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MMS-零 ミッション 29 「テロリストMMS排除」  

xDSC00221.jpg

錆れた古戦場

夕焼けに染まっていく空・・・

そこにたたずむ一機の白いMMS



xDSC05957.jpg

「遅かったな・・・やはり貴方が来たか・・・当然か・・・・・最初から・・・ただ戦う場所と相手が欲しかった狂犬だったのですからね・・・・・」

xDSC05961.jpg

「いや、違うな・・・所詮は私も貴方も同じ穴のムジナだったということだったのかも知れない・・・大きな見えない力に操られている人形にすぎない・・・私も貴方も・・・」

xDSC05959.jpg

「私のマスターは・・・消された・・・理由は酷く単純・・・『いるよりもいないほうが都合がいい』ただそれだけの理由・・・別に感傷もなく金や欲、そんなくだらないだれかの何かと引き換えに存在を否定された・・・」

xDSC05960.jpg

「勝手な理由で、たくさんの人が亡くなって汚染ばかりが拡がって・・・何が正しく、何が間違っているのかわからないまま消された・・・」

xDSC05971.jpg

すっと身構えるルシフェ

「だが・・・はっきりとわかっていることが一つだけある・・・私も貴方もこの世界には必要ない!!!・・・これ以上争いの火種となる貴方を生かしておくことは出来ない許されない!!!!」

xDSC05963.jpg

「・・・これは贖罪でも仇討ちという奇麗事でもない・・・穢れた狂犬同士の共喰いだ!!!・・・・貴方と私の戦いの連鎖を今ここで終わらせるッ!!!!!!!!!」



問答無用で襲いかかるルシフェ、その剣には一切の迷いがなかった。



・依頼主:???
 
・作戦領域: 旧プロバス要塞 廃棄飛行場

・外気温 0度

・天気 快晴 

・時刻 13:00

・目標 :敵MMSの撃破

・報酬 :100000p

・エネミー

□悪魔型MMS 「ルシフェ」 SSクラス 二つ名「明星」
オーナー名「永崎 冴(ながさき さえ)」♀ 23歳 職業 「傭兵」

・制限時間
60分

・参加可能機体数

MMS×1体

*このミッションは単独ミッションです。
ルシフェと一対一の戦いになります。



バトルの書き込みコメント期限は3/31迄


ミッションイメージBGMはこちら




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[ 2012/03/24 01:11 ] ミッション | TB(0) | CM(43)

デイビー・クロケットは孤独な星のもとへ!

参加MMS:天使型MMS アーンヴァルMk2 (Full Arms)
      個別名:ラクシュミ
      武装:モード・ペガサス改+スーパーパック
         GEM LS7 Laser-sowrd + アーミーナイフ
         アルヴォPDR11改 + リリアーヌ×2 +ココレット×2
         GEM LC7 Laser Cannon + M8ライトセーバー×2
         GEM LS9 Laser-sowrd

ラクシュミ「”穢れた狂犬同士の共喰い”、最高だぜ! シスター!
      ”生者のために施しを、死者のためには花束を、正義のために剣を持ち、
       悪漢共には死の制裁を。
       しかして我ら、サンタ・マリアの名に誓い、すべての不義に鉄槌を!”ってか!?
       殺り合おうぜ!
       Let's Loll!!」

ラクシュミは、GEM LS9 レーザーソードを抜きました。
[ 2012/03/24 01:56 ] [ 編集 ]

白き明星と愛に狂いし大天使

MMS:アーンヴァル重装改Sユニット「ミカエラ」
武装:大口径キャノン砲 4門
シールドクローアーム 2セット
シールドクローアーム内マイクロミサイル 7発×3
スナイパーショットライフル 2丁


「遅かったな・・・やはり貴方が来たか・・・当然か・・・・・最初から・・・ただ戦う場所と相手が欲しかった狂犬だったのですからね・・・・・」


白いストラーフMk,2が、前方を見据えて語る。
その視線の先には、4門のキャノン砲と、2枚の大型シールドの備え付けられたユニットが特徴的な、白い神姫。
初代のアーンヴァル型をベースとした、カスタム神姫だった。

「狂犬、ですか………合ってますね。でも、私がほしいのは戦う場所や相手じゃない…………マスターからの、愛だけです。そのためになら、私は悪魔にでもなりましょう」

白いストラーフMk,2の言葉に返すアーンヴァル。
睨み合いが続く。

「いや、違うな・・・所詮は私も貴方も同じ穴のムジナだったということだったのかも知れない・・・大きな見えない力に操られている人形にすぎない・・・私も貴方も・・・」

「そうですね。私も、マスターに縛られた、壊れた操り人形ですから……………でも、私がマスターを思う気持ちは本物、そう動かされたものじゃないんです。たとえMMSの、AIが産み出したものだったとしても」

そこまで答えると、アーンヴァルは何も聞こうとしない。
彼女にとって、大義名分なんてどうでもよかった。
マスターに褒めてもらえれば、マスターに愛してもらえれば、それでいい。
だが、そのさなか耳に入った言葉が、彼女の眉を動かした。

「だが・・・はっきりとわかっていることが一つだけある・・・私も貴方もこの世界には必要ない!!!・・・これ以上争いの火種となる貴方を生かしておくことは出来ない許されない!!!!」

「・・・これは贖罪でも仇討ちという奇麗事でもない・・・穢れた狂犬同士の共喰いだ!!!・・・・貴方と私の戦いの連鎖を今ここで終わらせるッ!!!!!!!!!


「そんなに綺麗な言葉を並べる暇があったらとっとCSCかコアユニットぶち抜いて自殺してください……………それに、貴女に私の存在価値を決められる筋合いなんか無い…………「穢れた狂犬の共食い」とかぬかすくらいなら……とっとと食われてくださいよ!鬱陶しい!!!

叫ぶと、アーンヴァル型「ミカエラ」はストラーフMk,2「ルシフェ」にキャノン砲を向けて砲撃、そのままホバーで接近した。
[ 2012/03/24 02:46 ] [ 編集 ]

最後の荒鷲

参加MMS
 戦闘攻撃機型グリフォン改め、鷲型ラプティアス・エアドミナンス「No Name」
武装
 純正武装一式(エアドミナンス)
 フェザーエッジ×4、レッドスプライト、アドラーム×2、インパクト・ハザード

「…御託はそこまででして?」
 黒い鷲型が、あくまでも静かにそう呟く。

「……後、言っておきますが。私にとっては立派な敵討ち、ですわ。
 特務MMS部隊「ワイルド・ホーク」……聞き覚えがあるでしょう?
 そう、貴方たちが入手したパスコードで、指令下に置かれた神姫達ですわ。
 ご存知? 最上位命令コードを打ち込まれた神姫は、自我が破壊されますよの?」
「私が何故無事なのかって?…表層人格はフォーマットされましたわ。
 だけど…胸の奥で何かが叫びますの。「このままでは死んでも死に切れぬ」と」

 淡々と語るその姿。夕焼けの赤い空に浮ぶそのシルエットは、どこか不吉な風を纏っている。

「…私は、心を壊された。名前を壊された。姉妹たちを壊された。
 実際に破壊したのが誰かは構いませんわ、ただ……」

「取らせて頂きますわよ……"私"と、"荒鷲達”の仇をッ!!」

そう叫び、"最後の荒鷲”は"明星"に向かい加速する。全てを失った者同士の
最後の戦いが、今始まる。

P.S.
 本当はホリィを出したかったのですが別件でドンパチ中なのでこの娘で。
 お気づきかも知れませんが、観艦式ん時に接収したグリフォンをリペア
 したのが彼女、だったりします。
[ 2012/03/24 08:29 ] [ 編集 ]

「・・・・・」
黒と赤のボディ、そして黒い髪。
黒い髪をしたジールベルン型の神姫。
元Lv5イリーガル。

「遅かったな・・・やはり貴方が来たか・・・当然か・・・・・最初から・・・ただ戦う場所と相手が欲しかった狂犬だったのですからね・・・・・」
白い装甲、黒い髪、赤いマフラー。
ストラーフmk2『ルシフェ』。
SSランクの神姫。

「良く知ってるな・・・オレとお前は初対面だったと思うが・・・・・まぁいいか。その指摘は」

「いや、違うな・・・所詮は私も貴方も同じ穴のムジナだったということだったのかも知れない・・・大きな見えない力に操られている人形にすぎない・・・私も貴方も・・・」
「あってるぜ。」

沈黙。退治する二匹の狂犬。
時期の違いこそあれ、どちらも・・・主を失った狂犬。


「私のマスターは・・・消された・・・理由は酷く単純・・・『いるよりもいないほうが都合がいい』ただそれだけの理由・・・別に感傷もなく金や欲、そんなくだらないだれかの何かと引き換えに存在を否定された・・・」

明星の語りを、心情の吐露に耳を傾けながら、漆黒のジールベルンは仲間からの頼みを思い出していた。




もしよかったらさ、彼女を・・・・連れて帰ってきてくれないかな?ホラ、あたいらのマスターは神姫を拾って増やすでしょ?それに・・・・・・




黒髪のジールベルンは手元の携帯の画面を開ける

「勝手な理由で、たくさんの人が亡くなって汚染ばかりが拡がって・・・何が正しく、何が間違っているのかわからないまま消された・・・」

釦を押す。
電子音が鳴る。

「だが・・・はっきりとわかっていることが一つだけある・・・私も貴方もこの世界には必要ない!!!・・・これ以上争いの火種となる貴方を生かしておくことは出来ない許されない!!!!」

釦を押す。
電子音が鳴る。

「・・・これは贖罪でも仇討ちという奇麗事でもない・・・穢れた狂犬同士の共喰いだ!!!・・・・貴方と私の戦いの連鎖を今ここで終わらせるッ!!!!!!!!!」


釦を押す。
電子音が鳴る。

3回の電子音の後のは、サイレンのような電子音。
携帯を閉じ、ソレを腰のスロットに挿入し、横に倒す。



[Complete]


ーー以下PLーー

えぇ、ブログでも予告してました通りにΦ’s型です
[ 2012/03/24 15:53 ] [ 編集 ]

――――  プロバス要塞沖合400km TOPOL傭兵団艦隊 旗艦『マイ・ヴァン・クォン』  ――――


TOPOL「通信状況と中継艦名?」
通信官A「回線は良好。通信中継は『キリール・モスカレンコ』が担当しています」
TOPOL「宜しい」
通信官B「同志閣下、第2航空分隊および潜水艦分隊、所定の位置に到達しました」
テュルパーン「指揮官同志、本艦隊は所定海域に到達しました。御指示を」
TOPOL「ふむ、、、、、演習開始だ。全部隊、状況開始しろ」
テュルパーン「了解しました。各艦に下令、≪演習開始≫!第1親衛航空小隊、発艦はじめ!」
兵D「『チャン・チー・ズン』、『セルゲイ・シュテメンコ』に達する。演習開始せよ」
兵C「航空甲板、第1親衛航空小隊の発艦を開始、、、、、」

テュルパーン「指揮官同志、質問しても宜しいですか?」
TOPOL「なんだ?」
テュルパーン「今回の演習ですが、なぜ演習域にプロバスを選ばれたのですか?
他の傭兵団によって進行中の任務と、、、、、」
TOPOL「フフン、ただの″外洋演習〟だよ。ランダムに選んだ外洋が、たまたま此処だっただけだ」ニヤッ
テュルパーン「・・・・・」
TOPOL「『キリール・モスカレンコ』に打電しろ。≪通信妨害開始≫だ」
兵D「Есть!」
TOPOL「まぁ正直なところ、これはただの情報収集だ。
そう深く考えるな」




BAHUM! BAHUM!

?(これは、、、、すごい!!)
ヴァローナ≪分隊長殿、身体の調子はどうです?≫
?「素晴らしいわ、最高よ。フラップの効きも良い、、、、、!」
ヴァローナ≪なるほど、さ、、、、がは新型、、、、す、、、、、≫
?(?、、、、、あ、ESM!)CLICK!
ヴァローナ≪、、、、、ECMですか≫
マリア≪こんなの予定にありませんね、、、、、敵でしょうか?≫
?「それだけ実戦的に、という事よ。小隊各機、潜水艦分隊を友軍と思うな」
ヴァローナ≪Да、殺す気でいきます。殺しませんけど≫
マリア≪了解!≫
TOPOL≪【ジャイフォーン】より【グバルディヤー】、【ジャイフォーン】より【グバルディヤー】≫
?「!【グバルディヤー】、聞こえます」
TOPOL≪新しい身体の調子はどうかな、ヴェーチャ?≫
スヴェートカ「、、、、、はい、とても良好です」
TOPOL≪そうか、それは良かった、、、、、さて、作戦開始だ。指定空域へ向かえ≫
スヴェートカ「了解、指定空域へ向かいます」





報告
TOPOL傭兵団が、旧プロバス要塞沖合で演習を開始しました。

第1親衛航空小隊のアーンヴァルMk.2 テンペスタ型『スヴェートカ bis』、
アーンヴァル型『ヴァローナ』、アーンヴァル トランシェ2型『マリア』、

第2航空分隊のアーンヴァルMk.2型改(StG-940、AN/APS-145レーダー装備)『アードラ』、
エウクランテ型『ジークリンデ』、

内務大隊第2小隊の『クローリカ』以下、ヴァッフェバニー型 4機(VSS、AKS-74、PKPなど装備)、
Mi-38N(ステルス仕様)1機、

潜水艦分隊の攻撃原潜型『ベルカ』、輸送原潜型『キーチャ』の計12機のMMSおよび、

キエフ級重航空巡洋艦『マイ・ヴァン・クォン』、
ザクセン級フリゲート『チャン・チー・ズン』、
アドミラル・ゴルシコフ級フリゲート『セルゲイ・シュテメンコ』、
バルザム級情報収集艦『キリール・モスカレンコ』の計4隻がプロバス沖合に展開しました。
[ 2012/03/24 18:42 ] [ 編集 ]

ウラジオストクの要塞の底で

http://bbs7.fc2.com//bbs/img/_373700/373686/full/373686_1332598613.jpg
□一角獣型MMSユニコーンアンバル 「ウィンター」 Cクラス
オーナー名「白井 餡子(しろい あんこ)」♀ ?歳 職業 「?」

揺れる夕焼け空を背に、ルシフェは立っていた。
「だが・・・はっきりとわかっていることが一つだけある・・・私も貴方もこの世界には必要ない!!!・・・これ以上争いの火種となる貴方を生かしておくことは出来ない許されない!!!!」
沈みかけている太陽が最期の光を放ち、ラヴィーナの白い機体を緋色に染め上げる。
「ダメです!」
額に角を頂く武装神姫が、銃を構えることもなくルシフェの正面前方で仁王立ちする。
「もう手遅れだ。私を止めればすべてが本当に無意味になる。早く角割れになるがいい!!」
赤熱するクリーヴァの切っ先が明確な殺意を持ってウィンターに向けられる。
だがウィンターは頑として足を動かさず、首をぶんぶんと左右に振った。
「こんなたたかいをくりかえしたら、こころがこわれてシンキじゃなくなってしまいます!」
「黙れえええええぇぇーーーー!!!」
天使の様な白い悪魔型の神姫が吼えた。
「マスターは死んだ!いるよりもいないほうが都合がいいただそれだけの理由で!感傷もなく金や欲、そんなくだらないだれかの何かと引き換えに殺されたんだ!」
「だからって・・・こんなことはちがうとおもいます!ちがうんです!」
一角獣型がいななく。



緋色に照らされた世界は終わりを告げようとしている。
悪魔型と一角獣型、両機にも此処に居ない誰にも止める手段は無い。
「それが・・・・・・ルシフェさんのほんとーにしたいことなんですか!?ルシフェさんはそれでいーんですか!?」
始まる崩壊の気配が夕闇となって這いよる。
関節駆動系の軋む音、風の音、全てが涙の音色を感じさせた。
「私も貴方もこの世界には必要ないと言っている!!」
交差するルシフェとウィンターの目。
その眼は互いを見止めるため、その声は想いを伝えるため。
その両手は刃と銃を握るためにあった。
「ちがいます!」
「こうする事以外に、私に何がある!これは贖罪でも仇討ちという奇麗事でもない・・・穢れた狂犬同士の共喰いだ!!!」
灯はやがて消えて行く。
一角獣型が握る銃の先にはまだルシフェは居ない。
「じゃあみつけにいきましょう!これじゃ・・・これじゃかなしすぎます!」
「くどい!!何も知らない癖に!何も解らない癖に!」
一歩踏み込むと同時に姿勢を落とし、突入する構えを取る。
「ルシフェさん!」
気迫と殺意が一角獣型を押し殺し、じりと身を半歩引かせた。
「貴方と私の戦いの連鎖を今ここで終わらせるッ!!!!!!!!!」
「このっ・・・・・・わからずやぁー!!」

太刀を握り締め向かい来るルシフェ。
刃を抜き去り迎え打つウィンター。
白と白が激突し、混濁した思惟と衝動が交わることなく互いを拒否し弾き返す。


―― ホエールキング 艦橋

「良かったのかね?」
真紅の宝石の名を冠したオールベルン型MMSがWRSに意志を写した白井に問う。
「あの子が自分から言い出したんだ。だったら尊重するよ」
腫れあがった頬をさすりながら、視線をずらすこと無くメインモニターだけを注視している。

「わたしは……しんきもかなしいってかんじるこころがあることを、わすれたくない!それをうけとめられるしんきになりたいんです!!…マスターのために!!」

飛び出していったウィンターが残した台詞を頭の中で反芻した。
「やれやれ、子供って知らない内に成長してるんだねぇ。
日頃ちょっとどころかかなり抜けた子だけど、ま・・・昨今の戦いでウィンターちゃんも感じるものがあったんだろうね。
こりゃ親離れも近いかな?」
「離れるべきは親側だろうな・・・」
冷たい壁に背を預けていたストレイドがWRSの後頭部に向かって言葉を投げる。
背後から窺い知ることの出来ない白皮症の少女は、満足気でありながら寂しげな表情をモニターに反射させていた。



四肢が脈動する。
脈動は装甲に秘匿されたサイコフレームを伝わり、CSCにも直接響いていた。
「そうだ。怒っていい、これは理不尽だ。」
まるで誰かにライドされたかのような感覚。
自分の言葉では無い台詞を口走ると、四肢の脈動が一層早まる。
「けどねユニコーンさん。それだけじゃダメなんです」
紛れも無い、穏やかでゆっくりとしたウィンターの声音。
身に憑依する自分では無い何者かが戸惑ったのか、脈動の間隔が乱れた。
「えーっとですね、よくわかんないんですけど・・・」
語りかけている相手は何も応えない。
「やっぱりよくわかんないです!」
一旦収まり掛けた脈動が再び速度を増す。
だがウィンターは戸惑わない。

「なので、わたしはこれからベンキョーしよーとおもいます!
それでちゃんとおぼえたらみなさんにもおしえてあげるんです!ルシフェさんにも!」
脈動がぴたりと止む。
澄んだ蒼の瞳を瞼で隠し、視界に表示されるインフォメーションを全て消し去る。
完全な闇が眼前を支配したことを確認すると、ウィンターは両目を見開いた。

「だからユニコーンさん・・・・・・わたしにちからをかして・・・!」
悲痛さを含む声。
開かれた世界に現れた、額に二本の角を携えた双眼の巨人は瞬きと共に泡沫と化した。
入れ違いに浮かび上がる《NT-D》の横文字。
全身の装甲がスライドし、隠されていたサイコフレームが発光を始め燐光を散らす。
重い液体に浸された感覚。
一角獣は清き純粋なる乙女にのみ心を開くと言う。
もしこの瞬間に手綱を握る者がウィンターだったとしたら、一角獣は秘めたる可能性の末端を己が認めた処女に明け渡したのか、定かでは無い。
[ 2012/03/24 23:25 ] [ 編集 ]

夢はお終い かくれんぼ

■MMS
特殊部隊型「ニコル」

■武装
ライアットカノン(榴弾)
マグナムリボルバー
手榴弾
閃光弾
鉄パイプ
ナイフ


先の戦いで荒れ果てた滑走路で、砂埃と小さな瓦礫が巻き上がる。
怒りと悲しみの入り混じった憎悪の形相で、主人を失ったストラーフ型が叫んだ。

「・・・これは贖罪でも仇討ちという奇麗事でもない・・・穢れた狂犬同士の共喰いだ!!!・・・・貴方と私の戦いの連鎖を今ここで終わらせるッ!!!!!!!!!」

そう言い終えるや否や、狂犬と化した彼女は、真紅に染まった夕日に照らされながら駆け出る。

ニコル「…ったく、台詞が長いんだよ。」

ガシャッ

無表情のまま、ライアットカノンを片手でリロードする。
ルシフェの心境はおろか、永崎の生死についてなど、ニコルにとってはどうでもいい事だった。
ただ、このくだらない連鎖を終わらせるのには賛成だった。

ニコル「来いよ、お嬢さん。…すぐに終わると思うなよ。」

一直線上から目前に迫り来るルシフェを睨み付け、ゆっくりとライアットカノンを構える。
[ 2012/03/24 23:58 ] [ 編集 ]

《漆黒の鬼神》 by ファティマSide
 カスタムサウンドトラック:『ZERO』 ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm3752383

MMS-1:戦乙女型MMS機動戦仕様『ファティマ』
装備:ジークムント
   ロッターシュテルン
   MA-M941 ヴァジュラビームサーベル ×2(リアパーツに仕込む)
   ピアッシングウィップ
   ホーンスナイパーライフル
   防弾クローク
   ボウソード: ジュワユーズ


「ここに、答えがあるのかな……?」
 『妖精の騎士団』からはマスターの判断により、ファティマが向かうこととなった。
 唯一人、先の護衛任務に身を投じたファティマは純粋に真実を追い求めていた。“永崎 冴”と言う女性マスターが何をしたのか、それが過酷な真実であったとしても、ファティマは傷つく事を覚悟しながら向かっていた。。

 そして、ほったらかしになって荒れている滑走路に、“彼女”がいた。
 赤く照らす夕日を背に泰然として立ちはだかる白い悪魔型MMSのルシフェは何の感慨も無く、黒き戦乙女を見据えた。

「遅かったな・・・やはり貴方が来たか・・・当然か・・・・・最初から・・・ただ戦う場所と相手が欲しかった狂犬だったのですからね・・・・・」

「狂犬!? そんな、わたしは……!」
 真実を追い求めてきたファティマは思わぬ言葉に動揺した。が、ルシフェの言葉は続く。

「いや、違うな・・・所詮は私も貴方も同じ穴のムジナだったということだったのかも知れない・・・大きな見えない力に操られている人形にすぎない・・・私も貴方も・・・」

 続けられた言葉に微妙な引っ掛かりを覚えてファティマは問い尋ねた。
「見えない力に操られていたって……あなたのマスターは、どうなってしまったの?」

「私のマスターは・・・消された・・・理由は酷く単純・・・『いるよりもいないほうが都合がいい』ただそれだけの理由・・・別に感傷もなく金や欲、そんなくだらないだれかの何かと引き換えに存在を否定された・・・」

「………」
 求め続けた真実は、ラナン=シーの推測したとおりだった。恐らくは、日本局の手によるものであろう。
 残されたルシフェはここまで逃げ延びて、徹底抗戦の構えをしていると言うことになるのだろうか。そして、今ここにいる自分はルシフェを消すための新たな“人形”だった。

「勝手な理由で、たくさんの人が亡くなって汚染ばかりが拡がって・・・何が正しく、何が間違っているのかわからないまま消された・・・」
「だが・・・はっきりとわかっていることが一つだけある・・・私も貴方もこの世界には必要ない!!!・・・これ以上争いの火種となる貴方を生かしておくことは出来ない許されない!!!!」


「わたしが、争いを呼んでいる……の? そんなの違う、断じて違う!!」
 ファティマは『妖精の騎士団』と言うチームとしてマスターと共にしてきていた。騎士団を名乗る以上、一人の騎士らしく戦い名誉の為に戦う事を考えていた。
 然し何であれファティマも結局は傭兵の一人だった。目指すものがあるとしても、人を死なせることには変わりない。
 一つの死が新たな憎悪を生み、生まれ出た憎悪は連鎖し飛び火して拡大していく。子が傷つけば親が憎み、親が傷つけば子が憎み、恋人が傷つけばその相手が憎み、友人が傷つけばその友人が憎む。それは捻じ曲げることの出来ない世の理。
 ファティマもそのくらいは理解していた。それ故に自分のしている事を正義だと主張することは出来ないと思いながら、ずっと戦いに身を投じていた。それでも、正義と言うものが人を救うためにあるものだと信じて。
 ならば、目の前にいるそれと戦うことは果たして正義となりうるのだろうか。

「・・・これは贖罪でも仇討ちという奇麗事でもない・・・穢れた狂犬同士の共喰いだ!!!・・・・貴方と私の戦いの連鎖を今ここで終わらせるッ!!!!!!!!!」

 襲いかかるルシフェの剣には一切の迷いがなかった。
 それを見たファティマは決意した。ここで行われるのは、ルシフェの正義と自分の正義のぶつかり合い。
 正当化されるのは勝者の正義のみだが、それでもファティマは一つの信念があった。

「わたしが争いを呼び寄せているのかもしれない。穢れた狂犬であったとしても構わない。でもわたしは、わたしを必要としてくれる人々の為に、そんな人々の正義の為に、この戦いを……生き延びてみせる!! 生き延びて、これまでの戦いに意味を見出して見せます!!」

 ファティマも同様にジークムントとロッターシュテルンを構え、ルシフェと対峙した。
 迷いは消え失せた。それは、長らく続いた因縁に答えを導き出す為に。


 ――悲憤する白亜の悪魔と、信念の漆黒の戦乙女の戦いが今、始まろうとしていた。
 夕暮れの赤い光が二人を照らす。
 それは今までに浴びてきた血の輝きなのか。
 違いがあるとするなら、何の為に浴びてきたのかということだろうか。
 二人の剣が交差する時、その意味は明らかとなる。



《羽根を載せた天秤にかけられた運命》 by ブエルSide
 カスタムサウンドトラック:『Beyond the Bounds』 ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm943253

MMS-1:ケンタウロス型MMS特殊戦闘仕様『ブエル』
装備:イクシオン:ビーム銃剣付×2
   アルナイル:減音器&ビーム銃剣付
   高振動エアロヴァジュラ
   高振動ハダル&アゲナ
   電子妨害型スタングレネード
   シザーアンカー
   ステルスマント
   量子式指向性遠隔電子改竄アイカメラ

 一方で、こちらは全くの別の話。別の決着の話。
 四足歩行形態をとってブエルはプロバス要塞の廃棄飛行場へ向かっていた。
「済みませんが、お姫さんの手を汚すに相応しくないと思いましてね」
 ノルンら『記述する乙女達』は、じゃんけんによって誰が行くかを決めた。その際にブエルは、とある“ずる”をして勝利を収めたのだった。3人でじゃんけんをした際、ブエルが持つ瞳により比較的穏やかな暗示をかけて、自分が勝つ手を差し出すように仕向けたのだ。このような形で自分の瞳を使うことはブエルにとって望ましいことではなかったが、そうしてでもやらねばならないことがあった。
 それは、ノルンの手でルシフェを破壊することを阻止することだった。ノルンはルシフェと戦う事を望んでいたが、ブエルは心の奥底で反対していた。
 何故なら、それこそがノルンの従者として主を守ることに他ならないからだ。従者である今の自分でい続けられるのはノルンのお陰なのだ。その為ならば、主の意思に逆らう事も厭わなかった。
 主の為に主を欺くというパラドックス。決して許されることでは無い従者の我が侭に、何と自分勝手なことだろうとブエルは心底呆れ返った。然し幾らノルンが本当は実力者であったとしても、ルシフェの血で手を汚させる事はとても許容できることでは無かった。
 モリガンが出向いても良かったのだろうが、モリガンはルシフェと一度も会った事が無い筈だ。それなら、より多く顔を見せたことのある自分の方が適任だ、とブエルは考えていた。
(「お姫さんはこれからも戦場に佇まれ戦を見つめられるお方なのです。テロリストの下賎な思想などに耳を貸す必要など御座いません。僕がお姫さんの耳となって代わりに全てを聞いてきますからね」)
 そう考えていた時に突然、ブエルの頭に声が割り込んできた。

『そう、そういうことだったのね』

「げっ、お姫さん!?」
 突如ブエルの思考に割り込んできた声はノルンのものだった。どこからか遠くの空から通信をかけているのだろう。その声は極めて平静だったがどこか不穏な怒りも漂わせており、思わずブエルは震えた。
『げっ、とはなってませんわね。それより、あなたがいかさまをしたことくらい分かっていますのよ。私の精神防壁を嘗めてもらっては困りますわね。然し、私の下僕でありながら主を欺き独断するなんて、いつからあなたはそんなに偉くなったのかしらね?』
「いえいえ、欺くだなんてとんでもない。あのじゃんけんで僕の瞳が通じなかったのですから、結局お姫さんは結果的に負けたわけですし……」
 苦しい言い訳をするブエルだったが、ノルンは相変わらず機嫌が悪そうだった。
『……言い訳は帰ってから全て聞いて差し上げますわ。それまではそっちでじっくりと考えておきなさい。それよりも、そうまでして己を通したのですから、為すべき事は必ず成し遂げなさい。それは最低限の条件よ』
「ええ勿論、心得ております」
 少々肝を冷やしたところだったが、ブエルは先を進んだ。妙な展開となったがノルンはとりあえずは情報支援に徹してくれるようだ。
 それから廃棄された施設を進んでいくとノルンが警告した。
『その先の滑走路に彼女がいるわ。備えなさい』
「了解です」
 ブエルは後ろ足のクロノスを折りたたみバックパックに変えると、“彼女”の前に現れた。
「いやあ、少々お待たせしすぎてしまいましたかねえ」

「遅かったな・・・やはり貴方が来たか・・・当然か・・・・・最初から・・・ただ戦う場所と相手が欲しかった狂犬だったのですからね・・・・・」
「いや、違うな・・・所詮は私も貴方も同じ穴のムジナだったということだったのかも知れない・・・大きな見えない力に操られている人形にすぎない・・・私も貴方も・・・」


(「操られていると言うより、利用されてしまった感じが強いのですけどねえ」)
『私達は私達の意思で立っておりますわ、ルシフェなんかとは違いますわね』
 ブエルとノルンはそれぞれ、口にはしなかったが思うことがあった。確かに結果的に利用されたことはあったかもしれないが、それでも自由な意思の無い人形であるつもりは無かった。
 飽くまでも、戦いたいから戦うべき場所にいる。それだけは確かだった。

「私のマスターは・・・消された・・・理由は酷く単純・・・『いるよりもいないほうが都合がいい』ただそれだけの理由・・・別に感傷もなく金や欲、そんなくだらないだれかの何かと引き換えに存在を否定された・・・」

 それを聞いたノルンは呆れ果てた様に溜め息を吐いた。
『やはりね。己の器を弁えないでつまらないことなんか企てるからそうなるのよ』
(「彼女の方が道化だったと言うことですか。救われませんね」)
 辛く語るルシフェに対し、二人は辛辣だった。このような結果となることくらい、今は亡き永崎とその相棒のルシフェも予測出来た筈だ。然し、観艦式襲撃を依頼してきた永崎は、目の前の結果しか求めていなかったのだろう。
 故に、ブエルとノルンはルシフェに同情することは出来なかった。

「勝手な理由で、たくさんの人が亡くなって汚染ばかりが拡がって・・・何が正しく、何が間違っているのかわからないまま消された・・・」
「だが・・・はっきりとわかっていることが一つだけある・・・私も貴方もこの世界には必要ない!!!・・・これ以上争いの火種となる貴方を生かしておくことは出来ない許されない!!!!」


「それはまた、随分な言い草で御座いますねえ。あの観艦式襲撃の火種はあなた達でしょうに。あなた達がセクターH13を更に脅かしたと言うのに。そんな御自分の行いを見据えず、僕に去ねと仰るのは自分勝手と仰るのですよ」
 ブエルはうんざりしたように正論を述べたが、ノルンが割り込んできた。
『何を言っても無駄よ。革命者を目指そうとした輩は何かにつけて自分を正当化するものよ。そして多分、彼女に自決する気は無いでしょうね。関わった傭兵を皆殺しにするまで生き延びるでしょうね』
 ルシフェの言葉は正論のようだが、それはマスターを殺された神姫が導き出した結論なのだ。そんな神姫が正気を保って言っているとも思えない。ブエルはそんな狂気に付き合うつもりは毛頭無かった。

「・・・これは贖罪でも仇討ちという奇麗事でもない・・・穢れた狂犬同士の共喰いだ!!!・・・・貴方と私の戦いの連鎖を今ここで終わらせるッ!!!!!!!!!」

 問答無用で襲いかかるルシフェ、その剣には一切の迷いがなかった。
「そんな意味の無い連鎖、元より始めたつもりは無いのですがねえ。ですが、やるしかないのですね」
『自分の事を全て棚に上げた演説は実に退屈でしたわ。ブエル、やっておしまいなさい』
「実に悪の女幹部らしい台詞ですねえ。了解です。クィーンズアイ」
 ブエルは小手調べに後方に跳びながら2丁のイクシオンの連射で牽制し始めた。ルシフェもこの程度はと剣で簡単に弾いて見せた。

「ルシフェ様、僕はこんなところで終わるわけにはいきません。僕にはやらなければならないことが沢山あるのです。特に、お姫さんのティータイムとか目覚めのキッスとかシモの世話とか!!
『%$¥@*∀~~~!!?』(ぶっ壊れた)

 シリアスなムードでもノルンを怒らせることは欠かせないブエルだった。
 穢れた狂犬同士とルシフェは言ったが、二人には決定的に違うものがあった。それは、犠牲を求めるルシフェの意思と、未来を求めるブエルの意思だった。それこそが二人を分かつ要素だった。
[ 2012/03/25 08:46 ] [ 編集 ]

奈緒「おいおい、冴を利用して消した奴に恨み向けろよ、こっちゃ依頼受けて暴れて殺して金もらってるだけの単なる傭兵なんだよ。」
サンジュ「面倒な奴だな。この世に正しいも糞も無いんだよ。……奈緒、やれるか。こいつは一騎打ちを望んでいるようだしな。」
奈緒「任せろ。世界がどうとか抜かす厨2病をぶっ壊してやるよ。」

倖成「それに、生憎戦いの連鎖を終わらせるつもりはこちらには無いんや。世界が混乱すればするほど……楽しいからなぁ!!それに、この地でもやり残したことがあるしなあ。なぁ?給仕係の兵士Aさんwwけっひゃひひひひ。」

花型ジルダリア「奈緒」
フローラルリング×2
悪魔型強化腕強化脚部
6分の1スケール斬鉄剣

倖成「後なぁルシフェ、冴が死んでもうて残念やわ、あいつをお前の目の前で思い切りリ*ナって*してぐちゃぐちゃにしたかったでぇ!いひゃひゃひゃ。」

奈緒「冴の墓はあるか?無いだろうな、カタリナ社にとっちゃ所詮使い捨てのオナ*ールみたいな女だからなぁ。」
倖成「ひひひ、墓前でオ*って墓石にぶちまけてやろうか?けひゃwww」

奈緒「さて、始めるか、行くよ!ルシフェ!!!」

斬鉄剣を納刀したまま走る。
一太刀目は居合い。
続けて袈裟掛け。
眼球狙いの刺突。

単純に悪魔型はパワーで勝るため、奈緒自身の剣術はスピードと技で勝負するしかない。
罵声で煽った影響で、多少なりともルシフェの技術がぶれて鈍っていたら幸いなのだ、が…。
[ 2012/03/25 14:54 ] [ 編集 ]

狂犬、相食む


ルシフェのグリーヴァが大気を切り裂いて、雷撃のごとく振り下ろされる。
ラクシュミは、同調するようにレーザーソードでこれに応じる。火花と放電が二人の間に弾け飛んだ。
一切の間を置かずにルシフェは、ディカヤコーシカの一刃をラクシュミに突立てようとする。
ラクシュミは、アルヴォ・エクステンドでディカヤコーシカを払いのけると同時に、
ユニコーンのキャノン砲をルシフェの顔面めがけて打ち込んだ。
ルシフェは、ロークを盾に頭部を保護し、直後にスラスタを噴かして距離を取り、
ジーラウズルイフを3発、ラクシュミに喰らわせようとした。
が、照準の先には白い天使型MMSの姿はなく、弾丸はアスファルトの中に潜り込んでしまった。
ルシフェの、SSクラスの直感が視線を上げさせる。
そこに、沈みかけの夕日を浴びて真っ黒な影を纏った敵の姿があった。青い眼光が異様に輝いている。

ラクシュミ「怯えなくてもいいぜ、同類。この戦い、狂犬同士でじっくり堪能しようじゃないか。」
ルシフェ「・・・貴様は、戦いを遊戯か何かのように考えているのだな。
     貴様のような奴がいるから、争いの火種は消えないのだ。
     当面の目的が出来た。まず、貴様から葬り去ってやる。
     それから、残りの”狂犬”共を始末してやる!」
ラクシュミ「あっはははははははは! やっと、勝ちを取る気になったかい?
      無理心中なんてのは御免こうむるからな! 勝つか負けるか、生きるか死ぬかだ!」

ルシフェはロークを構え、ラクシュミはアルヴォを構える。
二体のMMSは、発砲と同時にスラスタを噴かして、突撃した。
[ 2012/03/25 19:55 ] [ 編集 ]

荒鷲と明星

彼我の戦力差を計算する。
白兵、間合いはあちらのグリーヴァの方が長い。インパクト・ハザードの隙はどっこいどっこい。
射撃、相手は基本的に近接重視。ならばミサイルの使いどころが問題か。
機動性、空中に居る限りはこちらが上。鷲型のスピードは、生半な神姫では捕らえられない。
パワー、圧倒的にこちらが不利。相手は悪魔型、掴まれたら最後
そして技量。こちらは"ただの一流"、相手は"超一流"

総合的に見て、圧倒的不利。ならば、取るべき戦法は唯一つ…

ルシフェの頭上を旋回しつつ、レッドスプライトによる銃撃を加える「No Name」。
一定の距離を取り、白兵戦を仕掛ける様子はない。

「貴様!バカにしているのかッ!?」

ジーラウズルイフによる反撃を行うも、本来これは近距離の相手を攻撃する物。
銃弾はやすやすとかわされていく。ルシフェの表情が憤怒の色に染まる一方、
「NoName」は涼しい顔だ。冷静に、一定の間隔で射撃を見舞っていく。
所謂「引き撃ち」の様相を呈し始めるが…ルシフェがにやりと笑う。

「悪魔型が飛べないとでも、思ったか? その短慮、貴様の命であがなってもらおうッ!!」

FAPで追加されたブースターを点火。白い巨体が、夕暮れの空に舞い上がる。

SSランカー、"明星"ルシフェの刃が「No Name」に迫る。
だが、彼女の口元に浮んだのは…

「……迂闊、でしてよ?」

明確な、嘲笑の笑みだった。

《続く》
[ 2012/03/25 22:21 ] [ 編集 ]

モニターを観ながら……


華琳「はっ!あのマスターがありながら、この程度の考えしか持たないのか!?参加すれば良かった。速攻で終わらせてあげるのに…ルシフェ、貴女の全てを否定してやる!!」

珍しいな。華琳がそこまでキレるなんて。

ランスロット「主には難しいんで、この話しは関わらない方が――」

華琳「ねぇ、マスターは私達にどうして欲しい?」

〇ックs
パンッ!!
華琳「…………」
ランスロット「…………」
俺、マジで答えたんだけど。俺は、俺と言う名の境界線を越えてy
華琳「闘争本能こそが神姫のあるべき姿か…」
ランスロット「私達もマスターをなくしたら、ああなってしまうんですかね?」華琳「ないわよ」
えっ!?
華琳「次からこう言うミッション参加して行くから、よろしくマスター」
ちょ!お前!?
華琳「ハァ、マコよりガチで弱そう……このルシフェ」
誰も分からないから!そして波紋を呼ぶコメントするな!!
[ 2012/03/25 23:52 ] [ 編集 ]

「そんな単調な砲撃!!」

ルシフェはまるで何もないかのように、砲撃の間をすり抜けていく。
そのまま跳躍し、いかにも動きの鈍重そうなミカエラの頭上を取る。
その時、ミカエラの武装だったシールドクローアームの一つが開き、ミサイルが多数放たれた。

「っ!!やはり、そんな力は要らない!お前にも、私にも!」

太もものブースターを使って短時間ながらも飛行、ミサイルをかわすルシフェ。
今度はそこに、散弾がばらまかれる。

「くうっ!!だから、ここでお前を倒すしか無い!!」

ロークを盾にして散弾を防ぎ着地。
そこに猛ダッシュで迫ってくるミカエラ。
グリーヴァを構えて応戦しようとするが、シールドクローアームをつかった打撃にはじき飛ばされる。
吹っ飛び転がるルシフェに散弾をぶち込むミカエラ。
ルシフェも右副腕の大型拳銃で応戦するが、如何せん拳銃。
ミカエラのシールドクローアームの装甲を破るには至らない。
「く………」

悶絶するルシフェをにらみ、ミカエラが突然口を開く。

「私、貴女みたいな考えの持ち主って、大嫌いです。鬱陶しいから。だから、とっとと死んでくれます?」
[ 2012/03/26 00:22 ] [ 編集 ]

銃を構えながら歩くニコル。
それに相反し、ジーラウズルイフで牽制射撃をしながら全力疾走で突進するルシフェ。
2体の距離は確実に縮まりつつあった。

ルシフェ「どうした!何故、反撃してこない!?」

眉間に皺を寄せたルシフェが叫ぶ。
今の距離では、ハンドガンのジーラウズルイフをいくら撃ったところで、相手に命中するとは思っていない。
しかし、反撃はおろか回避すらしようとしない相手に対し、苛立ちを隠せなかった。

ルシフェ「そうか、引付けてから叩こうと言うのだな!?いいだろう!ならば、貴様が撃つ前に、私が葬り去ってやる!」

グリーヴァを強く握り締め、さらに加速する。
青い瞳に相手のガスマスクが鮮明に写る。
ルシフェは懇親の力を振り絞り、巨大な剣を掲げながら天高く飛び上がった。

ルシフェ「地獄に落ちるがいい、邪悪な狂犬め!」

ニコル「ふんっ…ほざいてろ。」

剣先が頭上に振り下ろされる寸前、ライオットカノンが火を吹いた。
左側のサブアームの接続部と間接目掛けて、全弾がフルオートで撃ち込まれる。
ルシフェは体勢を崩し、膝から着地する。
それと同時に、一瞬でスクラップと化したサブアームが地面に落下した。

ルシフェ「…っく!よくも!」

グリーヴァを握ったまま火花を散らして痙攣するアームを一瞥し、すかさずジーラウズルイフを構える。
だが、それよりも早く、ニコルがトリガーを引いた。
武器と共に右側の手首が吹き飛ぶ。
左右のサブアームを失った彼女に残された武器は、両手のディカヤコーシカだけとなった。

ニコル「ほら、まだ終わってないぜ?さっさと立ち上がって、気合を見せてくれよ。」

ひざまずく白い悪魔を見下ろすガスマスク。
その裏側の顔は、相変わらず無表情のままだった。
[ 2012/03/26 21:05 ] [ 編集 ]

Get down in your knees!


ラクシュミとルシフェの間に、飛び交う無数の銃弾。
照準を合わせるも互いに隙を見つけられず、かつ抜群の回避能力が無駄撃ちの弾丸を量産していく。
ここで、決定打を得るべく、ルシフェが先に動いた。
回避を止め、悪魔型の頑丈さをもってラクシュミに体当たりを喰らわす。すかさずロークを逆転させて
パイルバンカーをラクシュミの脇腹に喰らわせた。一瞬苦悶の表情を見せるラクシュミ。
ルシフェ「どうだ! 脇腹にパイルバンカーを喰らった感想は!」
だが、次の瞬間にやりと笑うラクシュミ。
ラクシュミ「待ってたよ、この時を。」
この時、ラクシュミのアルヴォの銃口が、ルシフェの背後のハンガーに向けられて、10連発の打撃を与えた。
素早く、離脱するルシフェ。まだ、ハンガーは破壊されていない。
頑丈さでは追随を許さない悪魔型のなせる技だ。
ルシフェ「なめた真似を!」
スラスタを噴かして、再度突撃するルシフェ。だが、軽快に回避するラクシュミ。
ここで、ラクシュミのスーパーパック内のミサイルが4発発射された。
ルシフェは、ジーラウズルイフで、一発ずつ正確にミサイルを撃ち落として行く。
続けて、ミサイルを4発発射したラクシュミの動きは見逃さない。
ラクシュミ「さすがにパイルバンカーは効いたぜ。
      だが、シリア砂漠の殺人MMSに比べりゃ大した事はないなぁ!」
ルシフェ「戯れ言を! 来い! 好きなだけこのパイルバンカーを喰らわせてやる!」
距離を取ってレーザーキャノンを構えるラクシュミを視界に捉えながら、
再度近接戦闘に持ち込もうとするルシフェ。
再度グリーヴァで、斬りかかる。
ルシフェ「我が剣の錆となれ、堕天使!」
[ 2012/03/27 01:36 ] [ 編集 ]

《互いに道は一つ》 by ファティマSide

 緒戦は互いにぶつかり合い、互いの副腕から繰り出されるグリーヴァとジークムントとの鍔迫り合いとなった。
 重厚で鋭利な刃が軋む嫌な音が雪の積もる滑走路に響いた。
 このままでは埒が明かぬと悟ったルシフェはグリーヴァを大きく薙ぎ払ってジークムントを退け、ジーラヴズルイフで威嚇射撃を仕掛けてきた。
 ファティマはそれを見切り、ジークムントの刃で弾丸を受けると反撃とばかりにホーンスナイパーライフルを連射して応戦した。然しルシフェはライフルの弾丸を容易く回避し、再び距離を取った。
「わたしを倒したところで、世界から争いが無くなるわけじゃない! そのような事を言うあなたも、争いの火種じゃないの!?」
 狂犬同士の共食いだとルシフェは言ったが、ファティマにはそのつもりなど一切無かった。テロリストのMMSの討伐として引き受けたものの、それよりも真実を知りたくてここまで来たのだ。
 そこで待っていた真実は、“永崎 冴”の死と陰謀だった。そこまで分かっていて何故、自分と戦わなければならないのだろうか。
「その通りだ。だから日本局辺りから貴方が遣されたのだろう。果ての無い争いを求めるために!」
 するとルシフェはディーカヤコーシカを投擲すると同時にジーラヴズルイフで牽制しながら、グリーヴァを脇に構えて一気に彼我の距離を詰めてきた。
 ファティマは弾丸をクリスタルシールドのアルヴィトで防ぎながら、遅れて飛んできたディーカヤコーシカを左手のロッターシュテルンで弾き、ルシフェの更なる一撃を縦に構えたジークムントで防いだ。
「それは違うわ! 確かに今のわたしは日本局の傀儡かもしれない。でもそんなことよりも、あなたがセクターH13を脅かす存在になっているのかどうかも確かめに来た!」
 再びの鍔迫り合い。ファティマは姿勢を少し低めてルシフェの腹部に重い蹴りを繰り出して、無理矢理弾き飛ばした。
「グッ……それで、どう見えた?」
 不意を突かれたものの、すぐに体勢を立て直したルシフェはファティマに問うた。
 ファティマは右副腕のジークムントと左腕のロッターシュテルンを構えながら答えた。
「最初は孤独になっていたあなたを説得したかった。こんな歪められた世界にそれでも人の温かさがあると伝えたかった……」
 ファティマはぽつりぽつりと呟くように答えた。このような結果となってしまった事を心から惜しむように言葉を紡いだ。が、それらを取り払うようにジークムントで虚空を斬り裂いた。
「でも、あなたは問答無用で襲い掛かってきた。拗ねて孤独である事を求めたあなたはまさしく狂犬だったわ。だからあなたをぶん殴って止めて、こんな無意味な戦いをお仕舞いにするわ!!」
 ファティマはノインテーターを展開して二つの巨大な鋏を構えると、ルシフェ目掛けて殺到した。


《神姫の信頼とは》 by ブエルSide
 最初はブエルの銃撃にやや押されていたが、ルシフェはグリーヴァで防御に専念すると右手のコーシカを振りかぶって襲い掛かってきた。
 一気に押し込んでくる戦法にブエルは少し戸惑い、スタングレネードを投擲しながら後退した。
 激しい閃光と轟音が辺りを包み込んだ後、そこにはサジタリウスとエアロヴァジュラを構えたブエルが立っていた。
「文字通りの意味で手の数で負けているというのは少々厄介ですね」
『けれど、武装の殆どが近接装備に偏重しているのが幸いかしら。飛び道具はディーカヤコーシカ、ジーラヴズルイフ、ロークのガトリング砲の三種くらいね』
 ブエルの呟きにノルンが答えた。ルシフェの扱う装備を解析することによってブエルを情報支援していた。適当な武器を渡されるより遥かに頼りになる。
「メインとなる飛び道具はジーラヴズルイフくらいですかね。機動力を活かした中距離戦闘で対処してみます」
『単調な機動にならないよう気をつけなさい』
 ノルンの忠告を受け、ブエルはリアパーツのクロノスを展開して後ろ足を出した。これにより陸上での機動力が向上した。後は立ち回り方に気をつければ勝率は高まるだろう。
 そしてブエルはルシフェに言った。
「ルシフェ様。このような醜い争い、あなたのマスターが望まれたことなのですか」
 するとルシフェが激昂して怒鳴るように反論しながら襲い掛かってきた。
「違う! この戦いは私自身が望んだもの! 穢れた狂犬の共食いだと言った筈だ!!」
「となると、マスターがご存命でしたらこのようなことにはならなかったと言うことですか」
 ブエルがグリーヴァをエアロヴァジュラで受け止めると、ルシフェは思わぬ事を喋りだした。

「……昨年、深夜の輸送機部隊を強襲した後、マスターが貴方のマスターを看病した時、私がした事を覚えているか?」
 それは全くもって思いがけない問いかけだった。それは大体、4ヶ月ほど前の事となろうか。“永崎 冴”の事をよく知って貰う為にプロフィールを渡されたことがあった。どうしても彼女の味方になって欲しいとルシフェが頼み込んできたのだった。
「ええ、存じておりますとも。確かあの方の好みのタイプは、“強くて、ピンチのときに助けてくれる人”でしたか」
 ブエルがそれを言った時、ルシフェの瞳に新たな憎しみの光が宿ったように見えた。
「あの時私は、我がマスターの側にいてください、と言った。あなたのマスターがずっと付いていてくれれば、このような事にはならなかった!!」
 確かにプロバス要塞を攻略した際、無意味な結果に終わってしまい永崎はショックを受けていた。その時に彼女を慰めようとした傭兵はいただろうか。傷心の彼女の側にずっとついていてあげれば、もしかしたら観艦式襲撃なども思いとどまっていたのかもしれない。
 然しブエルは冷静に反論した。
「それは詭弁です。あの方の為になる事をして差し上げることが出来たのは僕達のマスターではなく、あの方ともっと長く付き合ってきたあなたしかいないのです」
「そんな事……!」
 ルシフェのグリーヴァに更に力が掛かってきたのを察知すると、エアロヴァジュラの刃先を傾けて受け流しつつ再び距離を取った。
「あなたはあの方に命じられるままに動くことしか出来なかったのですか? 戦えといわれたら戦い、悪事を行うと考えたら従うことしか出来なかったのですか」
「それが、マスターの為になるというなら、私は地獄の果てまで共にする覚悟だ!」
「それは間違っています!!」
 するとそこでブエルは声を張り上げた。
「仕える主が悩んでいたら悩みを共にし、悪の道に奔ろうとするなら間違いであると説き伏せる。それこそが正しき信頼関係というものです。あの方にずっと付き従いながら“強くて、ピンチのときに助けてくれる人”になれず、何もすることが出来なかったあなたに、他者を責める権利などありません!」
 するとルシフェは半狂乱となってジーラヴズルイフを乱射し、更にコーシカとグリーヴァを振り回しながら突進してきた。
「黙れっ、何も知らないくせに好き勝手言うなぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
 ブエルはこれ以上の会話は不可能と判断し、グリーヴァをエアロヴァジュラで受け止めつつ右脇へと避けながらサジタリウスを連射して、人馬の脚力を活かして逃れた。
 四足ゆえに機動力は高いが、ルシフェも悪魔型MK.2であるが故にパワーを犠牲にやや機動力を重視している筈だ。過信しすぎると足を掬われることだろう。
『機動力ではまあまあ勝っているようね。でも早急に腕の一本でも潰しなさい』
「心得ました」
 再び戦闘が開始され、機動戦にもつれ込んだ。ルシフェはジーラヴズルイフとロークのガトリングガンを乱射し、ブエルはサジタリウスで迎え撃つ形となった。
[ 2012/03/27 03:20 ] [ 編集 ]

空を支配するモノ

空中こそが鷲型の領域。たとえ追加装備で空戦能力を得ようと、ラヴィーナ型は
格闘寄りの汎用機。ならば、最初から空戦に特化する自分が負ける道理は無い。

"名無し”はそう己を鼓舞し、スラスターの出力を上げる。

変幻自在の機動で、ルシフェの攻撃を避わしていく"名無し"。
地上戦では、驚異的な威力を誇るグリーヴァも、ジーラヴズルイフも、ロークも、
その質量と大きさは空中戦では致命的だ。巨大な得物が生み出すモーメントは
細かな挙動を妨げ、その質量は空中での加速を鈍らせる。
ついに、ルシフェの背後を捉えた。

「"空の支配者"は…伊達では無くってよ……ッ!」

ここで高速誘導弾を叩き込めば全ては終わる……――

「"明星"の二つ名……舐めて貰っては困りますね」

…―――筈、だった。

ルシフェが信じられない行動に出る。グリーヴァを前面に向ってフルスィングし、
その慣性を利用し瞬時にこちら側を向いたのだ。直後、ロークから放たれる銃弾の嵐。
即座にブレイクし射線から逃れる"名無し”。後少し反応が遅ければ、今頃彼女は蜂の巣に成っていただろう。

「……まさか、得物が生み出す慣性を見切って利用したとでも?!」

"名無し”の顔が驚愕に歪む。これが、SSランカーか。一般的な最高位であるSランクから、
”非常識”の領域へ一歩踏み出す事が出来た戦いの権化…!

始まるドッグファイト。軽量かつ旋回性に優れる"名無し"だが、SSランカーたるルシフェの
対応力に、得意のはずの空中戦において現状は拮抗状態にならざるを得ない。

「……何故、居てくれなかったのですか」

ふいに、ルシフェが呟く。訝しげに、バイザーの奥からルシフェを見つめる”名無し”

「何故、マスターのそばに居てくれなかったのですか?!
あの時、あの場所に貴女のマスターが居てくれたらなら……ッ」


…可笑しい。"名無し"の脳裏に疑問が過ぎる。ここに向う直前、彼女は
自分を拾った男の日記を見ていた。その内容からは、男はどのミッションでも、
"永崎冴”なる人物をいつも気に掛けていた事が読み取れた。
自分にとっては、憎き仇でしかないが、彼にとってはそれなりに気の置けない人物
だったのだろう。"名無し”の古巣カタリナ社に目をつけられる危険を冒してまで、男は
彼女とその神姫…今対峙しているルシフェとコンタクトを取り続けようとしていた。
それを、このような言い草で罵倒するとは・・・

自分の仇である、という事を差し引いても。"名無し”は何やら段々とむかっ腹が立ってきた。
その怒りが、折れかけた彼女の闘志を賦活していく。

「…さっきから聞いていればゴチャゴチャと ”あの時あそこに居てくれていれば”?
馬鹿を仰い。私を拾ったあの男を、"彼"を信じなかったのは、貴女達ではなくて?!」

「な、に!?」

"名無し”の剣幕に、一瞬虚をつかれるルシフェ。

「"彼"の日記を読みましたわ!「彼女たちの行方がわからない」「今日も見つからなかった」
「どうやら一歩遅かった」「これがアンタの遣りたかった事なのか?」
……そんな彼を信じず、遠ざけ、そして裏切ったのは貴女達では無くて!? それを棚に上げて、
「戦う場所が欲しいだけの狂犬」?「操られるだけの人形」?「貴女も私もこの世界に存在すべきではない」?」

ここで一旦言葉を区切り、ルシフェを睨みつけ続ける。

「寝言は、寝てから言いなさい!この、メンヘラ神姫ッ!!」

"名無し"の言葉が、ルシフェに強く叩き付けられる。ルシフェはその場にうなだれ……

「………ぃ」

「……うるさい」

「…うるさい!うるさい!うるさいうるさいうるさいうるさいっ!!」

「黙れ!黙れ!黙れ!私のマスターを愚弄するなカタリナの走狗風情がッ
……お前も、お前のマスターも…消えてしまぇええええ!!!!」


まさに悪鬼の如き形相でルシフェが吠え、グリーヴァ大上段に構え上空に向っていく。

「本音が聞けて嬉しいですわ、メンヘラ。…ただ、自分のマスターが居なくなった悲しみを
誰かにぶつけたいだけなのでしょう? ……相手になりますわ。私も、貴女と同類ですのよ…ッ!」

負けてられぬとばかり、インパクトハザードに主翼を合体、両手剣VG.スラッシャーに変形させ、
"名無し"も上空に向う。

航空剣術において、相手の頭上を取る事は重要命題の一つである。
踏み込みが使えず、両腕の力のみで行う切り合いで相手の頭上を取る事…すなわち、
"相手よりも高い位置を取る”とは、落下の運動エネルギーを攻撃に加算すると同義なのだ。

"名無し"の鷲と、孤独な"明星"

二人の戦いは次のステージへ進もうとしていた。

(一部文章が不自然だったので修正)
[ 2012/03/27 21:29 ] [ 編集 ]

3発、発砲。
ルシフェはそれを何とか躱し、立ち上がると同時に距離を詰める。
いつの間にか、グリーヴァを右手に持ち替えて。
完全に接近戦の構えだ。
反応の遅れたミカエラに斬りかかるが、シールドクローアームに防御される。
だがそれは布石。
本命は左腕。
パイルバンカーの一撃なら、装甲を撃ち抜けるはずと睨んでの行動。
だが。

「それでフェイントのつもりなんですか?マスターがせっかく作ってくれた武装にこんな大きな傷をつけて……鬱陶しい」

ミカエラは蔑むような笑みから怒りへと、目まぐるしく表情を変える。
もう一方のシールドクローアームに、叩きこもうとしたはずの左副腕が、がっちりと咥えられていた。
両者の動きが止まったその時に、ルシフェが口を開く。

「……昨年、深夜の輸送機部隊を強襲した後、マスターが貴方のマスターを看病した時、私がした事を覚えているか?」

ミカエラは表情を変えようとしない。
その時、ミカエラもまたその場にいたので知っているはず。
だが、ミカエラはこともなげに言い放つ。

「プロフィールを渡してマスターを篭絡しようとしたんですよね?全く、とんだ女狐でしたね。
貴女のマスターは」

ルシフェの表情が、ますます怒りに染まる。

「あの時私は、我がマスターの側にいてください、と言った。あなたのマスターがずっと付いていてくれれば、このような事にはならなかった!!」

「何、言ってるんですか………マスターは、マスターは………貴女のマスターのこと、信じてたんですよ?それをあんな感情論で裏切るなんて………だから」

クローアームが、左の副腕を破壊する。

「死んじゃえ、鬱陶しいの」
[ 2012/03/27 22:08 ] [ 編集 ]

ウラジオストクの要塞の底で

SSクラス、ルシフェ。Cクラス、ウィンター。
二機の戦力差は歴然だった。
不可解な機能を発現させ全般的な機能を向上させたとしても、下地となっている神姫自体の技量はルシフェと比較するまでもなく余りにも劣等過ぎた。
ディーカヤコーシカが鋭い煌きを見せるや否や切り払われ、それをビームサーベルで受けたウィンターが体勢を崩したところにクリーヴァで追撃を加える。
サーベルでは受けきれないと判断したインテンション・オートマチックシステムが強制的に四肢を動かし、大盾を構えさせた。
「弱い・・・弱すぎる!」
重量と推力で盾ごと押し切らんとするルシフェ。
アンバリウム合金で形成された実体盾が悲鳴を上げる。
離脱。
ウィンターが思考するより先にランドセルのバーニアが青白い炎を吐き出しウィンターの身を跳躍させた。
「ビームマグナムじゃ、カゲンがきかない・・・けど!」
上昇し高低差によって距離を取った一角獣型がついに銃を構える。
照準が目標を捕らえたのと同時に自己の意思をもってトリガーを引く。
「貴方は・・・お前はここで落とす!」
一角獣型が上昇回避を行った時点で既にルシフェは次なる行動を取っていた。
地面を蹴り、反動とバーニアを持ってして跳躍し急加速する。
「さがってくださーい!」
ビームマグナムからEパックが弾け飛び、ノーマルライフルの4発分のエネルギーを凝縮した火球が銃口から迸る。
飛散粒子を掠めた程度で同サイズのMMSを溶解させるオーバーキル・ウェポン。
威力を既知しているルシフェは、対応処置も認識済だった。
身を捻り予測した射線から即座に離脱する。
放たれた火球。ルシフェの予測よりも大きく道を外して熱波が伸びる。
「真面目に狙ええぇーー!!」
構わず直進し、大型拳銃とガトリングガンを撃ち散らし肉迫した。
「ねらってます!」
ルシフェが接近して来ることを確認するより先に手足が作動し、転進しながら出鱈目な軌道を描き回避行動に専念する。
初撃で鍔迫り合いになった時からずっと同じだ。
一角獣型MMSは悪魔型MMSに対し“手加減”している。
本来そんな余裕など一寸たりとも無いはず。だが明らかにウィンターは胸部や頭部など、急所を外して外装だけを破壊しようと照準をずらしている。
「遊びをやっているつもりか!?」
「わたしはホンキです!」
ウィンターとルシフェが同時に滑走路地帯のアスファルトへ足を付けた。
向けられる銃はジーラウズルイフ。トリガーが引かれる度に火薬が炸裂し弾丸が吐き出され、シリンダーが回転する。
強烈な打撃力を伴った弾丸は真っ直ぐにウィンター目掛け撃ちこまれていたが、目標は左右上下に跳ね回り予測させない動きで回避してみせる。
「ちょこまかと・・・!」
白い悪魔型がロークを盾に急接近し、左サブ・アームが握るクリーヴァの切っ先をウィンターに突き出す。
ビームマグナムを背面のアタッチメントに固定し、サーベルを抜き去る。
角度を付け構えられたシールド表面を切っ先が滑り、火花を散らせる。
刃が通り過ぎたシールド下部から上部に掛けて抉り傷が残された。
正面左から迫るビームサーベル。狙いは副腕だと思考するより半身を翻す方が先だった。
「あっ・・・」
空振りしたウィンターが左側近を飛び抜けてゆく。
完全に防御が崩れたその瞬間を、ルシフェが見逃す道理は無かった。
「沈め!」
両手で握ったディーカヤコーシカを振り下ろす。
「きゃあ!」
脚部とリアスカートに内蔵されているバーニアが噴射され、ウィンターの身体を強制的にルシフェと向かい合わせた。
右腕部のビーム・トンファーが基盤部分を回転させずにビームを発振させ、刀身を形成する。
「ん~~~~~~!!!」
閃光が明滅し干渉しあう刃と刃からスパークが迸る。
押し勝とうと一角獣型がブースターを全開にするが、ストラーフmk2の体躯を多い被せられている体勢からして物理的不利は否めない。
危険を感じたウィンターの思考をサイコフレームが読み取り、先んじて機体をその場から離脱させた。
弾き飛ばされたかの如く大袈裟に距離を取り合うウィンターとルシフェ。
大型拳銃とビームサーベルが睨みを利かせ合う。

「ルシフェさん!もうやめましょう!」
問いに対してディーカヤコーシカを向けることで応えとした。
「ほんとーは、ながさきさんがしんじゃったからさびしくて・・・」
「黙れ!」
続く言葉を断ち切った武装右脚が、汚れたアスファルトを砕き、亀裂を生じさせる。
単純馬鹿。
たった四文字で全てを表現し得る武装神姫はぶしつけで、直接的な言葉しか投げ掛けて来ない。
「私と貴方、争いを呼ぶ災厄を取り払って・・・」
「ルシフェさんはサイヤクなんかじゃありません!」
硬質な物体がウィンターの頭部左を掠め、白髪を空中に散らさせた。
だがウィンターは怯みはしたものの、後退する素振りも気配も見せなかった。
「貴方に・・・ヘラヘラ笑ってただのうのうと生きているだけの貴方に・・・
マスターを奪われた神姫の気持ちが解かるものか」
剣を握る指先が震える。

「自分の命どころか、世界を質にしたって釣り合うものでは無い。
この世でたった一つの宝石、生まれてきた意味、生きてきた意味を教えてくれた人を、おもむろに殺された神姫の気持ちが解かるのか!?
私に世界を与えてくれた人、全てだった人を失ってまでまだ生きている私を・・・」
「でも!!」
予想だにしない反駁に内情だけたじろぐルシフェ。
額にV字のアンテナを生やした神姫が握るサーベルから、光刃が消え失せる。

「でも、ぜんぶなくしちゃっても・・・・・・かなしいことがおおすぎるからって・・・かんじるこころまで、なくしちゃだめなんです・・・」

半歩ほど足が伸びるのを見たルシフェがロークのガトリング・ガンを向けた。
赤い燐光が先ほどより発光を弱め、サイコフレームの光も徐々に強みを失い始めている。
「えと、わたしはちょっぴりおばかさんだから、うまくいえないんですけど、
きっとマスターがいなくなっちゃったら、とっても、とーってもかなしいとおもいます!」
ジーラウズルイフのトリガーに掛けられた指は解かれることなく、まだかまだかと引かれる瞬間を待ちわびている。
「だから・・・だからルシフェさんまでしんじゃったら、ながさきさんは・・・!」
「仇討ちでは無いと言った!」
ルシフェが食らい付くのとウィンターがビームサーベルを発振させるタイミングは同時だった。
小剣が架裟斬りに振り下ろされ、サーベルが刃を押し留める。
正面から向かい合い両機が推進力で押し合う。
干渉波が稲妻となって炸裂し、足場とするアスファルトの大地が捲りあがり、長らく雪と氷に秘匿されていた土埃が一掃される。
「このちからをどーしていきることにつかえないんです!?」
「訳の解からない事ばかり、ぬかすなあああ!!」
「しんじゃうのはとってもこわいんですよ!しんだひとはつめたくて、うごかなくて・・・おしゃべりもできなくなっちゃうんですよ!?」
これでは伝わらないと本能で悟っていたが言葉が見当たらない。
ただただ直情的に、自らが感じたことを台詞として吐き出した。
「乙女チックな事を!」
重心をずらし込み刃を滑らせウィンターの最加重点を狂わせる。
持ち直す一瞬の隙間が鍔迫り合いの勝敗を別けた。
剣先でサーベル根元を絡め取り、巻き込む様にして弾き飛ばす。
獲物を奪われたウィンターは丸腰になった。
「貴方など!」
機体を飛び込ませ、サブ・アームの肩を一角獣型の胸部に叩き付ける。
「ぎゅ!」
CSCに直接叩き込まれた衝撃が視界と頭脳を揺さぶり、世界をノイズで満たした。
「殺しあうだけで!」
サブ・アームを引き戻す反動を乗せた膝蹴りがウィンターの腹部を確実に捕らえた。
「あ゛っ!?」
散る火花と衝撃音と悲鳴。
もろに攻撃を受けた機体が受身を取ることも出来ずに飛ばされ、一度二度とバウンドを繰り返し地面に転がった。
「角割れ、とんだ捨て駒だったな。こんなMMSで私を殺そうとしていたなど・・・私のマスターは貴方のオーナーを買い被り過ぎていた様だ」
ずるりと力が入らない腕が動き、立ち上がるべく全身重量を支える。
視界の隅に一歩を踏みしめながらこちらに寄って来る悪魔型武装神姫の姿が見えた。
「マスターじゃありません・・・わたしは・・・・・・じぶんで・・・」
「ならば迂闊だったな。だが、もうこれで・・・」
撃鉄が起こされる音が聞こえた。
果たして立ち上がったウィンターの瞳には、前髪の隙間からジーラウズルイフを構えるルシフェが在った。
「これで、貴方を殺して私が消えれば連鎖は断ち切られる。なにもかも」
一角獣。可能性の獣。馬鹿馬鹿しい。
意味不明な言葉を連呼するだけのなんの力も持たない只の武装神姫じゃないか。
或いは血迷って説教でもするつもりだったのか。
もう意味は無い。一撃で終わらせる。頭を砕いて、胸を斬り破って、CSCを抉り出して終わらせる。
ルシフェの内情を知ってか知らずか、よろめきながらもウィンターは相対する神姫を見据えていた。
[ 2012/03/28 01:39 ] [ 編集 ]

PSPから失礼します

(@セクターH13沖合い。停泊中のエクスシア艦橋)
ラナ「マスター、プロバスの件ですが・・・」
レイキャスト「ああ・・・あれは、聞かないでくれ・・・単純バカの招いた結果だ・・・」
ラナ「そうじゃなくて、その沖合いで演習を行う艦隊が確認されたそうです!」
レイキャスト「艦隊?所属は?」
ラナ「TOPOL隊とのことです」
レイキャスト「念のため、打電しておくか」

TOPOLさま>
レイキャスト「PONKOTSUインダストリー旗艦エクスシアよりTOPOL艦隊へ。現在、プロバスでは、戦闘が行われている。貴隊の演習の真意を問いたい」

(PL.本隊は任務と関係なく行動しようと思います)
[ 2012/03/28 14:05 ] [ 編集 ]

No need think about it, you do it or you die.

猛禽のごとく、まっすぐ斬り込んでくるグリーヴァ。ラクシュミとルシフェとの間合いは一瞬に無くなった。
レーザーキャノンを構えつつあったラクシュミは、発砲する事無くその砲身でグリーヴァを凌ぐ、はずだった。
だが、ルシフェの渾身の一刃は、ラクシュミのレーザーキャノンを輪切りにした。
この勢いで、さらに斬り込もうとしたルシフェ。
その視界に、ラクシュミの放り投げたレーザーキャノンの励振器が覆い被さって来た。

ルシフェ「!」

素早く身を引くラクシュミとルシフェ。
同時に、エネルギーの行き場を失ったレーザーキャノン励振器は、その場で光と熱を爆散させた。
二体の神姫の間に、大きな閃光と爆音が割り込む。それがそれぞれの視界を遮り、各センサーをも黙らせた。
閃光と爆音が、熱と噴煙に代わり、各センサーが機能を回復してきた。
しかし、”めくら”状態である事には代わり無い。
そこを突くかのように、噴煙の中から飛び出して来たラクシュミ。
ルシフェに向かって、レーザーソードを槍のように突き立てて、突進して来る。

ラクシュミ「気に入ってくれたかぁ?! この素敵な花火を、よ!」

ルシフェは、レーザーソードを叩き伏せるべく、グリーヴァを振り下ろす。
その時、ラクシュミはレーザーソードの刃先をわずかに捻った。
再び、火花と放電が二人の間に弾け飛んだ。が、弾け飛んだのはそれだけではなかった。

ルシフェ「! しまったッ!」

火花と放電以外に弾けとんだもの、それは、グリーヴァの刃だった。
だが、ここで怯まない。すかさず、ロークを撃ち込み、ラクシュミを牽制する。
一方のラクシュミは、スラスタを噴かして退避。過負荷に耐えられなかったレーザーソードを、
ポイッと投げ捨てる。

ラクシュミ「出力をサチらせて(飽和させて)これかよ。使えねぇな。」
ルシフェ「・・・貴様など、グリーヴァ無しでも片付けられる。
     来い! 貴様のCSCを粉々に砕いて、魚の餌にしてやる。」
ラクシュミ「くくくッ! その前に、アンタが”塩漬け首級になる”ってのが抜けてるぜ、このど阿呆!」
ルシフェ「その言葉、そっくりそのまま返してやる。マスターへの手土産には安すぎるがな!」
ラクシュミ「ほー、殊勝だな。なら、最後に一つ聞いとくぜ。”アンタの墓にゃ何て書けばいい?”」
ルシフェ「墓が必要なのは貴様だッ!」
[ 2012/03/28 18:48 ] [ 編集 ]

射突剣、銃、そして赤い双刃・・・それが明星の武器。4本の腕というアドバンテージは間違いなく脅威。対抗する為には、まずバックユニットの腕を破壊してしまう必要がある。特に射撃武器を潰すのが急務だ。
「とりあえずまぁ、ブッ壊すしかねーな」
「やれるものならやってみろ!」
ファイズエッジを持ってルシフェに突撃していく黒髪のジールベルン。左右の動きで銃弾を避けつつ、数発を胸部装甲にうけつつも肉迫。
「そらそらそらぁ!!!」
そして左斜め上に飛び上がるジールベルン、狙うは・・・右福腕の銃。
「くッ!」
コーシカの斬撃をファイズエッジで受け流し、返す刀で右副腕の銃を切り裂く!

「・・・やってくれたな、だが負けん!」
「来いよ、残りの三本腕の武器もダメにしてやろうか?」
「ほざくな!!!」
[ 2012/03/28 19:54 ] [ 編集 ]

《ZERO》 by ファティマSide

 ノインテーターを鋏状に展開し、更にホーンスナイパーライフルを乱射しながらファティマは突撃した。このまま一気に畳み込む。
 だが、ルシフェの方が少し早かった。ファティマの間合いに入る前に後退しながらホーンスナイパーライフルの射撃を受け止めながらジーラヴズルイフを連射してきた。ファティマも防弾クロークの効果を信じながら多少のダメージは覚悟の上でそれを受け止めながら突進したのだが……。

『ビシィッ!!』

 何と、ジーラヴズルイフの弾丸が左手のロッターシュテルンに命中してしまい、刀身が砕け散ってしまった。だが、ファティマは動揺を隠しながら、ルシフェの両腕を鋏で掴んだ。
 鋏で何とか動きを取り抑えると、ルシフェのグリーヴァを右副腕のジークムントで受け止めつつ、ファティマはルシフェの顔面を殴りつけた。それ自体に大きな威力は無いものの、そうしなければこみ上げる思いを止めることができなかった。
「こんな、無意味な事をさせないで!! 世界に必要かどうかなんて、あなたが決めることじゃない!! だから、互いに生き延びて、生きてきた意味を見出さなければ、どうしようもないのに!!」
 ルシフェの頭頂部、頬、顎などを徹底的に殴りつけるファティマ。一発ずつ殴りつける度に掌に鈍い痛みが返ってくる。それは自分が相手を傷つける痛みであり、ルシフェ自身が抱える痛みのようだと錯覚した。
「調子に……乗るな!!」
 徹底的に顔面を殴りつけられたルシフェは激昂して、ファティマの鋏から逃れると同時に素早くコーシカで斬りつけてきた。振りほどかれた事を察知してファティマはすぐに距離を取って逃れようとしたが、防弾クロークごと胸部を浅く斬られてしまった。
 然しファティマは、破損してしまったロッターシュテルンの代わりにピアッシングウィップを取り出すと、胸部を斬られると同時に真横にウィップを薙ぎ払い、ジーラヴズルイフを弾き飛ばすように破壊した。
 そして互いに傷つき一つずつ武器を失いながらも、膠着状態に陥ってしまった。
 だが、ルシフェは何故かにやりと不適に笑いかけてきた。
「時間だ」
 ファティマはその笑みと言葉に嫌な予感を察知すると、遥か遠くのプロバス要塞の方から何か大きな音が響いてきた。廃棄された筈の要塞が何故今更になって動いているのか。ファティマのCSCの鼓動が高鳴る。
 そして、ルシフェの背後に見える要塞から、細長い筒状の物体が煙を上げてゆっくりと上昇していった。その物体の高度はどんどん上がっていく。そんな、何故あのようなものをルシフェが持っているのか。
 明らかな動揺が表情に出た時、ルシフェが答えた。

「嘗てテロリストがこの要塞から奪取しようとしたものは、あれで全部ではない。だから、私が世界から消える前に、マスターの犠牲となったくだらない人間がいるこの歪んだ世界を“ゼロ”にする為に使わせてもらった」

 今のルシフェに失うものは何も無い。帰る場所も家も、唯一の心の拠り所であるマスターも、何もかも。だから、これ以上何を失っても怖くはなかった。故に、一つの世界を消し去ることに躊躇すらなかった。
 ファティマは一瞬、それを信じることが出来なかった。が、ルシフェの背後の遥か上空へと昇っていくそれは、紛れも無く人類史上最悪の兵器だった。“くだらない誰か”が誰であれ、それを消し去る為にずっとここに潜んでいたのだろうか。
「貴様の高らかな説教で随分と時間を稼いでくれた。感謝するぞ。そして、血に塗れた共喰いを再開させてもらう!!」
 この瞬間の為だけに自分は利用されていたというのか。この世界に必要ないとか穢れた狂犬だとか言いながら、本当の目的はこれだったというのか。この殺し合いは一体、何だというのか。
 だが、ファティマには一つだけ分かったことがあった。
 怒りの矛先を定めたファティマはルシフェを鋭く睨みつけた。右副腕にジークムントを、左手にはウィップを、そして右手にはライフルの代わりに、ラナン=シーから託された“ジュワユーズ”を構えていた。
「あなたは……あなたはもはや狂犬ですらない! マスターを喪って、優しさも大事な価値観までも失った、ただの殺戮マシンじゃないの!! そんなあなたに、わたしが負ける筈はない!!」

 ――絶望の始まりまで後3分。
 どこからか、とても小さな謳が響いてきた。
 然しそれは今の二人の耳に入ってくることは無かった。


《脅迫》 by ブエルSide

 四足形態となっているブエルが雪で覆われた滑走路を疾駆しながら、サジタリウスでルシフェを迎撃していた。然し、距離を取りながらの迎撃は致命的な打撃を与えることは出来ず、戦況は膠着しかかっていた。
「ええい、逃げてばかりで愚弄しているのか!!」
 ルシフェはいらいらしながらジーラヴズルイフとロークのガトリングガンを連射してブエルを少しずつ追い詰めていた。然しクロスレンジ用の武装で重点的に固められている以上、ルシフェが持つ銃器は決定打を与えるものが少ない。更にブエルの四足による極めて軽快なフットワークは思わぬタイミングで切り返しを行うため機動を予測しづらかった。その為にほんの少し掠る程度でやはりダメージを与えることはできていなかった。
(「何とか痛いのをお見舞いしたいところですね」)
 この状況はブエルにとって好機であると言えた。ルシフェが先の発言に激昂して無駄弾を使っていれば、自ずとチャンスの方からやってくる。何としてでも狂乱しているルシフェに強烈な一撃を当てたいところだ。
 ブエルは四足を活かして更に疾駆し続けてルシフェの銃撃を回避した。
「ちょこまかと……!」
 ルシフェはジーラヴズルイフを硬く握り、更に銃撃を試みる。然し、ブエルはジーラヴズルイフの銃口を見て着弾地点を割り出し、巧みに回避していた。そのような芸当は流石にSSランクと対峙しようとするだけの事はあった。
 そして、チャンスが来た。

『カキン』

 ジーラヴズルイフから発せられたのは発砲音ではなく金属同士が噛み合う音だった。
「弾切れか!」
 ルシフェはジーラヴズルイフを捨て、代わりにグリーヴァとコーシカを振りかぶって突進してきた。するとブエルは、サジタリウスの尾部に更にもう1丁のイクシオンを連結すると、同時にぐいっと身体を大きく捻って反転し、ルシフェと向き合った。
 ブエルが狙ったのはクロスレンジの寸前となる距離での反撃だった。それを成功させる為にも、鬱陶しいジーラヴズルイフを捨てさせる必要があった。
「避けられると思わないで下さいね!」
 焦れに焦れて突進してきたルシフェを、ブエルは巨大な“弩”で狙った。そして、極限に高められたビームがルシフェに直撃する――!!


 “弩”の光が止むと、そこに立っていたのは“弩”の基部を斬られたブエルと、リアパーツごと副腕を失ったルシフェだった。
 ブエルの“弩”の一撃が直撃する寸前にルシフェはぎりぎりのところで致命傷は避けたらしい。然し、高出力ビームの余波はルシフェを大きく焦がしていた。
「当てられると思ったのですがねえ」
 斬られた“弩”を捨てて代わりに、ハダルとアゲナを抜き払った。ブエルは残念そうだが、副腕ごとリアパーツを破壊することが出来たのは大きかった。
 ルシフェはブエルから一旦離れてコートとコーシカを構えると、何故か不適にもブエルに笑いかけた。
 ブエルがその奇妙な笑みに只ならぬ悪寒を覚えると、ルシフェは告げた。
「それでも、貴方は勝つ事は許されない。何故なら……」
 同時に、プロバス要塞の方角から何か大きな駆動音が聞こえてきた。何故今更、廃棄された筈の要塞が起動しているのか。
 これは何だ。とても嫌な予感がする。
 するとブエルの頭脳にノルンの声が響いてきた。
『ブエル、プロバス要塞の隠されたミサイルサイロの起動を確認したわ。弾頭は、戦術核よ!』
「何ですって!?」
 信じがたい言葉にブエルが驚愕すると同時に、ルシフェは二刀流でブエルに襲い掛かりながら続きを答えた。

「私が倒れた時、核ミサイルは発射される! 着弾地点はどこであれ、貴方の勝利の代償は無辜の民だ!」

 ルシフェは高らかに笑いながらブエルに更に襲い掛かってきた。ブエルはハダルとアゲナの二刀流で何とか攻撃を捌きながら叫んだ。高振動ブレードが擦れ合い、刃が交わるごとに甲高い音を立てた。
「つまらない小芝居を仕組んで……初めから僕が負けるように仕組んだというのですか!」
「言った筈だ、私も貴方もこの世界に必要ないと!! 貴方を仕留める為なら何だってしてやる!!」
 ルシフェの瞳には明らかな狂気の光が宿っていた。
 ここでルシフェを倒しても倒せなくても、あの戦術核は発射されてしまうだろう。
 どうすればこの状況を打破できるか。ブエルは大きな選択を突きつけられていた。
(「あの瞳、助ける為に用いたかったものですが……」)
[ 2012/03/28 21:36 ] [ 編集 ]

――――  旧プロバス要塞近海 上空  ――――

アードラ「、、、、、居たぞ。11時方向、高度2100。数は、、、、、2。高度2300にもう1機」
ジークリンデ≪どちらを先に叩きますか?≫
アードラ「2100の2機を叩く。推力降下で敵編隊を崩した後、高度50まで降下して〝追い込み漁〟を仕掛ける」
ジークリンデ≪残りの一機は?≫
アードラ「指揮官同志は激戦をお望みだ。残りの一機はじっくり料理するぞ」
ジークリンデ≪Jawohl!≫
アードラ「では行こうか、ジーデ。イワンに格闘戦を教えてやろう
QWAOOOOOO―――――!!



スヴェートカ「あのミサイル網を潜り抜けたか、、、、、さすがね」
マリア≪どうしますか!?≫
スヴェートカ「想定内だ、問題ない。小隊各機、無線を切れ」カチッ
マリア「ッ!」カチッ
ヴァローナ「・・・・・」カチッ
スヴェートカ(連中は推力降下で編隊を崩しにくる。此方も急降下で応えるぞ)スッ スッ クイッ (ハンドサイン)
マリア(はいッ!)グッ
スヴェートカ(ヴァーニャ、お前は猟犬だ。敵2番機を追い回せ)クイッ クイッ グッ!
ヴァローナ(任せてください)グッ
スヴェートカ(敵は手強いぞ!指揮官同志を失望させるな!)グイッ! スッ スッ
ヴァローナ(了解!)グッ!
マリア(了解!)グッ!
スヴェートカ「行くぞ!小隊、前へッ!!」
マリア「はあああぁぁぁァッ!!!」
ヴァローナ「ッ!!」ニヤッ
QWAOOOOOOM!!



――――  プロバス要塞沖合400km TOPOL傭兵団艦隊 旗艦『マイ・ヴァン・クォン』  ――――

通信官B「【グバルディヤー】と【ブリッツ】、座標D2-3、高度2300で格闘戦に入りました」
TOPOL「どちらが勝つと思う?」
テュルパーン「私には分かりかねます、、、、、戦力としては同等ですから、良い勝負なのでは?」
兵D「同志司令、レイキャスト艦隊から本艦隊宛に通信です」
TOPOL「読め」
兵D「≪「PONKOTSUインダストリー旗艦エクスシアよりTOPOL艦隊へ。
現在、プロバスでは、戦闘が行われている。貴隊の演習の真意を問いたい≫

、、、、、以上です!」
TOPOL「嗅ぎ付けるのが遅いな。それとも泳がされたか?
レイキャスト艦隊に返信、≪本艦隊の演習内容は機密事項であり、貴隊の質問には返答しかねる≫
、、、、、以上だ、送れ!」
兵D「Есть!」
TOPOL「『キリール・モスカレンコ』に打電、≪無線封鎖を徹底せよ。ECM出力上げ、ECCM展開≫。
″敵〟のレーダーを寄せ付けるな。演習の邪魔だ」
通信官A「ッ!同志司令!『キリール・モスカレンコ』から緊急電です!
≪プロバス要塞内部、戦略ロケットサイロの機動を確認。発射態勢に入った模様≫ッ!!」
テュルパーン「なんですってッ!!?」
TOPOL「ほう、、、、、カタリナかナガサキか、それとも『赤い広場』か?」
テュルパーン「如何しますかッ?!」
TOPOL「、、、、、我々は、プロバスの飛行場で行われている任務には参加していない。一切手出し無用だ」
テュルパーン「しかし、それでは最悪の場合、ミサイルが、、、、、!!」
TOPOL「我々には関係ない事だ。任務を受けた傭兵連中も、最悪の事態も想定して行動してるさ
テュルパーン「ッ、、、、、」
TOPOL「追い込まれた奴ほど、何をするか分からんものだ。″窮鼠猫を咬む〟だよ。ヤポニの諺だ」
テュルパーン「、、、、、了解しました。いささか興奮していたようです」
TOPOL「いや、気持ちは分からんでもない、、、、、火の粉は振り払うぞ。艦隊、対空戦闘用意!」
テュルパーン「ハッ!艦隊、対空戦闘用意!」
兵D「艦隊、対空戦闘用意!!」
ZIRRRR――――――!!
TOPOL「本艦隊上空に飛来した場合のみ迎撃しろ。兵器長、訓練の成果を見せろよ?」
兵C「Есть!」



報告
TOPOL傭兵団、演習継続中。





Qualさま
其方のネタ(?)に勝手に乗らせて頂きました。申し訳ありません。
[ 2012/03/28 23:08 ] [ 編集 ]

ルシフェ「ふざけるな!」

姿勢を低くしたまま立ち上がると、自分を見下ろしているガスマスクの神姫の懐へ、ディカヤコーシカを突き出しながら飛び込む。
ニコルはそれをライオットカノンで防ぎ、素早いバックステップで距離を取る。
そして、使い物にならなくなった銃を捨てると、背負っていた鉄パイプを抜く。

ニコル「AIの生み出した擬似感情に溺れ、衝動に身を任せて戦い続ける。さっきの攻撃だって、いつものあんただったら容易に避けられたはずだ。だが、今の状態じゃ無理だろうな。…〝狂犬〟に成り下がっちまったんだから。」

ルシフェ「黙れ!貴様に何が分かると言うのだ!?我がマスターを見捨てた男の飼い犬風情が!!!」

ニコル「見捨てた?ウチの隊長から勝手に離れたのは、あんたのマスターじゃないか?そして勝手に問題抱え込んで、勝手に自分の首絞めて、勝手にくたばったんだろ?自業自得じゃないか。そもそも、あんたが制止すれば良かったって話だろ。」

ルシフェ「可能ならば、そうしたかった。だが、私は神姫…マスターの意思に従うより他は無かった。だからこそ貴様のマスターに、『我がマスターを側で支えて欲しい』と頼んだのだ!それなのに…それなのに!」

青い瞳に一筋の涙を浮かべ、白い悪魔が再度迫り来る。
何度も不規則に繰り出されるディカヤコーシカを、ニコルは鉄パイプで受け流し続ける。
暫くの間、激しくぶつかり合う金属音だけが、夕闇の滑走路で鳴り響く。

ルシフェ「どうした?防ぐのがやっとか?射撃の腕前は相当なものだが、接近戦は苦手のようだな!いい加減に…私の前から消え去れ!」

改心の一撃がガスマスクを切り裂き、その中から、特殊部隊の素顔が現れる。
ルシフェと同じ青い瞳が、冷たく光る。

ニコル「…苦手?喧嘩は私の十八番だぜ、お嬢さん。」

ルシフェ「何だと?虚勢を張るとは見苦しいぞ!」

ニコル「焦るな。今、教えてやるよ。」

それまで無表情だったニコルの口元に、初めて、笑みが浮かぶ。
そして、後ろに宙返りをすると同時に、手榴弾と閃光弾のピンを片手で外し、ルシフェの足元に放り投げた。
[ 2012/03/28 23:27 ] [ 編集 ]

PSPから失礼します

TOPOLさま>
レイキャスト「機密に付き、応答しかねる、か・・・」
ラナ「どうしますか?」
レイキャスト「単なる演習なら、言い方も・・・」(突如として鳴り響くサイレン)
レイキャスト「どうした!?」
ラナ「プロバスより、高熱源体の射出を確認!巡航ミサイルと思われます!!」
レイキャスト「まずいぞ、ルシフェの狙いはそれだったか!ルカ、スクランブル頼めるか!?」
ルカ「了解しました。直ちに出撃します!」
(リニアカタパルトでルカと、なぜかキャサリンが出撃していった)

Qualさま>
(PL.自分もそちらのネタに乗らせていただきます。ご迷惑でしたら、すいません)
[ 2012/03/29 09:07 ] [ 編集 ]

銃を潰した。後は超接近戦、ガチで潰しあうのみ。
「お前を喰ってやる!そして・・・終わらせる!」
凄まじい気迫を纏い、向かってくる明星。両の腕から繰り出される斬撃と左サブアームによる刺突。黒髪のジールベルンはそれをファイズエッジで弾き、打ち払う。
「どうした・・・喰うんじゃなかったのか?」
「黙れぇ!!」
挑発し、攻撃を荒くさせる。よりいっそう激しくなる斬撃、だが同時に『荒く』なってもいる。
(だいぶ受けやすくなったな。っても一撃の威力は増してきてやがる・・・・・一瞬たりとも気が抜けねぇ)
台風のような斬撃に、防戦一方のジールベルン。受けつつも僅かな隙を探る。
「はあああああぁぁぁぁあああ!!!」
「・・・!」
そして見つけた、台風の目。
突き出されるパイルバンカー。
左に身をそらす。
右腕での斬撃。
右前方へ回避、そして超至近距離へ。そこは刀はおろかストレートパンチさえも有効活用できない距離。
左腕で明星の右肩を掴む。そして・・・


「っらあ!!!!!」

頭突き。
強烈な、頭突き。

そして飛びずさる黒髪のジールベルン。
明星は頭の痛みに呻く。

「っ・・・やってくれたな」
「まあな・・・・・とっておきを見せてやる」
[ 2012/03/30 00:01 ] [ 編集 ]

疼 -UZUKHI-

黒い大鷲が舞う。

名前を奪われ、仲間を奪われ、無念を晴らすと願う大鷲が舞う。

白い悪鬼が舞う。

主人を奪われ、愛を奪われ、全てを無に帰すと誓う悪鬼が舞う。

2機は螺旋を描いて、上へ上へと飛ぶ。銃弾を交え、悪口を交え、雑言を交え、互いを否定する為に命を燃やす。

大鷲は許せなかった。自分から名を、仲間を奪った悪鬼が許せなかった。
このままでは死に切れぬ。自分を拾ったあの男が新たな主となるならば、ここで無念を晴らさねば
自分はきっと、生まれ変わることが出来ない。

悪鬼は許せなかった。自分から主を、愛を奪った世界全てが許せなかった。
このままでは浮ばれぬ。だからせめて、ここで終わらせる。戦いを求める者を、暴力を求める者を
今ここで滅ぼし、そして己も自害しよう。

大鷲は再生を求めた。悪鬼は滅びを望んだ。

二人は全てを奪われた。だが、求めたモノは間逆。

二人は似ていた、似過ぎる程に似ていた。故に、お互いが……許せなかった。

「はぁああぁ―――ッ!!」

黒い大鷲が叫ぶ。漆黒の剣を構え、空の王者が猛る。

「ぅおおぉぉ―――ッ!!」

白い悪鬼が啼く。紅蓮の刃を携え、復讐の鬼が狂う。

上から下へ、下から上へ。8の字を描きながら、刃と刃をぶつけ合う。
火花が散り、刃金が擦れ、怒号が飛び交い、血の如くオイルが舞う。

「女々しくてよルシフェ。その様な主と神姫に壊された同胞が死んでも死に切れませんわ…――悪鬼、死すべしッ!」
"名無し”が上から襲い掛かる。漆黒の剣を大上段に振りかぶり、落下の勢いを刃に乗せる必殺の太刀。

「囀るな"名無し"。カタリナの走狗が、傭兵に鞍替えとは恥を知れ、薄汚い売女がッ…――荒鷲、滅ぶべしッ!」
ルシフェが下から迎撃に向う。紅蓮の刃を白い巨体で隠した、太刀筋を読ませぬ玄妙の魔剣。

共に、体力気力そして推進剤は限界。故に、次の一手が最後。
どちらかが生き、どちらかが死ぬ。もしくは…どちらも死ぬ決死の一撃が、交錯する。

「私は生きる!それが…生き残った私の、"最後の荒鷲"の役目なのだからッ!」
「私は滅ぼす!貴様らの様な外道を滅ぼしつくすのが、マスターへの手向けッ!」


「「うぉおおおおお―――ッ!!!!」」


刃金と刃金がぶつかり合う音が響き、陽の沈んだ藍色の空に、破片とオイルの花が咲く。


最後の一撃を制したのは……


「言った筈、でして・・よ・・・私は、生きると・・・っ」

"最後の荒鷲”、その人であった。左半身を、グリーヴァの一撃でごっそりと抉られ、自慢の
フライトユニットも片肺。ぼたぼたとオイルが毀れ、抉られた手足からは、紫電が散る。
だがそれでも、彼女は致命の一撃を避けていたのだ。

「……これからを、生きるか・・・ここで死ぬか…。これも道理です、ね。……最初から滅ぶ事を
願う私が……"生きる"事を諦めた私が、勝てる道理はありません、でした、か・・・」

ゴボゴボと咳き込みながら、ゆっくりと滑落していくルシフェ。見れば、漆黒の剣は彼女の胸…CSCに
深々と突き刺さっている。明白な致命傷、CSCを貫かれて、絶命せぬ神姫など居ない。

ルシフェは泣き笑いのような表情を浮かべる。それは、主の無念を晴らせなかった悔しさに
歪んだようにも、もう居ない主の下へと旅立てると喜びに破顔したようにも見えた。

ゆっくりと、ゆっくりと…ルシフェは堕ちていった。奇しくも、彼女の二つ名"明星"の逸話の如く。
輝く星は、暗い暗い海の底へと堕ちていく。それを、"名無し”は最後まで見届ける。
目を逸らさず、しっかりと・・・二度と忘れぬと言わんばかりに、その瞳に彼女の最後を焼き付けた。

かくて、復讐は成った。だが、彼女の心に去来するのは…少なくとも、歓喜でも安堵でも
無い事は確かである。いうなれば、空虚。だが、それも良い。
この身を突き動かして居たのは亡霊だ。無念を晴らした亡霊は消えるべきなのだ。

のろののと不恰好ながら。彼女は踵を返し、飛び去っていく。
これから、どのような出会いが有るのだろう。どのような戦いが有るのだろう。
あぁ、その前にまずは・・・・

「…名前を、つけて貰いませんとね? 下手な命名は許しませんわよ、オーナー?」

"名前をなくした雛鳥”が飛ぶ。彼女の前途に何が待ち受けているのか・・・それは、まだ誰にもわからない。

<劇 終>

そんな訳で。31日が期限なので、「自分の」ルシフェさんとの決着はこのような形になりました。
題名の通り、某創作物を意識した内容となりましたが如何でしたでしょうか。
他の皆様と"ルシフェ"嬢の物語がどのような結末を迎えるのか…楽しみにしております。
それでは、乱筆乱文失礼致しました。それではまた、別の機会に。
[ 2012/03/30 22:28 ] [ 編集 ]

(注:何でかネタに便乗してくださっているTOPOL様とレイキャスト様へ。
 TOPOL様の場合はまだ“サイロが起動しただけ”の状態なのでブエルSideをご参照ください。レイキャスト様の場合は“既にミサイルが発射されてしまった”状態なのでファティマSideをご参照ください。ファティマとブエルの二人の戦いは平行世界的なもので、それぞれ別々の戦いが同時進行しているものとして捉えてください)


《絶望に響く声》 by ファティマSide

 ――絶望の始まりまで後、2分57秒。
 ――xA harr hLYUmLYUmOrO eje/.

 初めに、ファティマの“ジュワユーズ”とルシフェのコーシカがぶつかり合った。互いにそれを弾いたと思ったら立て続けにルシフェのグリーヴァが襲い掛かる!
「あなたと私とは鏡のようなものだ」
 ルシフェは呟くように言った。
 襲い掛かるグリーヴァを、ファティマはジークムントを真横に構えて受け止め、左手に持ったピアッシングウィップを薙ぎ払って反撃を試みた。ウィップの鋭利な先端がルシフェ目掛けて靡くようにして振るわれた。
「向かい合って初めて本当の自分に気付く」
 ルシフェは後退して回避を試みようとするものの、振るわれたウィップは左腕を薙ぎ、斬り落とした。が、後退した直後にルシフェはグリーヴァを真っ直ぐに構えながらそのまま前へ大きく踏み込んで神速の突きを繰り出してきた。
「似てはいるが、正反対だな」
 ルシフェのその台詞を言ったとき、ファティマはその真意を少し理解したような気がした。同じような生き方をしてきて、互いに見つめれば実は対照的な存在だった事。それは正しく、鏡だった。
 ファティマは神速の突きを防ぎきる事は出来ないと察知し右へ避けるが、ルシフェのグリーヴァはファティマの左副腕を奪った。然しファティマも負けじとジークムントを袈裟懸けに払い、グリーヴァの刃をへし折った。

 ――絶望の始まりまで後、2分36秒。
 ――xA sorr mLYOrArA du sphaela/.
 
「だからと言って、あなたを認めない! 認められるわけがない!!」
 至近距離で振るわれるコーシカを“ジュワユーズ”で受け止めながらファティマは叫んだ。鍔迫り合いしながら半歩後退し、コーシカの刃を受け流すと同時に即座に“ジュワユーズ”で斬りかかった。が、ルシフェはコーシカの刃を返してすぐにその刃を受け止めた。
 そして暫く鍔迫り合いが続いたが、膠着状態を悟り互いに後方へ跳び距離を取った。
「ならば何故私を消しに来た? 報酬と殺し合いが全ての狂犬が何故、ここに来た!!」
 ルシフェは怒鳴るように叫びつつ、左副腕を後ろに引きながら装着されたロークをチャージして突撃してきた。
 ファティマは即座にノインテーターを鋏状に展開し、ルシフェのロークが突き出された瞬間に身体を捻り、右の鋏を前に伸ばして受け止めた。そしてそのまま鋏に出力をかけると、ロークはピキピキと嫌な音を立ててそのまま砕け散った。
「報酬なんていらない。殺し合いなんて出来れば避けたい。わたしは真実を求めに来ただけ!」
 ロークを破壊した鋏をそのまま固定して、ファティマは左の鋏でルシフェの右副腕を掴みかかった。だが、それは容易く見切られてしまい、副腕で受け流されてしまった。
 そしてそのまま、ルシフェの右副腕がファティマに襲い掛かる!

 ――絶望の始まりまで後、2分19秒。
 ――xN rre hLYImLYUmOrO a.u.k. zess quesa/.

 ファティマは即座に右の鋏を放して回避を試みたが、ルシフェの右副腕はファティマの左腕を掴んだ。同時にコーシカで斬りかかってきた。
「その真実を求めるために何人もの命を奪ってきた? そのような御託を並べようと、所詮は奇麗事に過ぎん!!」
 襲い掛かるコーシカを“ジュワユーズ”で受け止める。が、掴まれた左腕に重たい力が掛かってきた。そして肩に凄まじい負荷が掛かってくる。
 そしてそのまま、ルシフェの右副腕はファティマの左腕をもぎ取った。神経の束を食いちぎられたような強烈な苦痛がファティマに襲い掛かり、思わず顔を歪めた。
「ぐぅ……けどそんなの、人々に恐怖を与えるあなたが言っていい台詞じゃない!!」
 が、ファティマは負けじとノインテーターの鋏で千切らんばかりの力を込めて、ルシフェの両副腕を掴んだ。そして、あらんばかりの力を込めて“ジュワユーズ”を振り下ろし、コーシカに叩き付けた。
 “ジュワユーズ”が名剣であったことの差か、ルシフェのコーシカの刃にひびが入り、そのまま砕け散った。
「何っ!?」
 ルシフェの顔が驚愕に染まった。最後の武器らしい武器を失ってしまった事。そしてファティマの底知れぬ力に、初めて恐怖していた。
 そしてファティマは、“ジュワユーズ”を構えるや否や、

「わたしは真実を求める。わたしは、この世の醜いものと悪意と映し出す!!」

 ――絶望の始まりまで後、2分2秒。
 ――xN rre hNmNmNrN ayulsa/.
 ――xN rre hNmNmNrN ayulsa/.
 ――xN rre hNmNmNrN ayulsa/.
 ――xN rre hNmNmNrN ayulsa/.


 ルシフェの肩から脇腹にかけて、一気に剣を振り下ろした。
 一瞬の間が空き、ルシフェの身体から力が失われた。ノインテーターの鋏から逃れようとしていた副腕から力が失われ、鋏から自然と腕が抜けた。
「愚か……な……」
 ファティマの最後の一閃が、ルシフェの上半身をばっさりと斬り離した。そしてルシフェは、赤い機械オイルを吐きながらバチバチと放電し前のめりに崩れ落ちた。

 この瞬間、狂犬を自称した『明星』は、真実を求めに来た戦乙女に討たれた。
 然し、これで全ては終わったわけではない。ルシフェがどこかの地域目掛けて放った戦術核が、大気圏を突破しようとしているのだ。
 時間がない。そう悟った時、ファティマはノインテーターをノーマルモードからフリューゲルモードに切り替えた。次に、先の戦いで切り離された左副腕に付けられたクリスタルシールドのアルヴィトを拾い上げると、右手で何とか右副腕に持つジークムントの柄に繋げた。
 巨大な槍となったそれは、本来はアルトレーネが使用できるゲイルスケイグルである。アルトアイネスのファティマが使えるようにはなっていない筈だった。
「これで、何とかしてみるしかない……!!」
 然し、ファティマは大きな確信をもってそれを右副腕に持たせると、フリューゲルモードの黒き翼を大きく広げ、放たれた矢の如き勢いで天へと上昇していった。

 ――絶望の始まりまで後、1分34秒。
 ――xA harr vIsIkI dauza/.
 ――xA harr tAhAsA siann/.
 ――xA harr lAkAkA maen/.
 ――xA harr hAmmrA byui eje/.




《敗者》 by ブエルSide

 ブエルのハダルとアゲナ、ルシフェのコートとコーシカが交差し、甲高い音を立てていた。鋭利な刃は幾度と無くぶつかり合い、互いに一歩も譲らぬ展開となっていた。
 自分がここでルシフェを倒せば、戦術核がどこか目掛けて発射される。ブエルに課せられた目標は“ルシフェを止め、戦術核の発射を阻止”、その二つを両立する事だった。
 互いに剣を交わしているその最中、ブエルの頭脳にノルンからの通信が割り込んだ。
『分析が完了したわ。ルシフェのコアユニットからミサイルサイロへの信号波を確認。彼女が戦術核の発射の鍵となっているようね』
「やはりですか。やるしかないのですね』
 そう呟くとブエルの“瞳”が妖しく輝いた。

「大事なものを背負って戦っている人々はよく見てきましたが、戦術核を背負う方がいるとは思いもしませんでした」
 ブエルは右手に持ったハダルとルシフェのコーシカを交わし、泰然自若とした様子で言った。窮地に立たされながらも調子を崩さずにいられるのは熟練の戦士故というよりも、ノルンの従者としての礼節故だった。
 ルシフェはブエルのハダルを弾き、左手に持ったコートで突きを繰り出してきた。ブエルは身を捩ってそれを何とか避けた。
 少し姿勢を崩したブエルに、コートとコーシカによる連続突きで追い討ちをかけてきた。だがブエルも瞬時に身を屈めつつ、ルシフェの顔を睨みながら腹に低い蹴りを叩き込んで数歩後退させた。
 その隙にルシフェ目掛けてハダルを振り上げようとしたが、ルシフェは返した刀でそれを受け止めた。
「ふっ、どうした? 防戦する一方だな。そんなに戦術核が恐ろしいか?」
 自らの圧倒的有利を悟り、ルシフェはブエルを挑発した。
 が、そう告げられたブエルはルシフェの期待を裏切ったものだった。
「恐ろしいのはあなたのそのような考えです。自らの為に罪無き命を盾にされるのですね」
 それでもブエルは悠然とした調子を保っていた。この世界のどこかの無辜の民を天秤にかけられているにも係わらず、それでも冷淡に。
 明らかな不利を悟りながらも飽くまでも泰然としていられるブエルに、ルシフェの苛立ちが少しずつ高まっていった。ハダルをコーシカで押し返して鍔迫り合いとなる。互いに睨み合いながらも決定打を与えられない戦いに心が焦れていくようだった。
「……そこまで分かっていて、何故余裕でいられる? 勝利が恐ろしくないのか?」
 するとブエルは思わず目を丸くしながら答えた。
「何を馬鹿な事を。あんなものを使わせないように勝てばいいだけの事です。そうすれば恐れるものなどありません。単純な事ではありませんか」
 その答えは極めて単純にして明確。然しブエルはそれで嘲る様子も無かった。
 だが逆に挑発されたように感じたルシフェは、苛々しながらその思いを刃に変えてブエルにぶつけてきた。
 コートとコーシカを振り回し、叩きつけるように打ち込んできた。然し緒戦で見た迷いのない剣筋とは比べ物にならないほど、今の剣は荒れきっていた。
「ふざけるな、寝言を言っているのか!!」
 互いの剣がぶつかり合い金属音の悲鳴を上げていた。やや歪んだその音はルシフェの心境そのものだった。
 それに対し、ブエルが打ち込む剣は高振動ブレードならではの甲高い音だが、然し濁りが無かった。
「寝言を仰っているのはあなたですよ。敵を倒すという事は、何も主に弱点を狙って攻撃し完全破壊するということとは限らないのですから」
「何……!?」
 ルシフェの太刀筋に迷いが生じた。ブエルはそれを見逃さず、疎かになった左手のコートを叩き落した。そして更に突きと斬りを交えた攻めを仕掛けて、驚愕しているルシフェを一気に追い立てた。
 必死な様子のルシフェが防戦に徹する中、ブエルはルシフェの顔を見つめながら堂々と言い放った。

「あなたはそもそも、僕を相手にこのようにして戦いを挑んできた時点で、既に敗北しているのですよ」

 ブエルは相も変わらず淡々とした調子だった。然しその言葉は明らかな確信に満ちていた。
 勝負を挑んだ時点で敗北しているなど、どのような実力者が言える言葉であろうか。然し、ブエルの独特の調子に少しずつ焦らされてきていたルシフェは遂に激昂した。

「貴様ぁぁぁぁぁぁ!! 敗北を認めろ!! すぐだ! 今すぐにだ!! 認めなければ今から核ミサイルを発射してやる!!」

 理性の箍が外れたルシフェは獣の心をむき出しにして叫んだ。
 だが、ブエルは極めて簡単な言葉で答えた。

「残念ですが、僕が勝者です」

 そう言ったブエルの瞳が再び妖しく輝いた。
[ 2012/03/30 22:55 ] [ 編集 ]

失踪する銀光

「まあな・・・・・とっておきを見せてやる」
そう言い放つと共に不敵な笑みを浮かべるジールベルン。
おもむろに左手首スペーサーに取り付けられた腕時計らしきものからメモリーカードらしきものを取り外し、それを腰の携帯らしきもののソレと交換する。
「一気にケリつけてやる!そんでもって・・・

お前を助ける!」
そう叫ぶと共に、体に走っている赤いラインが銀色に変化する。

「救うだと・・・私を?世迷言をほざくな!」
ルシフェが激昂し、双刀を構えて向かってくる。




「世迷言なんかじゃねぇよ。・・・ほっとけねーんだ、前のオレみたいで」

呟きと共に、装甲が開け放たれる。
[Start up]
[ 2012/03/30 23:42 ] [ 編集 ]

――――  プロバス要塞沖合400km TOPOL傭兵団艦隊 旗艦『マイ・ヴァン・クォン』  ――――

通信官B「座標D3-2、高度43、【ブリッツ】1が【グバルディヤー】3を撃墜、、、、あッ、
座標D2-9、高度12、【グバルディヤー】2が【ブリッツ】2を撃墜、そのまま座標D3-2に向かいます」
テュルパーン「被撃墜判定機に帰艦命令を。念のため給油機を上空に待機させて」
兵D「Есть!」
TOPOL「ヴァーニャめ、ジーデを格闘戦で落としたか、、、、、」
通信官A「同志司令、『キリール・モスカレンコ』から通信です。≪内務第2小隊より、支援準備要請の通信あり≫との事です」
TOPOL「ふむ、、、、、本艦の艦載機を回そう。兵器長、飛行隊は?」
兵C「『チャイカ』隊と『サクール』隊が出撃可能です」
TOPOL「宜しい。『サクール』隊をプロバス要塞周辺に展開させろ。電子戦装備の整っているQual傭兵団の事だから、
おそらく今回のサイロ騒動も全て掌握済みだろう。だが万が一の場合もある

テュルパーン「了解しました。【ジャナフ】、全機発艦!プロバスへ急行!」
兵C「航空甲板、【ジャナフ】発艦はじめ。【ジャナフ】発艦はじめ、、、、、」
TOPOL「計画変更だ。ミサイルが飛んだら我々で落とすぞ」
テュルパーン「ハッ!」
TOPOL「プロバスに展開した内務が、まさか役に立つとはな、、、、、通信中継だ。内務2小隊の『クローリカ』に繋げ」
通信官A「お待ちを、、、、、繋がりました!」
ZZz!
クローリカ≪指揮官同志、サイロに到着しました。御指示を≫
TOPOL「手順としては、Qual傭兵団の電子戦装備でミサイルを無力化後、
内務がミサイルを爆破処分する事になる。弾頭は特殊な方法でしか爆発しないから、誘爆の可能性は非常に低いだろう

クローリカ≪それが不可能な場合は?≫
TOPOL「貴様らの上空に展開する航空隊と本艦隊が迎撃、それが外れた場合は基地と軌道上のミサイルで迎撃する。
迎撃が失敗した場合は、、、、、フフン、数十万の人間がイコンの中身とご対面だ」ニヤッ
テュルパーン「、、、、、ッ!」ゴクリ





QWAOOOOOOOOM!

サクール「いち、にぃ、さん、、、、、よし、全機揃った」
ラハーブ≪【ジャナフ】4より【ジャナフ】リーダー、訓練と偵察以外で飛ぶのは久々ですねぇ≫
ナーフル≪【ジャナフ】4、私語を慎め≫
ナウラス≪【ジャナフ】3より【ジャナフ】2、堅い事は言いっこなしですよ。いつも通りいきましょうよ、
いつも通りにね≫
通信官F≪【ジャイフォーン】より【ジャナフ】、【ジャイフォーン】より【ジャナフ】≫
サクール「【ジャナフ】、感度良好」
通信官F≪方位0-1-1、全機プロバスへ急行せよ≫
サクール「【ジャナフ】リーダー、ラジャ。各機、気を抜くな。重大任務だぞ。続け」

QWAOOOOOOM!!





報告
TOPOL傭兵団、
内務大隊第2小隊の『クローリカ』以下、ヴァッフェバニー型 4機(VSS、AKS-74、PKPなど装備)、
Mi-38N(ステルス仕様)1機がプロバス要塞サイロに到着、ミサイル爆破作業を開始しました。

『マイヴァン・クォン』第2航空小隊のアーンヴァル水上型(全機、R-27bis【迎撃用に改造】×4装備)、
『サクール』、『ラハーブ』、『ナーフル』、『ナウラス』が、プロバス要塞に展開、迎撃準備に入りました。

TOPOL傭兵団所属の全部隊が、ミサイル迎撃態勢に入りました。
[ 2012/03/30 23:47 ] [ 編集 ]

「死んじゃえ、鬱陶しいの」

再度、ルシフェをシールドクローアームの打撃で弾き飛ばす。
その打撃で、大型拳銃を破壊する。

「裏切った、だと……」

ルシフェの言葉に、ミカエラは淡々と返す。
少なくとも、核弾頭なんかでカタリナ社を恫喝するような行動は、私達からすれば裏切りだと。

「しかもそれで結局、カタリナ社の他局に利用されて殺された?笑い話でももっとマシですね」

その一言が、感情の滂沱を産み、ルシフェの理性を押し流した。
残った片方の腕で再度グリーヴァを構え、全出力を回してミカエラに突進する。
ミカエラはその様子を見ると、背部ユニットを変形させ、装備した4門のキャノン砲を展開。
追加されたシールドの内側に装備されたミサイルポッドも、全開放。

照準は、前方より迫り来るルシフェに。
一撃のためにすべての行動をとっていたルシフェが、この砲撃を避けられるわけがなかった。

(まさか、私が、こんなッ!!!!)

そう思った直後には、彼女は爆炎に呑まれていた。


-------------------


戦場に穿たれたちいさなクレーター。
その中央に、ルシフェとミカエラは居た。
4発の大口径砲と14発のミサイルの直撃を受けたルシフェの体は、右半身が消し飛び、左腕もなければ左足も太ももから下がない。
もう、彼女は助からなかった。
そんな状態で、ルシフェは泣いていた。

「かえ……して………マスターを………返してよ………」

ミカエラはただそれを見つめる。

「貴女も、貴女のマスターも、もっと素直になって、もっと誰かを頼れたら、よかったのにね………」

ショットガンの弾を込めて、再びルシフェに言う。
聞いているだろうか。
「聴こえて」いるだろうか。
もう機能停止しているかもしれない。
それでもミカエラは言った。

「私も、きっと貴女と同じです………だから、貴女の言うことは正しかったのかもしれない。
でもね?
貴女のマスターが死に、貴女が前に目を向けなくなった時点で、貴女は負けたの。
この世界にね。さよなら、おやすみ、ルシフェ」

散弾が、ルシフェのCSCと頭部を粉々に打ち砕いた。
[ 2012/03/31 00:06 ] [ 編集 ]

Xephe


一角獣型武装神姫の腕が背後に回されたと同時に白き悪魔型が加速した。
相対距離はコンマ数秒で縮む。一手を先に繰り出したのはルシフェだった。
加速を運動エネルギーとして乗せ膝蹴りを腹部へ叩き込む。
激突箇所から火花が散り、ウィンターが悲鳴を上げることもできずに身をくの字に曲げ後方へ飛ばされる。
戦火を浴びて久しい廃れた建造物の壁に背を強打し、一角獣型に加えられた物理運動は停止した。
「あ゛・・・けほっ・・・」
煩わしいアラートが鳴り、無色透明な緩衝液を吐き散らし吸入器官を塞がれ、人間がするように咳き込む。
揺れる前髪の隙間と隙間からは悠然と歩み寄って来るストラーフmk.2ラヴィーナの姿が在った。
「貴方は何故現れた?どうして此処にいる?」
規則的に響く振動が地を這い、ウィンターに殺気と圧迫感を吹き付ける。
「だって・・・だって・・・ルシフェさんが・・・かわいそ・・・・・・だったから・・・」
無造作に転がっているビームマグナムが見えた。
あと1秒でも速ければ引き金に指をかけられていただろうが、今では手を伸ばすことすら叶わない。
「憐れむふりは止せ、恐怖に震える演技も必要無い。」
軋む足を支え立ち上がったウィンター。
サイコフレームの燐光は鈍く、一時前ほどの煌きは既に無い。
だが海を思わせる蒼い瞳に宿る光は消える気配も見せず、この戦場が開かれた時から変わらない、むしろより奥底の光を滾らせている。



その瞳に映し出される武装神姫。
こいつは一体誰だ?
マスターを失って、偽りの依頼で奴を呼び出して。
戦って、戦って、戦って。
何をしたい?目的は?
連鎖を断ち切る?私と貴方、二人の死をもってして。
何の為に。

目は口ほどにものを言う。
一点の曇りも濁りも無い清涼で、そうでありながら柔らかく穏やかな光を宿す目。
私だけを見ている。他の何者も映っていない。
自分を見せられている。不愉快だ。

「見るな・・・」
思考してはいけない。
気付いてしまう。
奴から目を背けなければ。

「ルシフェ・・・さん・・・」
鬣とも揶揄できる白い髪が揺れる。
煤で薄汚れて、艶を失った白い髪。
「かわいそう、と言ったな?」
今ここに存在するのは穢れた嘘。
私はいつからそれが始まったのかを不思議に思う。
「いや、所詮貴方・・・単純馬鹿な貴方の矜持などその程度・・・」
奴の眼に映る私は笑っている。
「もう少し利口な、賢い神姫だったら、大層な高説でも唱えてくれれば救われていたのかもしれない」
奴の記憶に在る私は笑っていない。
「まったく何なんだろう、私も貴方も・・・何をしているんだろう」
現在まで、奴が知る私は存在している。
だがもう永崎冴の神姫だった私はいない。
私を、記憶を、奴ごと消し去ってやる。
「そうだった、狂犬の共食いだ。
いいだろう止めてやる。考えるのは止めだ。」
しかし私は好まない。
私から生まれ出でた憎しみは、私に勝る。
「決着を付けよう。」
「ルシフェさん!」
今日で何度目か、一角獣型が永崎冴の武装神姫だった“物”の名前を呼んだ。
「言葉は不要だ」
盾、大剣、銃、必要ない。
武器を脱ぎ落とした身体は酷く軽い。
このままどこへでも飛んで行けそうだ。

「・・・して」
いつの間にか俯いていた角割れの口元が微かに動いた。
瞳が私から外されている。
あの忌々しい憐れみと訴えから開放されたのか。
「どーして・・・わたしのはなしをきーてくれないんです・・・」
色味を失った発光する装甲が、再び赤い光を燈し始めた。
だが今までとは違う。
先ほどまでの赤が綺麗だと言うならば、これは汚い赤だ。
蒼い瞳を持った神姫のものとは思えない、強烈な敵意を孕んだ気配が私を透過し、不快感だけを遺し過ぎ去って行く。

奴から生まれ出でた怒りは、奴に勝る。

「いじっぱり!もーしりません!」
叫ぶウィンターに応えたのか、装甲が宿す赤い光が爆ぜた。
飛び散った光は衝撃となって私の体躯を揺るがす。
装甲に宿った光は消え、赤い炎が爛々と煌き渦巻き、中で留められている。
向こうの準備は整った。

「ルシフェさんの!ばかー!!!」
「それでいい!さあ、私と貴方、二人の死を持ってこの連鎖を終わらせる!ウィンター!」


違う、だが言い繕う理由も権限も意味も無い。
戦って、戦って、戦って終わりにしよう。
ユニコーンは陽のあたらぬ影の中で生き、そして八番目の罪を犯すだろう。
貴方に私は止められない。
報われることのない存在は、すべてを罪へと変えるだろう。
私の最後のバトルは、ようやく始まった。
[ 2012/03/31 01:07 ] [ 編集 ]

It's all up to you, no one lives forever.


ルシフェのロークから放たれる弾丸が、槍襖のようにラクシュミを襲う。
ラクシュミは、寸でのところで回避しながら、スラスタを噴かして再突入する。
ラクシュミがルシフェの懐に飛び込むのと、ルシフェの副腕がラクシュミのユニコーンを押さえるのは同時
だった。
ユニコーンのキャノン砲を撃ち込もうとするラクシュミ。副腕でユニコーンを握りつぶそうとするルシフェ。
ラクシュミは、ユニコーンを押さえられ、近距離にも拘らずキャノン砲を撃てない。だが慌てる様子は無い。
千載一遇のチャンスと、副腕でがっちりと敵を捉え、離さないルシフェ。

ルシフェ「観念しろ! すぐに楽にしてやる。」

ここで、ラクシュミは、アルヴォで再度ルシフェのハンガーを連射する。
ルシフェは、ディカヤコーシカでラクシュミを突き刺そうとする。
しかし、ここで初めてリリアーヌとココレットが至近距離で発砲。
一撃の膝蹴りを素体部に喰らわせるラクシュミ。
だが、ここで怯まずに攻撃を緩めないルシフェ。ディカヤコーシカが、ラクシュミを貫いた、筈だった。
ルシフェが貫いたのは、主のいないユニコーンだった。渾身の一撃は、ハンガーのバッテリーボックスを
貫通していた。
主のいないユニコーンが、ルシフェに更なる体当たりを掛けて来るのをみて、離脱を図るルシフェ。
だが、時既に遅し。ユニコーンは、スーパーパック内の残存ミサイルと推進剤ををもって自爆した。
廃飛行場に響き渡る爆音と硝煙。再び遮られる視界。夕暮れが、視界の悪さを助長する。
なんとか、ルシフェは離脱することができ、一度地面に着地した。

ルシフェ「どこへ行った! それとも怖じ気づいて逃げたか?!」

ゆっくりと晴れて行く煙幕から、夕日を背にした素体姿のラクシュミの姿が現れた。
最初の時よりも更に影を濃くして。
両手には、二振りのアーミーナイフが握られていた。
ここで、ルシフェは勝利を確信した。こちらはまだ武装状態、一方向こうは素体状態。

ルシフェ「勝負あったな。ここでサレンダーするなら、CSCを砕くのは止めてやる。」

突然、笑い出すラクシュミ。まるで、地獄の底からの嘲笑のようだ。

ラクシュミ「なあ、アンタ。”マスターは消された”って言ってたな。
      ”消された”ってのは、随分抽象的じゃないか?
      普通なら”死んだ”だろ? 
      もしかして、”アンタを捨ててどっか行っちまった”んじゃないか?
      動いている死人だったら話はわかるぜ。
      ○アナプラあたりに行ってしまえば、誰でもそうなるからな。」

怒り心頭、怒髪天を突く勢いで言葉を荒げるルシフェ。

ルシフェ「貴様に、マスターを侮辱することは絶対に許さないッ! 
     貴様は、この世に塵一つ残さず消し去ってやるッ!」

ルシフェは、怒りを込めて、副腕のロークとジーラウズルイフをラクシュミに向けた、つもりだった。
だが、副腕は軋み音を上げて命令に抗議する。明らかに動きがおかしい。
ここで、ルシフェは気がついた。ラクシュミの異様なまでのハンガーへの攻撃、最後のユニコーン自爆。
”こいつは、始めから武装外しを狙ってたのか。”

ルシフェ「・・・判った。貴様の望む戦いをしてやる。これはサービスだ。有り難く思え。」

武装をすべて外し、ディカヤコーシカのみとしたルシフェ。

ラクシュミ「ようやくその気になってくれたな。ここで、”私の土俵”に上がってくれて嬉しいぜ。」
ルシフェ「抜かせ! 勝つのは私だ!」

身構える二体の神姫。夕日は、最後の輝きを放ちながら地平線に沈もうとしていた。
もうすぐ闇の支配する時間だ。

刃をもってぶつかり合う。見えるのは、二体の神姫の影と剣戟による火花。
何度も互いに刃を突きつけ、躱し合う。刃との隙間はほんの少しだ。
ここに来て、ルシフェは関節サーボに力が入らなくなって来ている事に気がついた。
向こうも同じ神姫。状態は同じな筈だ。あとは、SSクラスの実力でこいつを圧倒するだけ・・・。

ふと、ルシフェの瞳に映ったラクシュミの貌(かお)。その貌は白く、瞳が爛々と青く輝く。
口元には歪んだ笑み。

「ドウシテ、アンタタチハモットハヤク、タスケニキテクレナカッタノサ。
 ワタシトワタシノシッテルヒトハ、ミナシンダ。」

ラクシュミの口からこぼれ出た”怨嗟”の言葉。
ルシフェは、理解した。”こいつはプロバスの被実験体、犠牲者の思念を持つもの”

鈍い音が、ルシフェの体内に広がった。非常信号と緊急コマンドが身体を支配して行く。
みぞおちにラクシュミのアーミーナイフが深々と刺さり、ルシフェは地面に崩れ落ちた。
ラクシュミは、もう一方のアーミーナイフを握ったまま、無言で”敵MMS”を見下ろしていた。

そして、夕日は、完全にその姿を地平線の彼方に姿を消した。
[ 2012/03/31 02:12 ] [ 編集 ]

《そこには、始まりも終わりもなく。故に円環は無限へと昇華する》 by ファティマSide

 ――絶望の始まりまで後、1分18秒
 ――xA rre wArAmA maen a.u.k. zess titia/.

 謳が聞こえる。
 それは“歓喜”の剣からずっと響いてくるものだったが、ファティマは自ずと受け入れていた。
 聞こえるその謳は今の自分の為にある。力づけて奮い立たせてくれているものだと自然に納得していた。
 そして見上げる遥か上空に、星のように小さく見える“真の恐怖”を齎すものを見つけると、ファティマは更に上昇していった。
 分厚い雲を潜り抜けていったと思ったら気が付けばとっくに下の方に見えた。その気がさえあれば、こんな非常識な高さまで飛ぶことが出来るのかとファティマは思った。
(「まだ……まだこのままでは、このままでは……終われないんだから……!!」)
 何故か自然と、世界の為に祈っていた。 


 ――絶望の始まりまで後、60秒
 ――xA rre sEnEkk mirie, ag hEmmrA eje/.

 なんて速いんだろうか。幾ら速く飛んでいるつもりでもなかなか追いつけない。どこまで頑張ればあの、“真の恐怖”を射程に捉える事ができるのだろうか。
 それにしても、下に見える緑色の文様の形状から察するに、“真の恐怖”は日本目掛けて飛んでいるのだろうか。ルシフェの狙いは日本局だったのだろうか。
 然し、どこに落ちようが結果は同じだ。落下した場所で絶望的な被害が出るということは目に見えていた。
 “真の恐怖”までまだまだ距離がありすぎた。ファティマは奇跡を信じて更に上昇していく。


 ――絶望の始まりまで後、33秒
 ――xA rre wArAmA maen a.u.k. zess titia/.

 途中でまた、“真の恐怖”が余分な部品を排除して更に高度を上げていった。あれで何段目の分離だろうか。然し軍事にあまり詳しくないファティマにそんな事は分からなかった。
 然し、幾らなんでも自分は昇りすぎていないだろうか。途中で急激に冷える層にぶつかったと思えば、やや暖かな層にもぶつかってきた。よくよく考えれば、基本的に高度は上がれば上がるほど気温は低くなる筈だ。何故、自分は凍りつかないのだろうか。
 然し今はそんな事は些細な事だった。遥か上空に見える“真の恐怖”を捉えるまで、こんなところで落ちるわけにはいかないのだ。
 ファティマはひたすらに輝く世界を願った。
(「後、もう少し……もう少しでいいから、持ちこたえて……!」)
 過度の負荷に嫌な音を立てる黒き鋼の翼を信じながら、ファティマは更に追いかけた。


 ――絶望の始まりまで後、27秒
 ――xE rre lAnAcAaA eje/.

 もう、どのくらいの高さまで飛んだのかすら分からない。暑いのか冷たいのかすら分からない。唯、足元に広がる青く丸い物体が何であるか、それを理解することが出来る程度だった。
 そして、黒き大海の中にポツリと浮かぶ恐怖の星を見据えて、ファティマは右副腕に持たせた“槍”を構えた。あれは丁度、最高高度まで来てこれから再突入を開始しようとしていた。
 今なら投げられる。今なら当てる事ができる。
 世界の希望を信じて。ここで“真の恐怖”を消し去り、輝ける世界を願って。
 ファティマは右副腕に構えた槍を大きく後ろに引き、そして狙いを定めた。

(「天の雷よ、神の槍“グングニル”よ。恐怖を与えるものに恐怖を! そして、世界に希望を!!」)

 ファティマは全ての人々の願いと祈りを込めた神槍“グングニル”を、“真の恐怖”目掛けて投げつけた。
 その名前が何故、頭に浮かんだのか分からない。けれど、全ての希望を背負って投げる槍には相応しい名前のように思えた。
 地上へと再突入していく“真の恐怖”に、神槍“グングニル”が飛んでいく。それはまるで流星に似て、人々の願いの輝きが“真の恐怖”を貫いた。


 ――xA rre hLYAmLYEmLYErA sphaela/.


 そして、ファティマの見える世界が眩き白い光に包まれた。
 もてる限りの力を使ったファティマは、激しい光に包まれながら少しずつ地表へと近づいていった。同時に、限界を超えた黒い鋼の翼が両方とも根元から折れた。よくこの最後まで持ちこたえてくれたものだと思う。
 感慨も恐怖もない。唯、世界の人々の祈りと願いが一つになった瞬間に立ち会えて、ファティマは満足だった。
(「だからもう、こんな事はやめてね……」)
 最後にそう願うと、ファティマの意識は途切れた。



 ――一週間後。

 日本海の遥か上空で観測された謎の怪光現象は世界的に報じられた。
 カタリナ社の新兵器の実験、超新星の爆発、宇宙人の襲来など様々な説が唱えられたが、真実は闇に葬られた。
 のどかな日々。行きかう人々。世界のシステムは健在だった。
 そんな平和な町のある電気屋に置かれているテレビを、ある黒い神姫が見つめていた。映っていた番組は例の如く、謎の怪光現象だ。
「ルシフェ、あなたが見てきた人間だけが世界の全てじゃない。だから、わたしはここまで出来たんだよ」
 誰にも聞こえないような声で言うと、黒い神姫は買い物袋を抱えながら仲間の神姫の後を追いかけた。

                                                《ファティマSide. fin》



《人馬宮の悪魔の願い》 by ブエルSide

 戦術核があるミサイルサイロの制御はルシフェが握っている。ブエルが敗北を認めない限り、切り札の発射を先延ばしにしようとしていた。
 だが、数少ない武器であるコーシカまで弾き飛ばされて余裕が無くなったルシフェは、改めて戦術核の存在を突きつけてブエルを脅迫してきた。何がどう転ぼうが、世界の人々の命を突きつけられて動揺しない筈がない……ルシフェはそう思っていた。
 だが、彼女の耳に聞こえた言葉は飽くまでも確信に満ちた勝者の言葉だった。

「散々コケにしてくれたな……! もういい、貴様との戦いがどうなろうと、この呪われたセクターH13を灰燼と共に消してくれる!!」

 そうしてルシフェは、コアユニットからミサイルサイロ目掛けて発射命令を送信しようと試みた。

「そうだ、燃えろ、消えろ! ニューロン機関が残した呪われた土地ごと、何もかも燃え尽きてしまえぇぇぇぇ!! アーハッハッハッハッハ!!」

 全てを失ってしまった者の狂気をむき出しにして、ルシフェは高らかに笑った。終焉の始まりとなるこの瞬間に立ち会うブエルは、何故か至って冷静なままだった。
 それどころか、憐憫の情に満ちた眼差しをルシフェに向けていた。ブエルはこのような有様となってしまったルシフェを心から哀れんでいた。

「……本当に残念です。あなたは、大切なマスターを殺した世界への憎しみで心を獣に……狂犬へと変えてしまったのですね」
「何を言おうが今更ぁぁぁぁぁ!!!」

 だが、ルシフェが発射命令を送信した筈のミサイルサイロから、ミサイルが発射される事は無かった。全く、何も変化が起きていなかった。
 それに気付いたルシフェは狂喜に満ちたその顔を驚愕に変えた。
 何故だ。
 何故、核ミサイルが発射されない?
 私の命令でミサイルサイロは起動した筈だ。なのにどうして、ミサイルは発射されない?
 次第にルシフェの表情が焦りと疑心に満ちていく。
 ブエルは答えた。

「本当はこのような事はしたくなかったのですが、あなたの頭の中を弄ってしまいました」

 それを聞いたルシフェは信じられないものを見るようにブエルの顔を見つめた。
 先の言葉の意味を理解できなかったルシフェの顔に焦りが浮かんでいた。
 ブエルは言葉を続けた。

「言葉通りの意味ですよ。僕は、あなたがミサイルサイロを何らかの方法で遠隔制御する術を持っているものと認知しました。ですので僕はあなたの頭を弄って、それを使用不可能にするようにしたのです」

 ブエルの言っている事の意味がまるで分からない。
 いつ、どのような方法で自分はそのような事をされたのか。
 驚愕の眼差しでブエルの顔を見続けるルシフェ。ブエルの哀れみに満ちた瞳を見つめていると、何故だか吸い込まれてしまうような錯覚を覚えた。
 ルシフェはその瞳から目を逸らすことが出来ずにいた。明らかに危険だと分かっている筈なのに、何故かブエルの瞳を求め続けていた

「い……いやだ……」
「僕は本当は、心に傷を負った神姫を助ける為に設計されました。だから、最後にあなたが目にするものをお教えしましょう」

 そして、ブエルはルシフェにその憐憫と慈愛に満ちた眼差しをルシフェに向けて言った。

『人馬宮に住まう五芒星の悪魔が命ずる。その命が尽きるまでその獣の心を頭脳の意識の世界に閉じ込め、喪ったマスターと共に過ごす安らかな夢を見続けよ。そして、命の完全消失と共に全ての記憶データを消失し、ルシフェとしての生に幕を閉じよ』

 ブエルの瞳が再び妖しく光り、ルシフェはそれを見た。
「あっ……ああ……っ!」
 ルシフェの獣らしい荒んだ心が段々と解きほぐされていく。そしてぬるま湯に浸かるかのような優しさが身体全体を覆った。
 いや、ぬるま湯ではなかった。それは、目の前で殺されたと思った最愛のマスター、永崎 冴の身体だった。
 これは何なのだろうか。けれど、何もかもが白く染まっていく心地よさにルシフェは身を委ねていた。
 そして、自分の身体を優しく包み込むように抱える最愛のマスターが言った。

『ここなら、あなたとずっと一緒にいられるから……だからもう憎むのはやめて、私と一緒に過ごしましょう』

「マスター……」

『あなたがいてくれれば私は、もう怖いものなんてない。だから、私とずっと一緒にいて、ルシフェ……』

「………」



 ブエルは、滑走路の上で安らかな表情を浮かべて眠りに付いたルシフェを見下ろしていた。
 永い眠りに就いたルシフェはとても幸せそうだった。それはそうだ、何故なら自分がそのようにしたのだから。
 その時、ノルンから通信が掛かってきた。
『お疲れ様ね、ブエル。少し手間取ったようだけど、怪我はしていないようね』
「お姫さん」
 ブエルは力ない声でノルンの事を呼んだ。
『……何よ?』
「僕のやった事は何であれ、許される事ではありません。幾ら幸せな夢を見せたところで全てはまやかし。やはり僕も、狂犬なのでしょうかねえ……」
 ノルンは暫く押し黙っていたが、すぐに押し殺した笑い声を出してきた。
『ぷっ、く…く……あははははは!! あぁ、なんてことかしら、あのブエルがおかしくなっちゃうなんて……! 明日は大地震と大洪水と隕石の雨かしらね?』
 茶化されたような気がしてブエルはついむきになってしまった。
「失礼な、僕だって悩む時が御座いますよ」
『ふふっ、ごめんなさいね。あなたがそんな風に悩むのは勝手だけど、私からは一つだけ言えることがあるわ』
「それは、何ですか?」
 するとノルンは少し間を空けてから言った。
『狂犬は、突きつけられた戦術核を前にして脅えるか無視するかのどちらかよ。戦術核を気にしながら脅えなかったあなたは、少なくとも理知的な戦士だわ』
「理知的な戦士、ですか」
 我が主にそのような評価を下され、ブエルは少し気恥ずかしい気持ちとなった。真剣に悩んでいた事が馬鹿馬鹿しく感じられるようだった。
 そしてノルンは話題を切り替えてブエルに命じた。
『そんな事よりも、早くミサイルサイロに赴いて制御装置を停止させなさい。あの子のバッテリーが尽きる前にね』
「はっ、心得ました」
 ブエルは気持ちをスイッチのように切り替えて、すぐさまプロバス要塞のミサイルサイロへ向かった。これがブエルに残された最後の仕事だ。

 報酬が全てで殺しあうために生きる。それが傭兵というものだ。
 然しブエルは、ルシフェに用いた力は助ける為に用いるものだと信じ続ける限り、狂犬ではなかった。
 これからは、意味のあることの為にこの力を使い続けていきたい。
 ブエルはそう考えながら、ノルンのナビゲートを頼りにミサイルサイロへと向かっていった。

                                                 《ブエルSide. fin》


(以下、PL的発言)
 好き勝手し過ぎにも程があるだろうと思いながらも勢いで書きました。言うまでもありませんが、ファティマだけの力では全力を出して対流圏の下の方まで行くのがやっとです。勿論ファティマだけの力なら、です。
 ブエルの方はまあ、なんと言いましょうか。そんな便利な力があるなら最初から使え、と言ってはいけません。ブエルはそんな風に使いたくないのです。それまでの葛藤を隠しながらも平静を装うブエルは強いのか弱いのか、それは分かりません。
 以上乱筆乱文にして駄文にご付き合い下さり本当にありがとうございました。このような場を設けてくださったカタリナ様と、お付き合いくださったTOPOL様とレイキャスト様に厚く御礼申し上げます。
[ 2012/03/31 03:11 ] [ 編集 ]

PSPから失礼します

Qualさま>
(@プロバス上空)
ルカ「間に合わない・・・だったら、せめて!」(ビームライフルを発砲し、ミサイルの安定翼を破壊して速度を鈍らせる)
ルカ「私たちは先に離脱します。後は頼みます!」(急速反転して帰還していく。一拍後、遙か彼方で核の光が発せられた)
ルカ(ルシフェ・・・もし、もあなたに、永崎女史以外の[仲間]がいたら、結末は変わっていたはず・・・。そうできなかった自分が、憎いです)
(帰還の途につく彼女の背中には、どことなく哀愁があった)

(PL.ちくせう、風邪さえ引かなければもっと深入りできたのに! 私事は置いといて、Qualさま、TOPOLさま。自分のつたないロールにおつきあいいただき、ありがとうございました。次のステージでも、よろしくお願いします)
[ 2012/03/31 08:41 ] [ 編集 ]

[Start up]

その電子音声と共に、周囲の光景がひどく遅くなる。まるでとまっているかのような錯覚すら覚える。
酷く遅い時の中、黒髪のジールベルンは明星へと向かう。








「キミは・・・・どうしてマスターがいなくなった後でも暴れ回っていたのかな?」
遠い記憶。あの飄々とした蝙蝠との会話。主を失い、ただただ暴れまわっていて、奴等に負けて・・・
「ま、話したくないならいいんだけどさ」
「どうでもいんなら聞くな」
「確かにね。まぁそれはいいや、それよりアレだよアレ。折角こうして生きてるんだからさ、歩んでみる気はないかい?“第二の人生"ってヤツをさ」
沸けがわからなかった。第二の人生?老後じゃあるまいし。
「・・・・・・アホか」
「あたいはアホじゃないし、それに大真面目さ。戦う他の事でも探してみない?案外楽しいことがあったりして。今までと同じように戦うにしたってさ、イロイロあれば感触とか思うトコロとか変わってくると思うよ?いいかい、これはチャンス。今までよりもずっと楽しく、愉快に生きられるようになるかもしれないチャンスさ。楽しもうよ、折角なんだからさ」





「ハアッ!」
救う。
あの蝙蝠の事だ、このルシフェとかいう悪魔型にもオレにしたみたいにチャンスをくれてやるつもりなんだろ。
いいぜ、乗ってやるよ。







「ハァッ!」
掛け声と共に駆け抜ける銀の光。
腕の数のアドバンテージをもひっくり返しかねない程の凄まじい速度で斬撃を繰り出す。
「くぅ・・・ッ!」
それでもある程度反応して凌げているルシフェは、流石SS級といった所か。だが、それも限界だった。
右の副腕が、左右の腕が、脚が、切り取られていく・・・

四肢を失い、抵抗できなくなったルシフェ。彼女は仰向けに倒れた。


[time out]
[ 2012/03/31 12:27 ] [ 編集 ]

――――  プロバス要塞沖合400km TOPOL傭兵団艦隊 旗艦『マイ・ヴァン・クォン』  ――――

通信官B「座標D6-4、高度41、【ブリッツ】1が【グバルディヤー】2を撃墜しました。
【グバルディヤー】1と【ブリッツ】1、座標D6-4、高度120で再度格闘戦に入ります」
TOPOL「一騎打ちか、、、、、まるで映画だな」
テュルパーン「両者の損傷状況、兵装と残弾は?」
通信官B「【グバルディヤー】1は左前腕部とフラップ小破。兵装は近接長刀とA-97が各1。A-97は残弾52。
【ブリッツ】は右主脚中破していますが、他は健在です兵装は近接長刀とStG940が各1。StGは残弾20です」
通信官A「同志司令、内務2小隊がミサイルの爆破および弾頭確保に成功しました
TOPOL「よし、帰投命令を出せ。念のため放射線測定と除染を準備させろ」
通信官A「Есть!」
通信官B「同志司令、座標D4-2、高度200、【グバルディヤー】1と【ブリッツ】1が撃墜されました。相討ちです」
TOPOL「終わったか、、、、、潜水艦分隊の出番は無かったな」
テュルパーン「やはり対潜部隊を編成すべきです。航空隊の能力にも限界があります」
TOPOL「だな。そもそも対潜能力は、第1親衛航空小隊には必要ないしな」
テュルパーン「、、、、、指揮官同志、それを言われては演習の意味がありません」
TOPOL「なぁに、外洋戦力の確認に、セクタH-13と日本局へのシギント、そして核弾頭確保、、、、、。
これだけやれば充分だ。それに今回の潜水艦分隊の役目は、あくまで海域地形の把握だ。演習は二次的任務だよ
テュルパーン「ミサイル破壊は成果に含まれないのですか?」
TOPOL「あんなものは成功して当然だ。内務は歩兵とは違うしな、、、、、。
さて、そろそろ帰るか。艦隊、反転」
テュルパーン「了解しました。艦隊、16点回頭!取り舵一杯!!」
兵F「とぉりかーじ!!」




――――  旧プロバス要塞近海 上空  ――――

QUWAAAOOM!

スヴェートカ(相討ち、か、、、、、)フゥ
通信官C≪【ジャイフォーン】より各隊。周波数を共通に変更、帰投せよ。周波数を共通に変更、帰投せよ≫
スヴェートカ「【グバルディヤー】1、了解」
QWOOOOOOM!

スヴェートカ(私もまだまだ未熟ね。これだけの接近戦で、『アードラ』を2度見失った、、、、、)
ZZz!

アードラ≪【ブリッツ】1より【グバルディヤー】1、合流する≫
スヴェートカ「!【グバルディヤー】1、了解」
アードラ≪、、、、、良い腕だったが追い込みが甘い。それに貴様、私を2度見失ったろう?≫
スヴェートカ「ッ!?、、、、、えぇ。それに射撃の腕も悪い」ハァ
アードラ≪いや、あの射撃はスリリングだったよ。5時上方に不明機、、、、IFF確認。友軍だ≫
ZZz!

サクール≪【ジャナフ】リーダーより【グバルディヤー】、【ブリッツ】。合流援護する≫
スヴェートカ「【グバルディヤー】1、了解」
アードラ≪【ブリッツ】1、了解。エスコートは任せる≫
サクール≪【ジャナフ】リーダー、ラジャ≫

QWAOOOOOM!!



報告
TOPOL傭兵団は、旧プロバス要塞周辺から撤収を開始しました。





兵C「あ、そうだ。お前、航空隊の皆様方が帰ってきても、手を出そうなんて思うなよ?」
兵B「へぇ、それは何故?」
兵C「んん?戦闘直後で気が立ってるからな。足腰立たなくなるまで帰して貰えないぞ?」チラッ

兵B「あ、なるほど。そいつは大変だ、、、、、なあぁ通信長ぉ?」ニヤニヤ
兵D「は、、、、?」
兵E「某日深夜、通信長の部屋からは、朝まで途切れることなく甘い嬌声が響くのであったぁ~」ニヤニヤ
兵D「、、、、えっ!?おい皆!!?////////」カァッ
兵B「おい、みんな気をつけろよ。今晩はこれまで以上に″おアツイ〟ぞ」ニヤニヤ
兵一同「「「ハハハ、、、、、」」」
テュルパーン「まだ任務中だというのに、まったく、、、、、」クスッ
TOPOL「明るいのは良い事だ。少し大目に見てやろう」






スヴェートカ「、、、、、ッ!!/////////」ボンッ
アードラ≪なるほど、、、、、≫
ヴァローナ≪なぁるほど、それで夜中、こっそり部屋から出て行ってたんですね?≫ニヤニヤ
スヴェートカ「ちょ、ヴァーニャ!?////////」
マリア≪小隊長、おめでとうございます!≫
スヴェートカ「ま、マリアまで!!?」ガーン!
ZZz!

ラハーブ≪【ジャナフ】4より【グバルディヤー】1!相手は一昨日のナイスガイか!?
一昨日のナイスガイなのかあああああぁぁぁッ!!?≫ヒューヒュー
スヴェートカ「っ!?声が大きい!!////////」キッ!
ナーフル≪【ジャナフ】2より【ジャナフ】4、そうだ。声が大きいぞ。もっと大きな声で言え≫ニヤッ
スヴェートカ「ナーフル准尉!!/////////」キッ!
ナウラス≪怪しいとは思ってたんですけど、まさか当たりとはねぇ~♪≫ニヤニヤ
ジークリンデ≪フフッ、賭けにならないですねぇ~?皆『付き合ってる』に賭けるんですもの≫ニヤニヤ
アードラ≪まったくだ。今回の賞金は祝い金にするか?≫
ヴァローナ≪さんせ~い!≫
マリア≪わ、私も賛成ですッ!!≫
アードラ≪決まり、だな≫チラッ
スヴェートカ「勝手に決めないで!!」ブンブン!



皆さま、お疲れ様でした。
まずミッションに参加していない私がコメントするというのも、
なかなか可笑しい話ですね、、、、。
Qualさま、レイキャストさま、ご迷惑をおかけしました。
[ 2012/03/31 14:51 ] [ 編集 ]

ウラジオストクの要塞の底で

[Fall]

一切の飛び道具を持たない二機が剣をぶつけ合う。
ルシフェが地を蹴って飛び、シールドを投げ捨てたウィンターがビーム・トンファーを発振させたまま殺気を隠す素振りも無く飛び付く。
身を捩りディーカヤコーシカを振るう。
まともに剣戟を光の刃で受けてしまったウィンターが反動を受け、制御バランスを取り戻すためにターンし離脱を試みる。
悪魔型にとって狙いはそこにあった。
敵機が読み通りの方向にターンするより先にブースターを噴射し急速接近する。
「砕け散れ!」
サブ・アームのクローが開かれ、爪を突き立てる。
剛爪は空気ごとウィンターの右肩装甲を引き裂き、基盤となっているサイコフレームを剥き出しにさせた。
再び体勢を崩すウィンターに太刀の一閃を浴びせる。
角割れは強引なAMBAC機動で機体を引き戻し、横から繰り出される斬撃を受け、さらに縦から来る連撃をも打ち返した。
脚が来る。
下方よりすくい上げてきた敵意に反応するより先に、インテンション・オートマチックシステムが装備者の思考を先読みしバーニアを逆噴射させた。
ウィンターの居た空間を明星の左脚が蹴り上げる。
攻撃動作が完了する前に左腕袖部のビームサーベル発振機を起動し、二刀を携え突撃する。
が、ルシフェの眼前に躍り出た瞬間に横っ飛びに回避行動を取った。
蹴り上げのモーションを右脚による回し蹴りに繋げたルシフェの攻撃がまた空振りに終わる。
「これが貴方の力、そうか、プロバス要塞で見せたあの力はやはり本物だったか!」
明星の二つ名を冠する神姫も横へ飛び、ウィンターとルシフェ両機が同等のスピードで並走する格好となった。
「わあああぁーーー!」
「ははははははは!!!」
咆哮と狂気染みた歓声。
並走しながら必要時間1秒以下で繰り出される斬撃がひたすら連続してスパークを散らせる。
振り切られた刀が弾かれ、なぎ払った光剣が押し返される。
渾身の一撃同士が激突し合い、互いに大きな衝撃を加え身を弾く。
弾かれた反動を利用したAMBAC機動でウィンターが機体方向を180度旋回させルシフェから距離を離す。
一拍子置いてからブースターを最大出力で噴射し後を追う。
「命を、刈り取ってやる!」
ルシフェはCSCが疼くのを感じた。
情報を高速処理する神経回路が角割れの軌道を読む。
尋常では無い加速と急ターン。
CクラスMMSとして異質な動きだが、それでも素人臭い直線的な動きはSSクラスに通用するものでは無かった。
いつか戦列を共にした時に見た挙動が早巻きにされているだけだ。
どだい、普通のMMSが長らくこの状況に耐えられるわけが無い。
事実としてウィンターはわが身を省みない加速によってGをもろに受け、外部はもとより内部電装系にダメージを負っていた。
「貴方もやはり狂犬だ・・・・・・わけの解からないまま戦うだけの・・・」
自分が笑っていることに気付ける道理など無く、ぐんぐん距離を離す閃光を追う。
「だが、武装神姫であるなら、私達は正しいのかも知れない!こうすることでこそ私達は!」
両サブ・アームを即時攻撃位置で構え、太刀を両手で握り締める。
遥か先を行くブースターの煌きが消えた。
やはり素人だ、読み通りの動きをしてくれる。
言葉にして発すること無く、内の中で呟いた。
機動力の違う相手にわざわざ合わせる必要など無く、相手の癖をつかんでやればいい。
一撃を浴びせてから急速離脱、典型的な一撃離脱戦法を取っていたウィンターの挙動はSSクラスのルシフェにとって感覚だけで見切れるものだった。
遠方で光が炸裂し、光点がルシフェに向かって猛進する。
みるみる内に大きくなる光点。角割れのシルエットが見えた。
手が届きそうなほど距離を詰めた瞬間、一角獣型がビームトンファーを振るう。
「殺った!」
斬撃を浴びせられるより先に一対のサブ・アームがウィンターの側面から伸び、爪を胴と左肩口に食い込ませるさまを幻視して、オーガズムにも似た快感が身体を突き抜けるのを味わった。
反応する間も無く、視界外からの攻撃に身体を食われ、素体フレームがひしゃげる音を聞き恐慌に染まった表情を晒しながらオイルを吐き散らし、目を剥いて左右に引き裂かれる白い機体。

ユニコーンアンバルはルシフェによって殺された。

「な・・・に・・・!?」
獲物を食い千切ったはずの左右両サブ・アームが肘関節付近から両断され、宙を舞っていた。
ビームトンファーを振り切った角割れ周囲にメガ粒子の余韻が残り、ピンクの粒子が雪のように舞う。
見開かれた蒼い瞳は感情を感じさせない。
先刻までの角割れとは違う動きと気配に、保護表皮を突き刺す冷たさを滲ませた動き。
「貴方は・・・・・・誰だ?」
銃を構えることもなくルシフェの正面前方で仁王立ちしていた武装神姫の姿は、そこに無かった。
瞳が湛える蒼はサイコフレームの光を呑み、奥底に赤黒い靄を潜ませている。
怒りも狂気も憎悪も無く、ハンティングマシーンと化した“機械人形”がルシフェの前に立ち、光剣を納刀した。

開かれた左掌がルシフェに伸びる。
「化物がああああああーーーー!!!」
反射的にディーカヤコーシカーを振るう。
化物は“切断したサブアームを手に取り”ながら後ろに飛び退くと転進、異常な急加速で一気に距離を引き離す。
一撃離脱攻撃に違いない。
サブアームを失ったルシフェはバックユニットをパージし、無意味な重荷が地に吸い込まれた事を確認して、刀を構えた。
「来い!これで最後だ!」
プレッシャーを気迫で押し返し、喉奥から漏れる憎悪と怒りの唸り声で目標を狙い定める。
光の軌跡が物理法則を無視した出鱈目な軌道を描き接近して来る。
誰の目から見ても慣性を殺しきれておらず、MMSに強烈な負荷がかかっていることは想像するまでもない。
鋭角な軌跡を残しながら光点が高度差を合わせた。
両手に残骸を抱えた魔獣が突進してくる。
「滅びろ!!」
両肩が軋む音を感じながら、交差する刹那を見切り、刃を振り切った。
だが、刃はウィンターを捕らえることは無かった。
切っ先が届く寸前の位置で急停止した角割れは、回収したサブアームをルシフェに投げつけた。
行け、潰せと念じたウィンターのものか定かでは無い音声が、幻聴となって悪魔型の集音センサーに滑り込む。
残骸が連続して衝突し、火花を散らせた機体がぐらりと傾く。
悪意を顕わにしたマニュピレーターが伸び、刀を握るルシフェの左腕が捕らえられる。

「ッ!?ぎ、げあああああ!?!?」
人間で言うならば神経、血管、骨が引き抜かれた痛みに等しい感覚が左肩口からCSCに濁流となって流れ込む。
スパークを明滅させ、回路をだらしなくたらしている肩、腕は魔獣が握っていた。
即座にオートで痛覚センサーが遮断されるが焼ける痛みが残滓となって留まる。
引き抜いた腕を投げ捨てると角割れは右マニュピレーターを胸部へと伸ばす。
柔らかな乳房を最終装甲ごと鷲掴み、脚でルシフェを押さえブースターの推力をも借りて力いっぱいに引っ張った。
「ひ・・・」
結合が千切れ、装甲がCSC基盤と別れを告げた。
武装神姫の心臓が露出した。

宙に浮かぶルシフェ。
視界がアラートとエラーを伝えるインフォメーションで満たされる。
ビームトンファーを前方に突き出し、猛進する角割れの姿が見えた。

目前に置かれた揺ぎ無い死。
恐れは無く、半ば諦めに近い虚無感がじわじわと湧いて来た。
世界に必要無い物の片割れが今滅ぶ。
かつてウィンターだった何者かが口元を吊り上げ、かつて永崎冴の武装神姫だった何者かが死ぬ。
どうしてここまで来てしまったのだろうかと思案すると、まだオーナーである人間の顔が浮かんだ。

背面で光を爆発させ、魔獣は猛進した。
あと少し、あと少しで届く。
ルシフェは悟った。


「そうか、私、死にたかったんだ。」



[イノセンス]



切り裂いたサブ・アームも、身体を傾けたルシフェも、全て赤いフィルターの掛かった血の色だった。
人間の身体で一番Gに弱い器官は眼。
慣れ親しんだ声が記憶の中で響く。
MMSならどうだろうか。ウィンターにはそんな事を思考するほどキャパシティー容量は無かった。
武装のプラットフォームたるMMS素体が、武装に引っ張られている。
強引な加速が機体を振り回すそれは、強姦に等しい行為だ。
身体は犯されたまま好き勝手に突き動かされている。
大雑把な激情に流されるまま、ルシフェの腕を奪った。
断末魔が上がるが、ウィンターは止まらない。
腕を伸ばし更に身体の一部を奪い去る。
CSCが見えた。これが、不快を生む排除すべき目標。
突き刺せばルシフェの活動は完全に停止する。
宿った思い出も、楽しいことも悲しいことも全部灼熱に焼かれ溶解するだろう。
それがウィンターの望むことなのか。
哀しいと感じる心を失わせることが。

「いいだろう、行かせてあげるよ。けどねこれだけは憶えていて欲しいな。
やらなきゃいけない事じゃなくて、ウィンターちゃんが自分で成すべき、やらなきゃいけないと思ったことをやりとげるんだ。
信じて力を尽くせば、きっとその装備は応えてくれるからね」

ホエールキングを飛び出る前、最後に聞いたマスターの声音。
白髪を揺らす神姫の頭の中で静かに言葉が反芻される。

思考を放棄した身体が好き勝手に動き、右腕を前に突き出す。
袖口から伸びたメガ粒子がI・フィールドによって刃へ形状固定される。
これをルシフェに突き立てれば、終わる。
だが望んだことでは無く、なすべきと思ったことでもない。
ウィンターが自分で成すべき、やり遂げたいと思った事、それは―――

『わたしは、ルシフェさんをたすけたい』

善も悪も裏も表も無く、個として完全に独立した絶対不変の思惟。
言葉にしたためて放った意味以外の本質は無い。
理解したなら、あとは行動すればいい。
これはわたしじゃないと拒絶の意志を示して。

爆ぜる粒子が光刃となってルシフェの胸を狙う。
諦め、投げ出したルシフェの表情を見、ウィンターの感覚は引き戻された。
四肢に伝う脈動は自分のもの、これは誰の物でもない一角獣型MMSの身体だ。
全霊を掛け、腕を逸らそうとするが動かない。
眼前に光が迫っているルシフェもまた動かない。
瞳を中空に見据え、最後の一撃を待っている。
自らの呪いを解き、薄汚れた体を焼き尽くす鉄槌を待ち望んでいる。
その救いをウィンターは否定した。

「とまってえぇぇーーーーーー!!!」
思惟の限りに叫んだ。
助けることに理由などない、ただかわいそうだと思ったことだけが動機の全てだった。
サイコフレームが瞬間的に色味を落とし、スライドしていた装甲がそれを覆い隠す。
V字のアンテナが折りたたまれ、第三の眼もセンサーも収納される。
接触まであと1メートルを切っていた。
暴れ馬を眠らせた姫は両腕を広げ、慣性を伴ったままルシフェの胸へ一直線に飛び込んだ。
背中まで突き抜ける衝撃がルシフェを吹き飛ばすより先に、ウィンターの両腕が腰に背に伸び全力でしがみついてきた。
驚愕する隙も無く抱き付いてきた神姫と共に慣性の赴くまま後ろへ飛ばされるルシフェ。
背中が冷たく冷え切ったアスファルトに擦れ、ガリガリと地面を抉る。
マフラーセンサーがへし折れたがそんな事に感けている場合では無かった。
アスファルトを抉り、タッチダウンした地点から数メートルも盛大に滑走した身体は漸く停止した。

舞い上がった灰色の土埃が沈み掛けていた陽に照らされ、緋色のカーテンを作り出す。
視界が次第に晴れ、寂れた古戦場に静寂が戻った時、ルシフェは果たして突如抱きつき、未だに我が身を締め付ける神姫の正体を見た。
角割れでは無い神姫。

胸に顔を埋めしがみつくユニコーンの身体は、微かに震えていた。
[ 2012/03/31 23:42 ] [ 編集 ]

瞬く間に、爆発と閃光が互いの姿を隠す。
視界を奪われたルシフェは、ただ目を閉じ、周囲に耳を澄まし意識を集中させた。
…ブースターの上昇する音がする。
そして、空中で停止し、自分に目掛けて落下してくる。

ルシフェ「…そこだ!」

タイミングを見計らい、剣で落下してきた物体を正確に突き刺す。
だが、確かな手応えを感じるも、違和感を拭えない。
徐々に視界が回復し、今仕留めた獲物の姿が現れる。

ルシフェ「しまった…囮か!?」

そこには、パージされたブースターだけがあった。
持ち主の姿は見当たらない。

ニコル「こっちだよ、スウィーティー。言っただろ?今のアンタじゃ無理だって。」

ルシフェ「!?」

左耳に感じる、相手の甘い裏声と吐息。
それと共に、頭部に激しい衝撃と激痛が走る。

ガンッ!ガンッ!ガンッ!

不気味に笑った特殊部隊の女が、白い悪魔の頭部を鉄パイプで何度も繰り返し殴打する。

ルシフェ「がっ…!ぎぎっ!」

ガンッ!ガンッ!ガンッ!ガンッ!ガンッ!

歪んだバイザーの隙間からは赤いオイルが溢れ出て、殴打される度に、ルシフェの顔が変形していく。
だが、容赦無い攻撃の手が休まる事は無い。

完全に日が落ちた頃には、再び、滑走路に静寂が訪れていた。
その片隅では、頭部を粉々に叩き壊された、〝明星〟と呼ばれていたモノが冷たく横たわっていた。



END
[ 2012/04/01 00:16 ] [ 編集 ]

[敵意の大地に種を撒く]

「ごめ・・ん・・・い・・・・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」
嗚咽の混じった声は震えている。
頭は埋められていて、ルシフェから顔を窺い知ることはできないが、どんな表情をしているかわざわざ考察するまでも無かった。
「何故謝る?」
背中に回された腕も震えている。
さほど背面にダメージを負わなかったのは、ウィンターの腕が庇ったからなのだろうか。
「いたかったですよね・・・・・・けどどーしていいか・・・わかんなくて・・・」
露呈したCSCに雫が伝う。これは他ならぬ一角獣が傷付けた痕。
散々に痛めつけられた悪魔型もそうだが、一角獣型も全身各部の駆動系がショートしていた。
「貴方は本当に愚かな神姫だ。こんな事をして得られるものなど無いのに」
小さな動作で首を横に振るウィンター。
「オロカじゃないです・・・・・・ちょっとおばかさんな・・・だけです・・・」
それ以上語らず飛行場跡地にすすり泣く声だけが響く。
ルシフェの目が夕暮れと夜の狭間に漂い、ユニコーンに抱かれたまま虚空を泳ぐ。

「やはり、貴方と私は相容れ無い」
言葉を投げた相手は応えない。
「貫いてくれれば良かったのに」
「でも・・・でも・・・」
顔を上げようとしたウィンターを右手で抑えた。
力は無く、ただ添えられただけの手だったが、纏う熱と冷たさは一角獣型を押し留めるに十分足るものだった。
「見ないでくれ。貴方の眼は、私には辛すぎる」
細い指がたてがみを思わせる白髪の隙間をすり抜け、表面だけを撫でてみせる。
煤で汚れ、ところどころ縮れてしまった髪は、それでもなおしっとりとした質感と甘い芳香を失っていない。

いつしかすすり泣く声は止み、胸に抱かれた一角獣の震えも止まった。
もう一度だけ、髪を撫でてやる。
洋菓子にも似た香りがルシフェの鼻腔を刺激することなく、柔らかな感触だけを残し彼方へと去って行く。
一角獣は動かない。


「ねえ、聞こえる?」

数分前まで敵だったMMSの身体の上で、消え入りそうな小さい寝息を立て、子供の様に深いまどろみに沈むウィンターへ直接通信を繋ぐ。
肌と肌を触れ合わせた者同士だけの伝達回線。
ノイズ交じりの音声は煩わしさを感じさせず、むしろ静寂を感じさせた。
そして、すやすやと眠りにつくユニコーンに口を開くことなく言葉を伝える。


「ありがとう」


その一言を最後に、ルシフェもまた瞼を閉じた。

陽は沈み夕焼けの世界は終わりを告げた。
宵闇が二機を包み、藍色のベールが空を覆う。

どちらかが斃れるか、どちらも斃れるか。
例え結末が定められていたとしても、報われないとしても、
ウィンターは自らの思惟を持ち、可能性を求め、全力で抗った。
それだけは事実だ。


[Thinker]

MMS零 ミッション№29 ウラジオストクの要塞の底で おしまい
[ 2012/04/01 00:51 ] [ 編集 ]

コメント返し

>皆様お疲れ様です。


【GM】

皆様お疲れ様です。

平行世界での様々なルシフェエンド。

どのオーナーのプレイも見ていて面白かったですねw

ルシフェは名も無き傭兵によって討ち取られた・・・

3月31日迄に決着をつけられた名も無き傭兵のみなさまです。

白餡 様
Mr.Potato 様
ゾックス 様
Qual 様
madriax74 様
クルセ 様
龍牙 様

ありがとうございました。

また、他に観戦、セクターH13関連に参加された多くの神姫マスター、オーナー様ありがとうございました!!

エンドロール、ミッション事後は明日、記事で書きます。

次回の4月度からは、新しいミッション、新しい舞台、新しいキャラが登場します。

また初心者、初めてMMS零に参加される人にも優しいNPC傭兵雇用や他のオーナーとの共闘とか考えています。


お楽しみに!!
[ 2012/04/01 01:21 ] [ 編集 ]

こん○○は、黒水です。

参加しておきながら、SSを書き込めずにすいませんでした。

仕事と私用が重なり完成できなかった…中途半端な文章もどうかと思い不参加に…。

新シリーズは初回から参加したいので精進いたします。

では。
[ 2012/04/01 13:08 ] [ 編集 ]

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