室。うん、うん、、、、、分かった。すぐ行く」

受話器をガチャリと収めるや、彼女は脱ぎ捨てられた戦闘服を着込みはじめた。
何かあったな――――ローザの直感に答えるように、TOPOLは知り得た情報を吐き捨てる。

TOPOL「『レゲンダ』と『グランパスカ』、それに内務からの報告だ。枢軸国の艦が集結しつつある」

ローザ「なるほど、、、、、お前の願いが叶ったわけだな?」

愛する者の意地悪いぼやきに、TOPOLは戦闘帽を深く被り、その表情を隠す。




TOPOL「願わくば、もう少しお前に抱かれていたかったが、、、、、、フフン♪続きは先延ばしだな」



氷の心から溶け出た呟きは、空調の音に混じって行方をくらませた。
[ 2012/10/01 00:27 ] [ 編集 ]

某所「ヴァルゴ大隊」アジト

「馬鹿しやがって………!!」

モニターに映る文面を見て、クルセは拳を握り締める。
ジュリア大尉からの電子メール。
内容は、「カイロでの連邦軍とカタリナ社に依る合同和平会議を襲撃する」ということと、それへの参加要請。
さらに、ジュリア大尉がそれを思うに至ったきっかけや、「奴らに対して何も出来ないままこの戦争を終わらせたくない」だの、「軍人としての最期を見て欲しい」だのと悲壮な決意が認められていた。
クルセは、バン、と机を叩いて言葉を漏らす。

「信頼してくれるのは嬉しいけどな………俺にそれは手伝えない。でも、軍人としての最期を見て欲しいってんなら、いくらでも介錯してやるさ………」

そう呟いてクルセは視線を落とす。
彼自身、幾度かはジュリア大尉たちとともに戦ったのである。
少しは、彼女の人間性も知っている。
だが、それでも。
或いはそうであるが故に。
彼は、彼女たちに手を貸すわけにはいかなかった。
ジュリア大尉。
自分の知るジオン軍人の中じゃ、ずば抜けてまともな人だった。
そして、戦いを否定する優しさだって持っていた。
そんな貴女がなぜ、こうまで思いつめていたのか。
マローネ大尉。
貴女とは少々口喧嘩こそしたが、あれほど部下に愛されていたのだ。
いい隊長、いい上官だったのだろう。
ならば、部下を律することもできたはずだ。
サーティア中尉。
掴み所がない人だった。
でも、命令を受けるだけの悲しい人形じゃなかったと信じたい。
貴女にだって、ちゃんとした「意思」があるのだろう?
そう自分の知る3人への思いをまとめると、クルセは顔を上げた。
すっと椅子から立ち上がると、部屋を出て歩き出す。
エレベーターで地下へと降りる。
その行き先は、地下格納庫。
艦艇用ドックを改装したそれは今現在、ただ1機のモビルスーツを整備、運用するために使用されている。
白と二色の青を基調に塗り分けられた、肥大化した肩部の目立つ異形のMS。
その頭部は、機体の名を表すに相応しいV字のアンテナとツインアイ。
MSA-0011、S(スペリオル)・ガンダム。
並大抵のMSでは太刀打ち出来ないほどの強大なパワーと装甲、スピードを併せ持った「究極のガンダム」。
それが固定されているケージの前に立ち、クルセはS・ガンダムを見上げた。

「マスター!まさか、使うの………?」

後ろから聞こえる声に振り返る。
サラだ。
どうやら、クルセを探していたらしい。
通常のMSやそこらのMMSではどうにも出来ない、あまりに強力な力。
サラだって、使ってほしくはないらしい。
何より、この機体には危険なシステムが積み込まれているのだから………

「まだ決めてないさ。ただ、この戦い枢軸側が勝ってみろ。ヤバいことになるぞ?」
「それは………」
「サラ。この世界はたしかに腐っているのかもしれない。でも、だからと言って世界を焼きつくすことは許されない。その『腐った世界』で生きている人間が、俺達のいる世界と縁のない人間が、世界を焼かれて迷惑を被るようならな。わかってるさ。骨の髄まで兵士の染み付いた奴の言うことじゃない。
でも俺は止める。いくら正しい怒りでも、だ」

だから、力を貸してくれよ、《ガンダム》。
クルセは眼前のS・ガンダムをもう一度見上げると、小さく呟いた。
そして振り返り、サラの肩に手を回して寄り添い歩き去った。

ジュリア大尉たち通商枢軸同盟軍の兵士たちが振りかざした手は、一体何をつかむのか。
そしてその昂ぶり過熱した感情は、誰のために動くのか。
その答えは、かつて共に戦った戦場にあるのだろうか。
白いMSはそれに答えようとはせず、その双眸は未だ、はるか遠くの明日を見つめている。
地平の先を、射抜くように………
[ 2012/10/01 01:31 ] [ 編集 ]

横レス失礼いたします(平伏)

>白井餡子さま
 ウィンターちゃんとリディ嬢が行方不明…っ?! こりゃ徒事じゃ有りませんね・・・。
別所で受けた恩をここで返す時か。

 もしご迷惑でなければ、ウチから、リオン(リペ砲子)・ネルガル(ラヴィーナ)の二人を
ウィンターちゃんとリディ嬢の捜索に派遣する事が可能です 特に、リオンは失せモノ探しが
異常に得意なヤツなのでお役に立つかと。

 ……あ、「捕まえて実験台に」とか、「イザリスちゃんのご飯にする」のは本当に勘弁して下さい(ぁ
[ 2012/10/02 22:05 ] [ 編集 ]

日本局『赤き大地』の動き

赤き大地と北アフリカの境界線となる荒野に重低音を響かせてゆっくりと進んできた巨大な影が停止した。
この地からカイロまでは遥か2000kmもあるがこの艦にとっては些細な距離かもしれない。
カタリナ社 日本局 桔梗ノ宮家当主の座乗艦であるブルーノア級宇宙戦艦『青龍』。
鮮やかな青の艦体、艦首側面の艦名発光表示機には『桔梗ノ宮当主座乗艦(三つ盛亀甲紋)青龍』と表示されていた(三つ盛亀甲紋は浅井氏の家紋)。
艦の鋲泊と同時に両翼の翼が大きく開かれると、カタパルトデッキから次々と艦載機であるロボットや戦闘機、MMSを吐き出し始める、と同時に地上では工兵部隊が戦国時代さながらの陣を構築し始めていた。
その様子を眺めるかのように大空を舞うのは、ロボットがMBD-1Aドラグーン3個飛行隊からなる36騎と戦闘機がコスモパルサー4個飛行隊の50機、天使型MMSⅠ型、ⅠA型、Ⅱ型の白の混成部隊が20騎。
しばらくすると陣幕が張られた本陣が完成しずらりと並んだ、桔梗紋、三つ盛亀甲紋、菊の紋章、カタリナ社日本局の金印の入った紅白の旗刺しものが風にたなびいた。
当主である桔梗ノ宮浅美の駆る桔梗ノ宮家の旗機MBF-P01-Re2アストレイ ゴールドフレーム天ミナ『白虎』が姿を現す、元となった黒の天ミナとは対称的に純白の装甲を纏ったMSが颯爽と着陣。
その背後には白いガンダムAGE-2フルアームド2騎とGバウンサー16騎からなる近衛が傍に控え、悪魔型MMSⅠ型、ⅠA型、Ⅱ型からなる黒の混成部隊20騎が本陣の守備についた。
浅美は背後に鋲泊する旗艦『青龍』、そして傍に控える将兵たちを見回したがそこには『team KUROMIZU』の傭兵の姿はなかった。
浅美「さて、これでUSA局への牽制になるかどうか……」
黒水『……貴女がこの戦争の舞台に上がったと先程声明とともに発表され、現在、世界のニュースサイトを席巻してますよ……ご覧になりました?』
通信から黒水の声が聞こえた、社長自らどこかに出撃してるようだがどこにいるのやら。
浅美「いや……わざわざこんな所までジャーナリストを連れてきた甲斐があったというものか」
黒水『いやはや、伝統に則り本陣まで構築するとは……旗指しものや陣幕の伝統美に美しい白の軍勢が非常に絵になっていますな……『東の虎動く』効果は抜群でしょう』
浅美「……どこにいるのか?などとは問わんよ……他局が問題を起こしてこちらに火の粉が飛ぶようならば、そうならぬよう君達が処理したまえ」
黒水『……仰せのままに』
短い言葉とともに通信が切れた。
すでにウガンダ、ケニヤへの侵攻準備はすんでおりフランス局の出方待ち、赤い大地各所も混乱に乗じた本局や他局、他勢力への警戒を強化している。
あとは、サーティーとナインとか名乗った2人の傭兵の判断次第かもしれないと浅美は考えた。

[ 2012/10/03 01:07 ] [ 編集 ]

《嵐の前の…》 by 歌姫の騎士団side
 枢軸軍がクーデターを企て、またウルドがそれに乗じて何かをしようとしている中、“歌姫の騎士団”達は緊張の中に……。

「あ~ん、アリアちゃぁぁぁん、逃げないでよぉぉぉ~!!」
「てめえはいい加減にしやがれ! モリガンがいないからってセクハラすんじゃねぇぇぇ!!」

「つか、どうしてあたしも追っかけられてんのさ!?」
「がーん、あたくしが姉なのに全然勝てない……」
「ディア、唯のオセロなのに落ち込みすぎ。目先の手しか考えないからこうなる」

 訂正。
 存外そうでもなく、彼女たちは極めてしまりの無い空気の中にあった。アリアンロッドはフーリーのセクハラから必死に逃げ回り(プレストは巻き添え)、ラナン=シーとメリディアーナはオセロをしていた。
 それを傍から見ているのはブエルとエルルーンだけだった。ブエルは太陽のようにニコニコと微笑みながらエルルーンに声をかけた。
「いやあ、実に長閑ですねえ」
「……そうですね」
 答えるエルルーンは無感情だった。現在の状況に大して興味が無いのかもしれない。それはある意味では仕方のないことなのだが、ブエルは少し寂しくなりながらも会話を続けた。
「枢軸軍の一部がクーデターを起こそうとしていることはまだ皆に話してませんけど、そうでなくても僕らにはウルドと言う脅威がいるはずなのですがねえ」
「少しは警戒すべき、と?」
「普通の神姫なら、そこでイエスでしょうけど僕は違いますね。今いる皆様は“妖精の騎士団”と“記述する乙女達”の残存メンバー、そしてメリディアーナ様です。皆様は共通の目的を持っていても、それ以外が完全にちぐはぐです。ですのでこうして、弛緩した空気の中で互いを知って仲を深め合うのは宜しいことではないかと思うのですよ」
 ブエルの言うことは一理あるかもしれない。元々は別々に活動していた連中が寄せ集まったのが、この“歌姫の騎士団”なのである。“妖精の騎士団”と“記述する乙女達”は関係は良好でも実際には疎遠だったし、何よりメリディアーナは多くの戦場で破壊を齎してきた、いわば問題児である。いきなり集まっていきなり仲良くなろうと言うのが無茶な話なのである。
 だからこうして仲良く(?)しているのはブエルでなくとも彼女達のマスターにとって望ましいことだった。
「まあ、賑やかになったのは確かです」
 ブエルの理論に賛同はしないが反論もないため、エルルーンは適当な言葉で返した。
 すると、目尻に涙を浮かべたメリディアーナがブエルの元に駆け寄ってきた。
「ちょっとブエル! このままラナに負けるのが悔しいから、後ろで助言を頂戴!!」
「おやおや、まるでの○太くんみたいですねえ。まあいいでしょう、僕は強いですよ」
 そうしてエルルーンを横目で見やりながらブエルがオセロの席についた時、今度はエルルーンの元にフーリーが駆け寄ってきた。
「もぅ~この際っ、エルちゃんでもお~け~!! こぉして、太腿をこじ開けて間に顔をうずめるのがぁ~……
「おぞましい感触がします。フーリー様、やめてください」
 エルルーンはフーリーのターゲットにされてしまった。逃げ延びたアリアンロッドはくんずほぐれつになりつつあるその光景を見つめて一言呟いた。
「……エル。悪いが、こいつばかりは助けてやれねぇぜ」
 アリアンロッドは遠い目をしながら小さく呟いた。
 すると、すぐ隣でぜえぜえと肩で息をしながらプレストがアリアンロッドに話しかけた。
「……そういや、あんたも見た筈だよねぇ、例のアニメ?」
 先程の逃走劇から強制的に頭を切り替えたいらしい。アリアンロッドは問いに答えた。
「ああ、見たぜ。アニメの奴は人間の生活に於けるサポート能力が凄まじいようだな。引越し荷物の整理なんて滅茶苦茶重労働なんじゃねぇか……?」
「バトルも何てか……あれだけの機動力とか攻撃力があったら、戦艦型MMSなんて唯のでかい的じゃないかい。随分とまぁ、なかなか驚かされたねぇ」
「まあ取り敢えず、次に期待だな。それはそうといい加減、本家も新型を出せって話だよな。そうでなくとも再販とかしなきゃ、例の4体の神姫が買えずに、ヤf(略)に手を染める奴らが増えるぜ」
「あぁもう、本当に大丈夫なのかねぇ?」
 プレストが振った話題なのだが段々と暗くなっていく。愚痴しか出ないと言うのも考え物ではなかろうか。
 二人は溜め息を吐くと、フーリーにセクハラされているエルルーンと、ブエルの助言でいい勝負をしているメリディアーナとラナン=シーを見つめていた。


《期待》 by ???side
 静寂の間にて、ウルドの咽び笑いが響く。
 それは、予期していたことが見事に的中したからだった。
 新たな争いの火種。それこそ彼女が心待ちにしていたものだった。
「随分と楽しそうね」
 桃色の髪の神姫が、咽び笑うウルドに言った。
「えぇ、当然でしょう? また人が死ぬのよ。また硝煙の匂いを嗅げるのよ。また怒りと憎しみで満ちるのよ」

「………」
「それこそが人間らしい汚らわしくも美しい世界ね」
「くすくす、楽しみですわ」
「正しく心理じゃ。人間とはこうも救いようがないものじゃからのぅ」


 ウルドの言葉に一人は沈黙、一人は共感、一人は悦楽、一人は嘲笑した。
 そして再び、桃色の髪の神姫が話題を切り出した。
「最初は、あたしが行っていいかしら」
「ええ。構わないわ。この争いを更に加速させることが出来れば、どちら側についても許すわ」
「ありがとうね、姫様」
「期待してるわよ、ネヴァン」
[ 2012/10/05 21:56 ] [ 編集 ]

>>龍牙様
ユニコとデルタが揃って居なくなっている時点でお察しかもしれませんが、今後の展開次第ではマローネ大尉らの部隊に回収され、根城としているジオン公国軍基地にて保護されているという流れに持っていった後に、話しの流れ的に無理が無ければアレがアレで大きなアレになった場合ジオンサイドの母艦から戦禍の真っ只中にスカイダイビングさせる予定でした。
それが不可能であれば適当なこじつけで部隊に復帰させるつもりです。
現在は次のストーリーの出方を見ている状態ですね。
なのでその辺を踏まえてお話しを摺り合わせて頂けるとありがたく思います。
[ 2012/10/06 03:39 ] [ 編集 ]

コメント返し

>たくさんのコメントありがとうございます。


こんな終わり方に現場の第一線で戦ってきた兵たちは納得しないのも当然といえば当然です。

本国の許可なしに最後の戦いを彼らは行ないます。


生き方を選べなかった彼らは、せめて最後くらいは自分で選ぶ自由な生き方を選んだようです。


それがいい行いか悪い行いかはともかく。


事態は新たな局面へと向かいます。


[ 2012/10/07 13:08 ] [ 編集 ]

永崎復讐編:始

(コレは一MMS零ユーザーのサブストーリーと言う名の妄想であり、カタリナ氏の供するMMS零本編とは関係無い事を明記します)

射撃音。
熱く焼けた7.62mmの弾丸は、黒い影法師の頭へ吸い込まれる。
射撃音。
発射ガスの臭いが鼻をつき、金色の空薬莢が空を舞う。
射撃音。
コンクリート作りの射撃場で、ゴタローは黙々とSCARをセミオートで撃ち続ける。
その背後に腹こそ目立たない物の、身重の永崎がゆっくりと歩み寄り、ゴタローの射座と隣の射座とを隔てる衝立に背中を向けて寄りかかる。

 「熱心ね」

何発かの射撃の後、ゴタローを振り返りもせずに腕を組み、床に視線を落とした永崎が語りかけた。

 「……まぁな」

短く答え、再び引き金を引く。撃ち出された弾丸によって、影法師の標的はボロボロになった首から胴体部分が脱落して床に落ちる。

 「どうした?堕ろしたいって話なら、前にも言ったようにこの貧弱な医療インフラじゃ諦めた方が良いぞ」

無理に堕ろせばお前も死ぬ。と付け加え、モーターによって射座の前まで引き寄せられた標的を、新しい物と取り替える。

 「いえ。そうじゃないのよ……」

ポツリと力なく言う永崎に、ゴタローも怪訝な顔で振り返った。

 「ルシフェが……あの子の残骸が……見つかったって」

 「……そうか」

沈黙。ゴタローが手にした銃を射座に置く。

 「前にお前、『何故私を助けたのか?』と聞いてたな」

再び標的に向き直り、交換し終わった標的を位置まで繰り出す。
スイッチの弾かれる音と共に、低いモーター音に連れられ標的が射座から離れ、コンクリートで作られたプールの手前で止まった。

 「……アイツはきっと俺が喋ったなんて言ったら怒っただろうから言わなかったが」

 「……何か言ったの?あの子」

射座に手を突き、目を細めて語りだすゴタローに、永崎は続きを促す。

 「プロバスの時。ルシフェがお前をからかってただろう。『マスターはあなたの事が好きになったようです』ってさ」

あの時の情景を想い出すと、2人の表情が自然と笑顔になっていく。

 「そう言えば、そんな事も有ったわね……」

 「お前が居なくなったあの後、ルシフェが言ってたんだよ。『マスターを信じて。そしてマスターを守って』とな」

驚いて振り返る永崎に、ゴタローは標的を見据えたまま喋り続ける。

 「俺は人間を信用できん。特に後方で指示出すだけのインテリ野郎は特にな。だから俺は言ったよ『信じられんし、守ってやる事も出来ない。ソレは別料金だ』とな」

振り返って永崎を見るゴタローの表情は、言葉とは裏腹に穏やかそのもの。抗議しようとした永崎がその表情に言葉を一度飲み込む。

 「だがアンタは暴走した挙句に敵中に落ちた。だが連中にとって誤算だったのは、俺がソレを待ちわびてたって事だ」

 「……私があんな目に合うのを?」

ゴタローの言葉に、冷たく怒気を孕ませた声で永崎が問うと、慌ててソレを否定する。

 「アレは知らん!というか、俺が欲しかったのは連中からお前さんが奪還されたってシチュエーションだ」

掴みかかって来た永崎に、ゴタローが必死で弁明する。

 「いいか?連中にとってお前は秘密の詰まったパンドラの箱だ。
ヘタに開けられて中身を世界にばら撒かれてみろ、プロバスの一軒がカタリナ内部の抗争だったなんて知れ渡ったら、カタリナは屋台骨から危うくなる」

 「だから……私を?」

どうどう、興奮するなとゴタローがなだめながら、永崎に説明した。

 「そう。お前さんを奪還したのは、一つに切り札として。もうひとつは……」

酷く寂しそうな笑みを浮かべて、永崎の手に自分の手を重ねてゴタローが言う。

 「ルシフェだよ」

俺はあいつが欲しいと思った。そう前置きしてゴタローが続ける。

 「俺は人を信用しない。信頼できるのは機械だけだと、常々言って来た。
 ましてや自分自身ですら憎くて堪らない、人類等滅ぼしてもまだ足らない。
 だが、欲しいと思った機械が別のマスターの物なら?
 普通は奪い取ろうとするのかも知れないが、お前が傭兵って立場を取ってる事を利用して長期契約という形でお前達を雇ってしまおう。
 そう思ったのさ……」

 「ルシフェ亡き今、私は用済み。そう言う事ね」

掴んでいたゴタローの襟を突き放し、踵を返す。

 「用済み?だったらこんな説明せずに、この場でお前の死体が転がってるさ」

そう言って襟を直すゴタロー。

 「永崎冴。お前、人間が憎いか?カタリナ社が憎いか?復讐したいか?」

そう言って右手を差し出す。

 「だったら力を貸そう。お前俺とこの世を破壊しないか?

ニヤリとした笑み。その顔は冗談ではなく、この世への憤怒が渦巻いていた。
                                     続く?
[ 2013/03/13 22:00 ] [ 編集 ]

コメント返し

>ゴタローさま


MMS零の世界で暗躍する旧世界の支配者カタリナ社。

かつての列強諸国の成れの果て、拝金主義の金の亡者、灰色の死神等など


今、現在でも同じカタリナ社同士で利権を巡って陰謀策謀を巡らし、数々の代理戦争を引き起こし地球圏に動乱をもたらす世界の根幹に根付いた巨悪。



腐りきった世界をシステムを変えるというわけですねwww


カタリナ社がルールメイカーであるならゴタロー様がルールブレイカーになるという感じでしょうかw


MMS零、そろそろ始動しましょうか・・・戦いに取り残された者たちの最後の戦いを・・・

[ 2013/03/13 22:55 ] [ 編集 ]

>MMS零、そろそろ始動しましょうか
待ってました!
大戦が来ると思って色々「オモチャ」を買いあさってたのですが、出番が無く埃をかぶってた所。
今から楽しみでしょうがありませんw
[ 2013/03/14 01:09 ] [ 編集 ]

まぁ、前々から構想は有って練りに練りまくったものを日の目に晒しただけなので。
ソレをカタリナ氏の起爆剤に出来たのなら、本望本望。

もっともルールブレイカーより、人類種の天敵の方が趣味ですがね。

続きの方楽しみにしてます。
[ 2013/03/14 22:42 ] [ 編集 ]

コメント返し

>ST-202Cさま

実は私もいろいろ揃えていまして・・・

新キャラのイラストとか機体とか紹介していきます。

>ゴタローさま

一応、別の世界の戦争が一区切りついて、現在、別の世界の戦争を準備中で・・・


戦争と戦争の間は準備期間、それを平和といったのは誰だったかな?


まあ、一番の問題はそろそろ、この平和な日本も戦争に巻き込まれそうってことですがw


平和ボケして、兵器や軍事のことをまったく知らない、あの世界大戦に日本がどの国と戦争して何が起きたのかまったく知らないし、知ろうとしない歴史を学ぼうとしない、目先だけのことしか頭にない連中がどうするのか見物ですがね。




もっともルールブレイカーより、人類種の天敵の方が趣味ですがね



人類種の天敵ですかwwwAC4的な感じですね。



続きの前にいろいろと紹介していきたいと思います。
[ 2013/03/14 23:19 ] [ 編集 ]

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